ホワイト500認定企業の事例:株式会社ファイブグループ(後編)

「関わるすべての人が楽しくなれる環境を作ること。」を企業理念に、飲食店を運営している株式会社ファイブグループ。今回は、総務部 課長の岩永 敏幸さんにお話を伺いました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和

前編では、ホワイト500を目指した経緯や注力している施策などについてお伺いしました。後編となる本記事では、ホワイト500認定後の社内外の変化やこれからの展望などについてお話しいただきます。

3.ホワイト500認定後の社内外の変化

─ ホワイト500に認定されてから、社内外でなにか変化はありましたか?

岩永さん:まず社内だと、健康経営という言葉が定着し、より浸透率がアップしたと感じます。従業員同士の飲み会でも、健康経営という言葉が飛び交うようになりました。飲みすぎている従業員に対して「健康経営大丈夫ですか?」と声をかけることも(笑)。一人ひとりが自然と健康を意識できるようになってきていると思います。また、会社全体で健康経営に取り組むことで、働くことへの安心感も醸成できています。働きながら健康になれる、というような。

─ 仕事をするということは身を削ることだ、といった意見もあります。しかし御社を見ていると、仕事と健康は二律背反の概念ではないですよね。

岩永さん:仕事をしているときもプライベートのときも、自然と健康に意識が向いています。会社発信の取り組みですが、仕事だけでなく生活の改善にもつながりますので、心身ともにリラックスできて職場に来られるという、いい循環につながっていると感じます。

─ 実際そういった部分で最前線を行ってくれたのが、ファイザップでファスティングに参加してくれた3名です。仕事をしながら断食をして健康を維持、ファスティングが終わる頃には健康への意識が変わり、両立していけるという自信まで得られていました。彼らが実体験を啓蒙し、周りに広がっていくといいですよね。

4.健康経営を進めるにあたり苦労した点など

─ ちなみに、健康経営を進めるにあたり苦労したことはありましたか?

岩永さん:従業員の意識をどう向上させるかということに関しては苦労しました。いきなり健康経営と言っても、そこまで健康を意識していなかった従業員たちにどうアピールするか。当社は比較的従業員の年齢層が若いので、もともと健康に対する意識がそこまで高くなかったのです。そこで、楽しく参加できて健康につながるという部分を知ってもらうために、ファイザップやマラソン大会などのイベントを開催しました。まずは知ることで、健康に対する意識が向上していくのかな、と。
あと、せっかくホワイト500に認定されたことですし、これからどうやってPDCAを回していくかについても悩みました。従業員に向けては、「普段の生活から見直すことができますよ」と、取り組むことでどうなるかの目的を話すようにしています。インストール研修や月初発表会でも、健康経営につながるようなことを伝えています。伝え続けていくことで健康経営が定着し、継続維持ができるかなと考えています。

─ インストール研修、月初発表会とはどのようなものでしょう?

岩永さん:インストール研修は、入社する際の4日間の研修のことです。会社の理念の説明や社長の講話があり、私が担当する研修もあります。そこで「会社は健康経営をやっていて、今年ホワイト500に認定されました」というところから話しています。総務のミッションとして「安心して働ける環境づくり」というものがあるので、この会社に入ってよかったと安心してもらうための研修でもあります。

─ それはもう狙い通りですね。

岩永さん:はい。月初発表会は事務所のメンバーだけで行う会議で、文字通り月初に行い、前月の振り返りをしたり今月の目標を発表したりしています。休暇取得率や法定労働時間を超えている従業員は何人か、など数値の発表もし、それも健康経営につながっているというところで言葉の定着化を狙っています。

─ ちなみに、ホワイト500に認定されて、社外向けに発表などはされたのですか?

岩永さん:社外に対しては、ホワイト500に認定されたことのプレスリリースを出したり、Webサイトに労働環境改善への取り組みを発表したりしました。会社が大きくなるにつれ責任も伴いますので、社内外に広く広報しています。

─ ひところ、飲食界隈ではブラック状態になっていることが社会問題になったりもしました。そんな業界で、まったく真逆のことをやっているというのがすごいですよね。社員はもちろんアルバイトも含め、なにかとシフトのやりくりなどが難しいと思います。しかし、飲食業でもホワイトでやれるということを示したのは、社会的に大きいですね。

岩永さん:たしかに、同じ業界で健康経営優良法人に認定されているところは少なかったように思います。

─ 逆に同じ飲食業で別の企業の従業員からしてみたら、「飲食でホワイトなんてできるの!?」と思われるかもしれませんね。

岩永さん:健康経営を維持していくための基準は高いハードルだということを、社内外に広く伝えています。だからこそ従業員みんなで協力して体制づくりをしていこうと。例えば健診受診率99.8%ではだめ、100%じゃないと、といった具体的な数字も出すようにしています。

5.これから力を入れていきたいこと

─ 健康経営を継続し、ホワイト500に認定された企業として、これからどのようなことに力を入れていくと考えていらっしゃいますか?

岩永さん:最終的には、従業員一人ひとりが思い描いている仕事の仕方、生活の仕方を会社がサポートできるようにしたいと考えています。仕事面だと、時短や休暇を増やすなど、多用な働き方にマッチした制度をつくりたいです。健康管理と増進のために女性の検診内容も拡充していきたいです。生活面だと、ファイザップやマラソン大会、クラブ活動などイベントを通して新しい発見・体験をすることで、食生活の見直しや運動習慣につながっていけば、より生活が充実して働く意欲もわいてくると考えています。寝不足だったり偏った食生活だったり、家に寝に帰るだけの生活だったりすると、やはり労働意欲も失せてしまいますし悪循環ですよね。仕事と生活が密接に関わっているということを認識した上で、しっかり会社がサポートしていけるような仕組みづくりにより力を入れていきたいです。

─ これからも健康経営アドバイザーとして、お力になれればと思います。本日はありがとうございました。

<企業データ>

会社名:株式会社ファイブグループ
事業内容:飲食事業(居酒屋・ダイニング等)の経営・企画・運営店舗プロデュース事業
所在地:〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-5-10 いちご吉祥寺ビル 7F
資本金:10,000,000円
従業員数:2,261人(正社員304名・アルバイト1,957名)※グループ直結