メンタルヘルスに関する資格・役職(企業内で選任する者)
目次
職場のメンタルヘルス 必要な資格・役職をチェック
メンタルヘルス対策には、「労働安全衛生法」で義務付けられているものと、「心の健康づくり計画の策定」など努力目標とされているものがあります。
実際にはどのような資格職を置けばよいのか、具体的にはわからない部分もあるかと思います。まずは厚生労働省が出しているチェックリスト(下記)をもとに、自社の状況を把握しましょう。法律で義務付けられているものを最優先に取り組み、職場の状況と照らし合わせながらメンタルヘルス対策を進めていきます。
「職場のメンタルヘルス対策」チェックリスト
1.安全衛生・健康面の話し合いの場(衛生委員会等)がありますか?
2.事業場におけるメンタルヘルス不調者について把握していますか?
3.心の健康づくりのための計画を立てていますか?
4.事業場内の健康づくり体制(産業医や事業場内メンタルヘルス推進担当者の選任等)はされていますか?
5.教育研修(セルフケア、ラインによるケア等)の実施はされていますか?
6.職場環境等の把握や改善にどのような対応をしていますか?
7.メンタルヘルス不調者への早い気づきやその適切な対応(相談窓口の設置)はどうでしょうか?
8.職場復帰支援をしていますか?出典 http://kokoro.mhlw.go.jp/staffcare/assets/pdf/elearning.pdf
<引用>こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 15分でわかる 事業場内産業保健スタッフ等によるケア
参考記事:
事業場内産業スタッフ等のメンタルヘルスにおける役割
管理監督者は、部下のメンタルヘルス不調にいち早く気づき声をかけること、相談を受けること、職場環境の改善、職場復帰の支援などを担います。しかし、管理監督者が相談できる専門家がいなければ、その先につなぐことはできません。
事業場内産業保険スタッフ等の役割は、労働者や管理監督者の課題を受け止め、直接対応を行ったり、外部の専門窓口につなげたりする仕組みづくりを行うことです。事業場内産業スタッフ等には、産業医、労働衛生コンサルタント、衛生管理者などさまざまな有資格者が含まれます。次項から、事業場内で中心的な役割を担う主な資格職について説明します。
産業医 50人以上の労働者がいる事業所に選任義務
産業医とは医師の有資格者で、加えて労働者の健康管理等を行う専門的な医学知識を有する者です。労働安全衛生法によって、50人以上の労働者のいる事業場に選任義務があります。
産業医は、働く人々が健康で快適な職場環境で業務を行えるように、産業保健・労働衛生などの専門的な立場で指導・助言をします。産業保険スタッフのリーダー的な立場です。
また、THP(トータルヘルスプロモーションプラン)指針では、産業医はTHPスタッフの指導的立場で健康測定等を担当します。THPスタッフには、このほかに運動指導担当者、運動実践担当者、心理相談担当者(心理相談員)、産業栄養指導担当者、産業保健指導担当者などがあります。
労働衛生コンサルタント
労働衛生コンサルタントは、労働安全衛生法で定められた国家資格です。医師であれば産業医に従事できる資格のひとつです。
保健師と産業看護師
保健師は、厚生労働省の免許を受ける国家資格です。企業内では、産業保険スタッフとして、従業員とその家族の健康管理を行います。
産業看護師は、産業保健スタッフの一員として従事するものです。従業員のメンタルヘルス対策を含む健康管理、作業管理指導、作業環境管理などを担います。
衛生管理者 業種に応じた有資格者を選任
衛生管理者は、職場の健康障害を防止する役割を持ち、作業環境管理、健康管理、労働衛生教育の実施などを行います。労働安全衛生法によって、50人以上の労働者のいる事業場に選任義務があります。衛生管理者になる人物は、業種に応じた有資格者でなければなりません。
また、衛生管理者は労働者数に応じて、選任する人数が定められています。
2人以上の衛生管理者を選任する場合、かつ、衛生管理者のなかに労働衛生コンサルタントがいるときには、労働衛生コンサルタントのうちひとりは専属でなくてもよいとされています。
衛生管理者は少なくとも毎週1回作業場等を巡視し、設備や作業方法をチェックします。その際に健康に有害のおそれがあれば、直ちに必要な対策を講じなくてはなりません。
安全衛生推進者又は衛生推進者
安全衛生推進者又は衛生推進者は、10人以上50人未満の事業場に選任の義務があり、どちらを選任するかは、業種区分によって定められています。その事業場に専属の者を選任する必要がありますが、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント等、一定の者を選任した場合にはその限りではありません。
安全衛生推進者又は衛生推進者は、大学又は高等専門学校を卒業し、1年以上安全衛生の実務(衛生推進者は衛生の実務)に従事した経験を有する者とされています。