健康経営の事例:株式会社ファイブグループ(前編)

健康経営の事例:株式会社ファイブグループ(前編)

「関わるすべての人が楽しくなれる環境を作ること。」を企業理念に、飲食店を運営している株式会社ファイブグループ。今回は、総務部 課長の岩永 敏幸さんにお話を伺いました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和


後編はこちら

セルメスタ代表の熊倉は、健康経営アドバイザーの資格を持ち、多くの企業の健康経営コンサルティングを行っています。

熊倉が健康経営コンサルティングとして携わった株式会社ファイブグループが、健康経営優良法人2018(ホワイト500)に認定されました。
今回は、同社 総務部 課長の岩永さんにお話を伺いました。

1.ホワイト500を目指した経緯・きっかけ

─ まずは健康経営優良法人(ホワイト500)の認定、おめでとうございます! 私が御社の健康経営のコンサルティングに携わらせていただいたこともあり、喜びもひとしおです。

岩永 敏幸さん(以下、岩永さん):このたびは大変お世話になりました。ホワイト500に認定されて終わりにするのではなく、今後も健康経営を推進してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

─ それでは改めて、御社の考える健康経営について、またホワイト500に申請されることになったきっかけを教えていただけますか。

岩永さん:はい。当社は「関わるすべての人が楽しくなれる環境を作ること。」を経営理念に掲げています。それを実現するためには、まず従業員が心身ともに健康で、個性や能力を最大限に発揮できることが重要だと考えています。従業員一人ひとりが心身ともに健康で、常に働く喜びに満ちあふれ、当社の経営理念の実践を通して豊かな社会の実現に貢献できるよう、健康づくりに取り組むこととなりました。

─ なにか具体的な方針はあったのでしょうか。

岩永さん:具体的には、5つの軸で健康経営にチャレンジしました。1つ目は「人財力」です。従業員が心身ともに健康で個性や能力を最大限に発揮できることを目指しました。これはコストではなく将来への投資と考えています。意欲が向上することで離職も防止でき、従業員各々の将来像が描きやすくなります。

岩永さん:2つ目は「理念実行」です。先ほど申し上げた当社の理念を実行し、常に働く喜びに満ち溢れている状態を目指しました。3つ目は「取り組み」で、主にセルフケア・ラインケア・事業場外資源によるケア、の3本でメンタルヘルスケアを行うというものです。そして4つ目は「社会的な適合基準」です。当社の取り組みが社会的にマッチしているのかどうか、客観的な評価による改善を行いました。最後は「会社の自主性」ですね。新しいことにチャレンジしていきたいという当社の性質を生かし、いいものをどんどん取り入れることを目指しました。

─ 明確な5つの軸があったので、ブレずに遂行できたのですね。ちなみに御社は、Great Place to Work®の「働きがいのある企業ランキング2018」中規模部門で13位を獲得されています。しかも飲食業界においてはトップの順位だったとか。

岩永さん:はい、おかげさまで高い評価をいただきました。こちらは働きがいにフォーカスして取り組んでいますが、やはり健康と働きがいは切っても切れない密接な関係だと実感しました。健康経営を行うことで、従業員の働きがいや満足度も上がっていくと思います。

2.注力している施策について

─ それでは、御社の健康経営施策について教えてください。

岩永さん:まず健康管理に力を入れるため、健康診断受診率100%を目標に掲げ、予防と早期発見に努めました。同時に休暇取得を推奨していく風土をつくり、休暇取得率の向上を目指して働き方の多様性にも取り組みました。また、検診を拡充したり、休暇制度を充実させたり、育児支援を取り入れたりするなど、女性活躍の推進にも力を入れています。

─ さまざまな施策を同時に進められたのですね。

岩永さん:はい。さらに全店舗の店長や責任者が一堂に会する会議で、健康意識の啓蒙も進めています。以前、この会議で熊倉さんに食育とマインドフルネスに関するセミナーを行っていただき、従業員からも「新しい発見ができてよかった」とうれしい反応がありました。

─ 私のセミナーをきっかけに、少しでも健康意識に目を向けていただければ本望です。

岩永さん:実際、普段の生活と職場の両方にとってプラスの影響があったと感じています。食育という部分では、当社の健康イベントの1つである「ファイザップ」にて、熊倉さんにファスティングのご指導もいただきました。

岩永さん:また、マインドフルネスでストレスの解放を、労働安全衛生法に基づくストレスチェックで予防に力を入れ、さらにマラソン大会などのイベントを開催することで健康の習慣化を目指しました。

─ ホワイト500に関しても、初年度ながら高い点数を取られました。しかし、ホワイト500にチャレンジするために始めた取り組みばかりではなく、働き方改革や健診、女性活躍推進やファイザップなど、以前から取り組まれてきた施策も多いですね。初年度から高い点数が取れたのは、それが大きかったと思います。

岩永さん:それぞれの取り組みの目的は違っていても、やっていくうちにすべて健康につながっているということを従業員にわかってもらえればと考えています。

─ 食育やマインドフルネスなどの新規施策が加わって、全体としていい形になってきていますね。15個の審査項目のうち、ほとんどを網羅していました。

岩永さん:はい。今回ホワイト500にチャレンジしたことで、自分たちになにが足りないのかがわかったことも収穫でした。

─ 社会的な基準と比べ、どこに力を入れたらいいかがわかったことで新しい取り組みにつなげられたのですね。一気に底上げをされたと思います。

後編はこちら

後編では、ホワイト500認定後の社内外の変化やこれからの展望などついてお話しいただきます。

<企業データ>

会社名:株式会社ファイブグループ
事業内容:飲食事業(居酒屋・ダイニング等)の経営・企画・運営店舗プロデュース事業
所在地:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-5-10 いちご吉祥寺ビル 7F
資本金:10,000,000円
従業員数:2,261人(正社員304名・アルバイト1,957名)※グループ直結

取材・講演の依頼はこちら

関連するキーワード


健康経営 事例

関連する投稿


ウェルビーイング経営とは?健康で幸せな働き方をするためのポイント

ウェルビーイング経営とは?健康で幸せな働き方をするためのポイント

2019年12月4日(水)、ベルサール神田にて開催された「健康経営フォーラム2019 in東京」。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、研究科委員長・教授である前野隆司氏が登壇され、「幸福経営学」について語りました。働き方改革が進む中、より一層重要度の増すウェルビーイング経営に関して、詳しく学ぶことができました。


健康経営のその先へ。人と組織を活性化し、社会の「しあわせ」を創る丸井グループのウェルネス経営

健康経営のその先へ。人と組織を活性化し、社会の「しあわせ」を創る丸井グループのウェルネス経営

丸井グループが取り組んでいる「ウェルネス経営」は、人と組織、社会を活性化させ、すべてのステークホルダーの「しあわせ」を実現するというもの。その中核として推進してきたのが産業医の小島玲子先生(丸井グループ専属産業医 執行役員健康推進部長)。健康経営を社員の単なる健康管理ではなく、企業や社会に利益をもたらす経営戦略として捉え、企業風土をも変革していきました。(インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和)


まさにお手本!ビックカメラの健康経営の進め方

まさにお手本!ビックカメラの健康経営の進め方

コジマ、ソフマップというグループ企業を合わせると、約14,000もの従業員がいるビックカメラ 。そんな大企業が、いかに健康経営を推し進めていったのでしょうか。まず誰かがやりたい と声をあげ、専門家や社内各部署の協力を仰ぎながら進めていく姿は、まさに健康経営推 進の理想型。今回は推進の中核を担った『いきいき働く推進チーム』のリーダーを務める 根本さんにお聞きしました。(インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和)


大塚製薬2019年健康経営実践セミナー 事例紹介編

大塚製薬2019年健康経営実践セミナー 事例紹介編

2019年10月10日(水)、ライブオン形式(都内のスタジオから生中継)で全国48会場を結び、約800名が参加して行われた健康経営®︎実践セミナー。事例発表として登場したのが、株式会社井上蒲鉾店 代表取締役の牧田知江子氏と『セイムス』を始め、ドラッグストアを1337店展開する株式会社富士薬品。前者は、食を扱う老舗としてのモノづくりのこだわり、中小企業の健康経営で大切なことなどについて。後者は管理栄養士のマネジメントや店舗での相談会などを担当する鎌田梨菜氏が、『ドラッグストアの地域貢献 〜働く人の健康づくり〜』というテーマで事例を発表してくれました。


シリーズ『私の生きがい組織』(第二回) 仕事が生きがいになる時、強い会社が生まれる

シリーズ『私の生きがい組織』(第二回) 仕事が生きがいになる時、強い会社が生まれる

赤字が続く中、会社の経営を引き継いだ大橋運輸株式会社 代表取締役 鍋嶋洋行氏。業界の競争も激化する中、事業方針を大きく転換。規模ではなく、付加価値の高い仕事に注力。社員の働きがいと利益率を重視しながら、会社の立て直しに成功。地域貢献にも力を入れ、地元になくてはならない会社となるとともに、国内外から求人応募が届くなど、今、熱い視線が向けられています。(インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表取締役社長 熊倉利和)


最新の投稿


ウェルビーイング経営とは?健康で幸せな働き方をするためのポイント

ウェルビーイング経営とは?健康で幸せな働き方をするためのポイント

2019年12月4日(水)、ベルサール神田にて開催された「健康経営フォーラム2019 in東京」。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、研究科委員長・教授である前野隆司氏が登壇され、「幸福経営学」について語りました。働き方改革が進む中、より一層重要度の増すウェルビーイング経営に関して、詳しく学ぶことができました。


【講演&ディスカッション】健康づくりの未来 ~2040年に向けた挑戦~

【講演&ディスカッション】健康づくりの未来 ~2040年に向けた挑戦~

2019年11月26〜27日にプリズムホール(東京都文京区)で開催された『データヘルス・予防サービス見本市2019』。津下一代氏(あいち健康の森健康科学総合センターセンター長)がコーディネーターとなって開かれた講演&ディスカッションでは、経済産業省、スポーツ庁、厚生労働省の課長というまさに最前線で日本の課題に取り組む人たちによる大変示唆に富むお話が聞けました。


【講演】社会課題で“熱狂”をうむ方法 ~注文をまちがえる料理 店のつくりかた~

【講演】社会課題で“熱狂”をうむ方法 ~注文をまちがえる料理 店のつくりかた~

2019年11月26〜27日にプリズムホール(東京都文京区)で開催された『データヘルス・予防サービス見本市2019』。小国士朗氏(『注文をまちがえる料理店』発起人)の講演テーマは、『社会課題で“熱狂”をうむ方法 ~注文をまちがえる料理店のつくりかた~』。認知症の方々が働くレストランを開いた理由、そして、そこから感じ取ったことについて話してくれました。


【講演】“暮せば健康になるまち”松本の実現へ

【講演】“暮せば健康になるまち”松本の実現へ

2019年11月26〜27日にプリズムホール(東京都文京区)で開催された『データヘルス・予防サービス見本市2019』。小林浩之氏(松本市商工観光部健康産業・企業立地担当部長)の講演のテーマは、「“暮せば健康になるまち”松本の実現へ」。長野県松本市の様々な取り組みについて話してくれました。


【講演】健康経営における食生活改善の推進

【講演】健康経営における食生活改善の推進

2019年11月26〜27日にプリズムホール(東京都文京区)で開催された『データヘルス・予防サービス見本市2019』。武見ゆかり先生(女子栄養大学・大学院教授〔食生態学研究室〕)の講演テーマは、『健康経営における食生活改善の推進』。健康寿命を延ばすための食事や、その食事を提供していくための環境づくりについて話してくれました。