データヘルス見本市講演:お薬手帳によるジェネリック切替健保様事例

データヘルス見本市講演:お薬手帳によるジェネリック切替健保様事例

11月20日に文京区プリズムホールで行われたデータヘルス・予防サービス見本市2018。その中で一際盛り上がりを見せた出展者セミナーの様子をご紹介します。登壇者は、健保設立以来15年ほど常務理事として在任されていて保健事業に大変造詣の深い、ひかり健康保険組合常務理事の太田幸生氏、株式会社ヘルスケアマーケティングでジェネリックの担当、及び健康ポータルサイト「健やか」の開発責任者である小林剛氏、司会進行は株式会社セルメスタ代表 熊倉利和です。


1.ジェネリック切替に際しての課題

熊倉利和(以下、熊倉):本日はお薬手帳によるジェネリック切替の健保事例というセミナーを開催いたします。今回、株式会社ヘルスケアマーケティングの提供するサービスをひかり健康保険組合様に導入いただいておりますので、その事例をご紹介させていただきます。

熊倉:現在は社会構造の変革期と言えますが、健保様におかれましても特定健診と特定保健指導の受診率に対して行政から提示された加算、減算があるかと存じます。更に行政は細かく7つの評価項目を設定し、一定の成果があった場合前段の目標達成に貢献したとみなす項目を掲げています。

これらに対して今回ご紹介するサービスがどのようなソリューションを提供できるのか、小林さんよりご説明をお願いします。

小林剛氏(以下、小林さん):はい、こちらの資料のうち、赤枠で囲った部分が、弊社がこれからお手伝いできる可能性のあるところとして示しております。とりわけ本日は4番目の項目、後発医薬品の使用促進という部分に関して具体的なご紹介をさせていただきます。

この項目は紙での促進、カードの配布、差額通知の実施、割合に対する前年度比の割合の上がり下がりなどが評価項目になっています。ここを私たちなりに解釈・掘り下げまして皆様がご利用になりやすいサービスにしたのが、健康管理プラットフォーム「健やか」というWEBサービスです。

内容のご紹介に先立ちまして、具体的にジェネリックへの切替、差額通知をするにあたっての本質的な課題は何かということを簡単に整理して参ります。

小林さん:現在差額通知は紙、メールでの送付が一般的かと思います。しかしその場合コストの兼ね合いで医療費の足切りなどを行っていて全員に行き渡らせるということが難しいことが多く、届く範囲に限界がある、という課題を抱えています。

また、通知を出したところでその後利用するかどうかは本人任せになることや、本来測っていかなければいけないメールの既読率、差額通知の開封率などがなかなか可視化できないといった課題もあります。

熊倉:はがきを送るなど紙での通知というのはコストを考えた時にジェネリックへの切替効果が高い人にしかできないですし、その上紙の通知ではきちんと中身を見ていただけたのかどうかわからないという課題があるということですね。

小林さん:はい、そういったところを私たちの一つの課題として解決しようとしたのが今回ご紹介するサービスでございます。

小林さん:後発医薬品の使用比率に関しては最大85%まで引き上げる目標を行政は掲げています。これは調剤薬局でも同じ状況でして、今まで75%達成すればよかったところ10%目標が引き上がっています。

今までのサービスですとまず被保険者の方に対する、通知の届き率、開封率はなんとかまだ追えていましたが、この85%という数字を考えた場合にそろそろ被保険者だけでは頭打ちがくるのではないかという懸念がございます。

その時にアプローチすべきところは皆さんもご承知の通り、被扶養者ということになります。通知を見ていただく、メールをする、ポータルサイト内での促進をかけるというのはあくまで従業員として勤めていらっしゃる被保険者の方々へのアプローチ手段です。

被扶養者の方々にどのように情報を届けるのか、そして促進した結果をどうエビデンスとしてもたらすのか、そこが大きな次の課題になってくると考えます。

2. 健康管理プラットフォーム「健やか」について

小林さん:こういった課題を解決する「健やか」の大きな特徴は、調剤薬局を使った切替の促進をする点です。これは今まで健保様向けのサービスの中ではなかなかなかったアプローチではないでしょうか。

この「健やか」というのは実態としてはウェブサービスです。この中でマイページを使いながら被保険者、並びに被扶養者の方々に対して差額通知のご案内、先発品を後発品に変えたあとの経済効果などをコンテンツとして提供するというポータルサイトでございます。

小林さん:機能の特徴としては、医科・歯科・薬局といったの医療機関への予約サービスというものがついております。これによって、従業員の方々に関しては近くの医院や薬局にご自身の就業時間を意識した形で予約していただくことが出来ますし、今後は電子お薬手帳の無料利用も視野に入れております。

これらのサービスに関しては初期費用、利用料に関しては無料でご提供するというところも大きな特徴になっています。

熊倉:既存のジェネリック切替サービスの後続サービスとして利用が可能、という点について詳しく教えていただけますか?

小林さん:はい、例えば今紙やメールでの通知の送付代行されている企業様とお取り組みをされている健保様が6割程度いらっしゃると伺っておりますが、弊社のサービスはその方々の交代要員ではなく追加要員なのです。

小林さん:今通知の送付をターゲットにしている方々は先ほど申した課題、医療費の足切り制限をした対象者のみに向けたサービスになっています。しかし私たちのサービスは現在対象外である方々を含めた、全ての方に対して提供できるというのがもう一つの大きな特徴になっています。

従いまして、今紙で通知していることを辞めてこちらに切り替えるのではなくて、紙で通知している人以外に対して私たちのサービスを使っていただくということでももちろん可能です。その分のご利用料、導入費用というのは一切かからないというところが導入していただきやすい点と自負しております。

熊倉:なるほど、よく分かりました。それでは「健やか」の具体的な使い方の流れを簡単にご説明お願いします。

小林さん:まず健保様から被保険者のリストをお預かりしまして、その方々を対象に紙のチラシをお配りします。そこからQRコードなりでサイトにアクセスしていただいて、簡易登録をいただくという運びです。

小林さん:ここまでが完了しますと、マイページのご利用が可能になります。マイページは差額通知のご案内の機能、ポイントサービスがつきまして、ポイント通帳としての役割もございます。今後お薬手帳の機能が追加された際にはここでお薬の履歴が閲覧できるだとか、他のサービスがどんどん付随していくものと考えております。

尚ポイントサービスについては「健やか」の中では健康コンテンツを閲覧していただいたときに閲覧のポイントがついたり、医療薬関連のウェブサービスをお使いいただいたときにポイントがついたりします。

また兄弟サイトで「e-Carada」というOTCや健康食品を販売する通販サイトがございますので、こちらでも購入した際にポイントがつきますし、ついたポイントを還元するためにお買い上げいただいた金額の一部からポイントを利用することができるというサービスもございます。

熊倉:「健やか」は無料なのにポイントがつくのですね。

小林さん:とかくポイントと申しますとポイント原資を健保様の中で捻出しなければいけないという課題がつきまといます。

例えばそれが期中であれば予算編成上見込んでないものについて再稟議をあげるなど大変お手間のかかる作業になりますが、弊社の場合はこのポイント付与の原資というものは弊社の中で賄っていますので、健保様にそれをご負担いただくという必要はございません。

熊倉:なるほど、それで初期費用も利用料もかからないということなのですね。

小林さん:はい。従いまして、このサイトをどんどん利用していただくとその分ポイントが被保険者様について、それを更にこのサイト内で利活用していただく、というサイクルを作ることで被保険者様の満足度が上がっていくといった仕掛けを持っています。

3.サービス導入の経緯

熊倉:それではここからはご利用事例として、ひかり健保の太田常務より健保組合のプロフィールとサービスの導入の経緯をご紹介いただきます。

太田 幸生常務理事(以下、太田さん):ひかり健康保険組合は、株式会社ひかり通信という会社が母体になって出来ている単一健康保険組合で、被保険者が大体13000人、被扶養者が6500人と、2万人弱のいわゆる中規模健康保険組合だと思います。

一番の特徴は、年齢層の最多層帯が25~29歳の層が一番多いということです。全部の健康保険組合の平均的な年齢層、最多層帯が大体35~39歳もしくは40~44歳の層ですので、2ランク~3ランク最多層帯の低い、若い健康保険組合ということになります。

太田さん:そのため月間で30人くらい出産育児一時金の請求があり、年間で400人ほど新生児が増えていますので乳幼児も割合的に非常に多い健康保険組合となっております。

乳幼児が多く、若い奥様も多いので、被扶養者についても年齢層帯がかなり低いというのが特徴になります。少し薄い右側の表を見てもらうとわかるのですが、全国1394健康保険組合中12位ということで、下から数えて12番目の平均年齢というかなり若い健康保険組合となります。

現在までの取り組みといたしましては、イントラネット上に展開しているWEB給与明細というものがあるのですが、その仕組みを利用してジェネリックの差額通知案内を健保の方から月次でデータをアップロードして、給与明細を見たら差額通知が見られるようにしております。

熊倉:毎月というのは他の健保さんに比べるとずいぶん力を入れていらっしゃるのではないでしょうか?

太田さん:そうかもしれません。ただ、ご本人がチェックすれば見れるようにはなっているのですけれども、少し悲しいのはイントラネットというのが限界でインターネットではないので、ご家族の方は見られないのです。給与明細のシステムの中にあるので、あくまでもこれを見られるのは被保険者の方のみになっているというのが現状の課題でした。

しかし幸いほぼ全員がメールアドレス、アカウントを持っているので、毎月対象者の方に健保からのメールマガジンとして色々な題材で健康通信というタイトルでメルマガを配信することが出来ております。

その時々でテーマを変えるのですが、その中に時折ジェネリックの促進を入れて、漫画形式などで皆さんに見える配信をして促進を図っております。

太田さん:その他は、健保ホームページにジェネリックについての解説を載せていたり、配布している機関誌(健保だより)でも数号に一回ジェネリックについてのトピックスを載せたりして、促進活動に励んでおります。

熊倉:ひかり健保様のジェネリック切替の実績はいかがですか?

太田さん:努力してはいるのですが、厚労省からのデータと当健保を比較してみると平成30年1月度の全体の家族(被扶養者)のジェネリックの使用割合は69%と、全国平均以下であることが分かりました。

特に5歳~14歳までは50%を切っていたので、ここをなんとかしないといけないのですが、今ひかり健保で出来る方法ではもう頭打ちというか、これ以上どうやって手を打とうかと思っていました。そこで、今回このご提案をいただいたのです。

太田さん:「健やか」の共同開発企業であるEPARKさんの既存の会員の層は、30~50代の主婦層が多いと伺いました。5~14歳までの子供が、自分で病院に行って自分の懐からお金を出しているわけではないので、このお金を払うのはお母さん方、つまり30~50代の主婦の方々が中心になってくると思います。

なので、この方たちがこのサービスを使ってくれれば、必然的にお子さんのジェネリックの切替率も上がるのではないかという期待を持ってこのサービスを導入した次第です。

熊倉:ありがとうございます。毎月差額通知を出しているというお話がありましたが、その効果検証はやはり難しいのでしょうか?

太田さん:このサービスに限らず、また他の健保さんもそうだと思うのですが、データヘルスが始まってから保健事業として実施していることに対するエビデンスを求められることが増えました。

太田さん:しかしそのエビデンスをとることは非常に難しいです。これをやったからこの結果が出た、とは本当は分からないんですね。分からないままに、きっとそうなんだろう、とエビデンスにして無理やり実績にしているところが多いのではないかと思います。

私がこのサービスの魅力だと感じたのは、利用者がユーザー登録をしなくても、健保からのレセプトデータと紐づけていただけるので、このサービスを使った実績が確実に健保側に毎月降りてくる点です。

健康保険組合の記号番号で紐づけ出来ますので、必ずその組合の利用実績として毎月オープンに分かるのです。これ以上、今考えられるエビデンスをとれる方法はないと、今までの単なる促進を一線超えたサービスだなと思ったので今回決めさせていただきました。

4.「健やか」の独自の仕組み

熊倉:それでは、今までにないアプローチでのサービス、という点について具体的にサービスの内容を教えていただけますか。

小林さん:はい、調剤薬局も後発医薬品の使用比率目標が上がったことで、薬局と健保様は大きな共通の目的を持っていると言えます。健保様に関してはそこに付随して被扶養者の方々の切替率UPという副課題もございます。

弊社はそんな両者を繋ぎ合理的に後発品の利用率を向上させていく仕組みを構築しております。

小林さん:該当の健保様から来た患者さんが薬局側で分かれば薬剤師さんは積極的にこの人は切替をしてもいい人なんだという認識になって、切替を促進します。薬剤師さんは後発医薬品を促進したい立場なので、積極的に勧めます。

被保険者である患者さんに関してはいつも行っている薬局のいつもの薬剤師さんに、先発品から後発品に切り替えることをお薦めされるわけですから、紙やメールでの通知よりもよりダイレクトで分かりやすいと思います。その上信頼のある人間からお薦めされるのですから、切替の率が上がってくるという仕掛けがここにございます。

熊倉:共通の目的を持っている薬局と健保様を結び付けるというのは新しい発想ですね。具体的にその仕掛けを実現する仕組みを教えてください。

小林さん:飲食店や商業施設の中で予約サービスを展開している会員組織、EPARKは皆様ご存知でしょうか。現在も増加中で、約2400万人の会員さんがいらっしゃいます。その中ではすでに医科・歯科、薬局に対する医療施設の予約サービスというのを展開しています。

薬局の分野に関しましては全国約13000店舗で私たちの予約サービスが使えることになっていますので、このフィールドを利用するというのが今回の企画でございます。

つまり日本全国ですでに網羅された調剤薬局に患者様が行った時、たまたまその方が今回の健保の対象の被保険者であった場合、その場で自動に切り替えられるというのが今回のサービスの大きな特徴です。

小林さん:太田さんの話の中にあったように、このエビデンスが私たちのシステムの中に電子データとして残りまして、毎月健保様の方にフィードバックされるという仕組みになります。

具体的には保険者番号、記号番号、生年月日などを使い、健保様とEPARK薬局の会員様を紐づけていきます。健保様からお預かりした被保険者のリストを活用させていただくことで、調剤薬局に来局された患者様が差額通知を促進したい被保険者の方であることをリアルタイムで通知することができるのです。

その通知に薬剤師が気付いて、服薬指導の時にジェネリックの切替に関してしっかりと説明していただくという仕組みになります。

熊倉:なるほど。正に新しい視点でのサービスですね。大変画期的な仕組みだと思います。

5.新たな試み「電子お薬手帳」について

小林さん:この仕掛けを使うことによりまして、健保さんに負担をかけることなく切替の実績が上がっていくという構図が書けるのですが、更にもう一歩踏み込んで私たちが新たな試みとして考えていることがございます。それは電子お薬手帳というものです。

耳にしたことのある方もいらっしゃると思いますが、紙でお配りしている手帳の電子版ですね。今15社くらいのメーカーから配布されているもので、ほとんどがスマホアプリとして展開されています。これが無料で配布され、患者様が使っているという状態です。

EPARKの電子お薬手帳のアプリは、現在約50万ダウンロードされています。マンスリーアクティブユーザーとしては65~70%の利用率なので、多くの方に利用されているアプリと言えます。加えてこの利用者層というのが、EPARKの会員と同じく30~50代の主婦層が多くいらっしゃいます。

小林さん: 家族を抱えたお母さんたちが、例えばお食事に行くときに並ぶのが大変だから予約して行ったり、小さいお子様がいると長い時間調剤室で待つのが大変だから予約サービスを使ってすぐお薬を受け取って帰ったり、あとはこの時期ですとインフルエンザの二次感染を防ぐためなど、様々なニーズがあります。

このように電子お薬手帳を使っている利用層と、ジェネリックの切替を健保様が勧めたい利用層が合致するのではないか、ということが見込まれたのです。

熊倉:先ほど太田常務も被扶養者(お子様、奥様)が課題だと仰っていましたね。

小林さん:はい。正にその届けたい世代に対してすでに広まっているプラットフォームを使いながら、適切なタイミングでその情報をお届けすることができるので、非常に合理性のあるスキームになっていると思っております。

小林さん:健保様からは、電子お薬手帳を促進しなければいけないか、それを進めるために更に健保様に負荷が掛かるのではないか、という疑問が挙がるかもしれませんが、これはEPARKサービスの中でプロモーションをかけることでダウンロード数が伸びていくと考えておりますので、それに対して健保様自身が大変に尽力しなければいけないということはございません。

強いて申し上げるとすれば、例えば健保だより等を通じてダウンロードの促進をするなどの工夫をしていただければより効果的かとは思います。

熊倉:冒頭の表にもありましたが、ジェネリックの推進、健康ポイントのようなインセンティブを活用した事業の実施というのは、行政からの健保様に対する評価項目になっていますよね。

小林さん:仰る通りです。これらを推進することは特定保健指導のハードルをクリアするための評価に繋がります。

電子お薬手帳はスマホアプリなので、SNSやアプリのプッシュ通知など、スマホデバイスの通知手段をうまく活用して利用者様に差額通知に関するお知らせをさせていただいております。このお知らせはあくまでアプリを開いてもらうためのトリガーです。

アプリ内のお知らせというコンテンツで、ジェネリック医薬品に切替をしてお薬代が○○円安くなりました、というご案内をしています。見る方が理解しやすい形で情報をご提供することを心掛けています。

また、使っている方が主婦なので、経済的な効果、つまりお財布に優しい・家計に優しいということをしっかりアピールすることで、健保様が促進をされなくとも自然と使ってらっしゃる主婦の方々が促進していくという構図になれば思っております。

小林さん:また、ポイントが追加されたこともアプリ内のお知らせの中で通知していきますので、時折ポイントをチェックしていただき、ポイントがたまったらOTCを「e-Carada」で買う、といった使い方をしていただくのがよろしいかと思います。

熊倉:ありがとうございました。それでは、改めてこのサービスを利用した場合の健保様、被保険者様それぞれのメリットについて教えてください。

小林さん:健保様においての最大のメリットは、健保様のお手を煩わせずに調剤薬局が切替の促進と実績を作る、という点が挙げられます。また、切替の実績はデジタルのエビデンスとして残して、毎月レポートの形でお受け取りいただけます。

そしてこれから課題となっている被扶養者の方々の切替に直結した対応ができることや、ポイントインセンティブの仕組みを獲得できます。原資をかけずにポイントシステムが獲得できることも大きなメリットと言えると思います。

小林さん:一方で被保険者様の方々のメリットとしては、自らカードを出したり伝えたりする必要がなく、薬局の方から提案されることで切替を発生させるというこれまでとは逆の発想でのジェネリックの促進になる点です。

受け手となる被保険者の方からすれば自然な会話の中で切り替わっているので、健保様によって推進されたサービスに乗っているという感覚は全くないと思います。むしろ自然な流れの中で、日頃信頼している薬剤師さんからお薦めされたから変えた、という感覚になると思います。

また、持ち歩けるスマホアプリの中でお薬代の削減効果というのを見ることができる点も挙げられます。主な利用層は30~50代の主婦層だということをお伝えしましたが、家計を切り盛りしている立場でありますので、このあたりは非常に敏感だと思います。

ですからお薬の値段が安くなることはメリットに感じていただけると思いますし、例えば継続的に病院にかかる疾病を持たれているご家族がいらっしゃればなおの事このあたりを気にされるのではないかと思います。

熊倉:他社の電子お薬手帳ではあくまでそのアプリを利用している薬局の分しか見ることが出来ませんが、こちらであればシステムの裏側で健保様のデータと電子お薬手帳を連携しているので、全ての薬局での利用履歴が見れるということですよね。

小林さん:はい、お薬手帳だけにフォーカスしますと、この電子お薬手帳を使っている方々だけが限定になってしまうので、そこはまだ片手落ちな話です。

ただ今回に関しましては例えばEPARKの提携薬局以外のところで応需された患者さんの情報に関してもあとからレセプトデータをお預かりすることで100%補完したお薬の履歴を被保険者の方にも提供できますし、切り替わった結果もエビデンスとしては最終的にすべて残せるといった仕組みになっております。

熊倉:手間をかけずに確実にエビデンスが残せるというのは健保様にとっても、ひいては被保険者の方にとっても大きなメリットになりますね。

6.今後の展望

熊倉:最後にひかり健保の太田常務より、今回のジェネリックの切替事業並びに電子お薬手帳を導入した最大の決め手と、今後に期待する部分について一言お願いいたします。

太田さん:先ほども申し上げた通り、健康保険組合は何か新しいことを実施しようとすると、まず組合会を開いて可決させ、予算科目を追加し、最悪の場合は予算変更、といくつもの壁が立ちはだかります。いいなと思うサービスがあっても、次年度以降にせざるを得ないことも多々あります。

そのような状況下で今回こちらを導入した最大の理由は、イニシャルコストがかからないこととランニングコストも成果報酬なので健保としては腹が痛まない、という費用に対する仕組みがあったことです。特に予算変更することもなく期の途中で導入も出来るということは大変大きなメリットです。

太田さん:そして健保としてはとにかくエビデンスが必要なのです。何らかの事業を導入してせっかくPDCAを回しても、正確なチェックができないというのが課題でした。今まで色々なアプリやサービスを見てきましたが、初めてきちんと結果が出そうな仕組みを提案されたので、導入に至りました。

今の当健保の加入者に、本当の意味で還元できる保健事業をするにはきちんとしたエビデンスをとることが重要だと考えています。正確なエビデンスをとることができれば健保の実態が細かく分かり、更なる促進活動に繋がると思っています。

そうすることで新たなPDCAを回すことができて、より精度の高いデータヘルスの事業が展開できるのではないかと期待しております。

熊倉:被扶養者層へのアプローチという点ではいかがでしょうか?

太田さん:今、被扶養者についてはジェネリックの差額案内がイントラネットという制約があるため、ポピュレーションアプローチ以外きちんとできていないのです。それが今回サービス導入によって解消しますので、11月以降が本当に楽しみです。

初月でいきなり劇的に変わるとは思っていませんけれども、半年、一年といった長い目で見て、どのように傾向が変わっていくのか見ていきたいです。今より悪くなることは有り得ないので、その結果を蓄積して次の策を考えていこうと思っています。今後の電子お薬手帳のサービスも含めて、非常に期待しております。

熊倉:太田常務どうもありがとうございました。
以上でセミナーを終わらせていただきたいと思います。皆様本日は本当にありがとうございました。

<企業データ>

名称:ひかり健康保険組合
所在地:〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-13-5光3号ビル8F
加入事業所数:215事業所
被保険者数:13,249人(平均年齢33.6歳)
被扶養者数:6,445人
(平成30年9月現在)

<電子お薬手帳、健康ポイントのお問合せ>

会社名:株式会社ヘルスケアマーケティング
事業内容:1.健康保険組合向け健康促進支援事業
     2.被保険者向け健康ポイントサービス事業
     3.医療費適正化のコンサルティングサービスほか
所在地:〒130-8671 東京都墨田区石原4丁目25番12号
資本金:1億円(資本準備金含む)

電子お薬手帳、健康ポイントのお問合せ

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