健康経営の取組み事例:内田洋行健康保険組合(後編)

内田洋行グループの健康保険組合である、内田洋行健康保険組合。常務理事の松井さん、事務長の中家さん、課長代理の山本さん、保健師の舟久保さんにお話を伺いました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和

中編では、特徴的な健康経営施策についてお伺いしました。後編となる本記事では、健康経営施策に注力してからの社内外の変化や今後の展望についてお話しいただきます。

社内外の様子の変化について

─ 健康経営を支援するようになって、社内外の様子はどのように変わりましたか?

中家さん:まず内田洋行グループ内についてですが、健康づくりイベントへの経営陣の積極的参加が見られ、それに刺激されて社員の参加率も向上しました。

─ まず経営陣の意識が変わったのですね。

中家さん:はい。先ほどお話したお弁当セミナーですが、ホワイト500を取得した内田洋行ITソリューションズと共同開催したところ、社長、常務取締役管理本部長、執行役員管理部長など経営陣が積極参加し、社員と一緒にセミナーを楽しまれていました。健康企業宣言をしたりホワイト500を取得したりすると、やはり経営陣も変わるのだなあと実感しました。
また、Webの健康マイページ『けんぽのここカラダ』のログイン登録率が73.6%に向上しました。「健診結果に基づき、あなたにはこういう健康リスクがあるので今後はこのようにがんばりましょう」といった案内も見られるようにしています。

─ では、社外からなにか反応はありましたか?

中家さん:当健保の取り組みに興味を持たれ、国、大学、企業、健保組合などにご来社いただくケースが増えました。情報交換会を行ったり、懇親会を開いたりしています。

─ やはりこれだけの成果をあげていらっしゃるので、社外からの注目度も高いのですね。

中家さん:ありがとうございます。社外向けですと、2017年に健康経営NEXT実行委員会(株式会社フジクラCHO補佐の浅野先生が委員長)のメンバーとして「健康経営NEXTシンポジウム」を開催し、500名を超える方にご参加いただきました。健康経営とコラボヘルスの講演やパネルディスカッションなどに私と山本が登壇し、来場者アンケートでも高評価をいただくことができました。また、今年4月から、放送大学の「身近な統計(第3回)」という科目のなかで、内田洋行と内田洋行健保の取り組みが「統計と社会との接点」の例として取り上げられ、6年間にわたって放送されます。内田洋行専務・健保理事長の秋山や保健師・医学博士の舟久保が講義のなかで解説しています。

─ ますますのご活躍を期待しております!

モチベーション維持のために苦労したこと

─ さまざまな施策に取り組まれていますが、なにかご苦労はありましたか?

中家さん:「利他の心」(世のため人のために)で、いろいろなことにチャレンジしているため、外部活動と業務量の増加により仕事の負荷が急増しているところでしょうか。組織体制を強化し、職員の増加を図ることで改善を試みています。今春から保健師が新メンバーとして加わり、夏には事務職も一人加わる予定です。今後とも、皆で力を合わせて邁進してまいります。

【新メンバー・保健師 眞野満知子さんから一言】
眞野さん:4月末より入職いたしました眞野と申します。内田洋行健康保険組合の保健師として、その責務を心得るとともに、健保の前向きな取り組みの一助となれるよう努めてまいります。

今後について

─ 健康経営の推進サポートをする健保組合として、これからどのようなことに注力されたいとお考えですか?

中家さん:まず、残り9事業所の健康企業宣言と銀の認定証の取得、および全事業所の健康経営優良法人の認定を目指します。そのために、「企業」「労働組合」「健保組合」の三位一体の推進体制の質をさらに向上させていきたいです。ゴールは「社員&家族が元気で活き活きとしている」状態を創出することです。

舟久保さん:保健師目線ですと、腰痛に特化した医療費適正化のICTソリューション「ポケットセラピスト」を導入し、生産性の向上を図りたいです。ポケットセラピストを使い、2018年度は腰痛対策セミナーを全国展開したいと考えています。

─ プレゼンティズムに着目されたのですね。どこから手をつけるか難しい部分でもありますね。

舟久保さん:はい。ストレスチェックで頭痛・肩こり・腰痛など慢性の痛みをベースに持っている方が多いという結果が見えてきているので、まずは外部事業者と共同して腰痛対策を考えました。参加者のデータを分析し、「労働生産性」「エンゲージメント」「症状」のデータを事業所にフィードバックできればと思っています。

中家さん:あとは、「政府」「研究者」「自治体」「企業」「健保組合」がしっかり協働するあり方を日本全体でも目指さねばならないと考えています。それぞれが持つ力を現場で共同して発揮しなければならないと、日英国際シンポジウムで実感しました。また、完全遠隔禁煙外来プログラムの実践と効果検証を目的にICT保健事業コンソーシアムを組織し、2020年までに喫煙率5%削減を目指してしっかり予防医療を行っていきたいです。世界から多くの人が来日されるので、日本のタバコ事情をもっと改善し、よくしていきたいですね。

─ 達成できるよう期待しております。本日は貴重なお話をありがとうございました。

このたび、内田洋行健康保険組合のお取り計らいにより、自社の健康経営などの目的で活用をご希望の方に、取材時に使用したスライド資料をご提供できる運びとなりました。
ご希望の方は下記よりご連絡ください。

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<企業データ>

名称:内田洋行健康保険組合
所在地:〒104-0033 東京都中央区新川2丁目12番15号 ヒューリック八丁堀ビル
加入事業所数:(株)内田洋行グループ22事業所
被保険者数:3,510人(平均年齢44.44歳)
被扶養者数:3,463人
(平成29年4月1日現在)