健康経営の事例~食育活動による健康経営の推進

健康経営の事例~食育活動による健康経営の推進

「健康経営の広場」を運営する、株式会社セルメスタ。代表取締役である熊倉 利和さんに、食育活動による健康経営の推進についてお話いただきました。


健康経営をはじめるきっかけ

当社の加盟している健康保険組合では、2015年から各社従業員の健診結果を集計し、人事部にその結果を報告するサービスを開始しました。健診結果になんらかの異状がみられる者を「有所見者」といいますが、組合全体平均67.5%に対して、当社は80.6%、つまり、5人中に4人の割合の従業員が健診結果に異状アリということがその報告書からわかったのです。また、有所見者の異状アリの原因の86.7%が糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病でした。

生活習慣病は、ガン、脳血管疾患、心疾患といった3大死因の原因ともいわれております。いわゆる中小企業の当社にとっては、従業員一人ひとりが即戦力であり、それぞれの代わりが居ないのが現状です。生活習慣病による長期リタイアといったリスクが8割近い従業員にあることは当社の経営上においても大変なリスクと認識したのがきっかけです。

当社の健康経営の特徴

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

当社の健康経営の特徴は大きく3つあります。一つは、「トップ自ら健康経営を牽引」すること、二つ目は健康経営の施策として、「食育活動をメインに推進」していること、三つ目は社内に「健康経営推進委員会という組織を設置」し、トップだけでなく組織的で継続的に推進できる体制を整えていることです。

一つ目の「トップ自ら健康経営を牽引」については、私は100キロを14時間以内に走るウルトラマラソンなどハードなスポーツが趣味です。この競技で完走するには生半可な体力では難しく、食事に関する知識を習得して実践することで、パフォーマンスの向上を図っています。また、5年前から仕事のストレス対策として、毎朝ヨガと瞑想を実践し、両方の指導者の資格を取得しています。冒頭の報告書に危機感を持った私は、これらの知識を従業員の健康にも活かそうと考えたのです。

二つ目の「食育活動をメインに推進」については、平日はいそがしく働いている当社では、従業員に運動しろといってもなかなか難しい。しかし、運動習慣のない従業員でも食事は一日3食、毎日するもの。生活習慣に問題がある従業員が8割を占める当社にとって、食育はピッタリのテーマということで、私が食育セミナーの講師となり、従業員に「食」の大切さを伝えています。

また、1日のうち1食は健康に心掛けた食事をして欲しいと思い、昼食補助制度を導入しました。内容は、2つあり、ひとつは、手作り弁当補助です。持参したお弁当の写真をメールにて添付してもらい、補助金を支給するものです。もうひとつは、無添加弁当補助です。現在、株式会社スマイリー提供の「置き弁」を導入しています。この「置き弁」というのは、無添加で塩分5%未満のヘルシー弁当を会社で準備し、利用者には代金の1部を補助しています。

三つ目の「健康経営推進委員会という組織を設置」については、食育セミナーや昼食補助制度に加えて、年4回のダイエットウィークを事務局として運営をおこない、それぞれの費用対効果の検証を継続しています。

このダイエットウィークの効果検証は参加者が2つのダイエットプログラムから一つを選んでダイエットに挑戦するのですが、プログラム開始時と終了時、郵送検診サービスを活用することで、体重、体脂肪率の測定に加え、メタボ検診の項目を測定して、血糖値、コレステロールなど体内の変化も見える化して、従業員にフィードバックしています。

社員インタビュー

株式会社セルメスタ
フォースマネジメント チームリーダー 佐藤琢也さん

私は健康経営推進委員会の委員長として、社長と共に社内にこの普及活動しています。食育セミナーを始めた当初、「なんか社長がまた面倒くさいことをはじめた」「ちゃんと仕事で成果を上げているのだから、個人の生活習慣にまで会社にとやかく言われたくない。」という否定的な意見もありました。

最初の食育セミナー後のダイエットウィークへの参加者はたった2人(そのうちの一人は私)で、社長に半ば強制的にこのプログラムに参加させられました(苦笑)。ただ、身近な同僚がこのプログラムでダイエットに成功することで、徐々に参加者が増えてきています。社長の独りよがりではく、健康経営推進委員会という継続的な仕組みとして健康経営のなかに取り込むことで、少しずつ食育活動が当社内に浸透し始めています。

ちなみにダイエットウィークとは、普段の食生活を専門家(社長)のカウンセリングサポートのもと、一定期間リセットすることで、体質改善を図るプログラムです。また、同じタイミングで職場の仲間同士がこのプログラムに参加できるので、お互いに情報交換したり、励ましあったりする効果も期待できます。

プログラムの内容ですが、ひとつは、食べる断食です。これは、カロリー、糖質制限なしで、「若玄米とお味噌汁」を1日3食10日間過ごすというもので日本健康食育協会が監修を務めているプログラムです。

もうひとつは、ミネラルファスティングです。これは、酵素入りドリンクと2リットル以上の水だけで3日~6日間過ごすというプログラムです。酵素入りドリンクは、人体に必要な栄養素が入っているため、空腹感もありません。私はこのミネラルファスティングに挑戦しましたが、食べないことに抵抗感がありましたが、やってみると普通に毎日が過ごせ、確実にダイエット効果がありました。

当社の健康経営の効果と今後

2016年、食育セミナーは4回開催し全従業員が受講いたしました。第1回の参加者がわずか2人だった、ダイエットウィークも4回開催、延べ31人が参加するようになり、すそ野が拡大しております。

今後の取り組みとしては、健康経営推進委員会による食育活動を中心とした健康経営の浸透だけでなく、従業員から健康経営のアイデアを募り、さらに従業員が参加しやすいプログラムを健康経営メニューに加えていくことで、現在の健診結果の有所見者5人中4人を3年後には5人中1人の水準まで改善させたいです。

企業データ

会社名:株式会社 セルメスタ(Selmesta CO.,LTD.)
事業内容:1.一般用医薬品、救急医薬品セット、介護用品、防災用品、健康食品の販売
     2.郵送検診事業の受託
     3.郵送検診キットの販売
     4.インターネットを利用した各種情報提供サービス及び販売
     5.医療費抑制事業
     6.不動産管理事務の受託
所在地:〒130-8671 東京都墨田区石原4丁目25番12号
資本金:9,900万円
従業員数:約60名

取材・講演の依頼はこちら

関連するキーワード


健康経営 事例

関連する投稿


健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第4回)

健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第4回)

2018年9月、健康経営の名づけ親:特定非営利活動活動法人健康経営研究会と大塚製薬の共催による「健康経営実践セミナー2018」が43会場で盛大に開催され、健康経営における現在の取組み状況、企業のこれからの課題、さらに実際に企業内で行なわれている取組み事例紹介を軸として4つの講演が開催されました。健康経営の広場では、このセミナーの4つの講演内容をご紹介してまいります。4つ目の講演は、全日本空輸株式会社人材戦略室労政部厚生チームリーダー・佐藤成俊氏、キャノン株式会社安全衛生部副部長の矢内美雪氏の2名が登壇し、それぞれの企業の健康経営の取り組みについての説明が行われました。


働き方改革で時間外勤務は8時間以下!三共精機株式会社の健康経営

働き方改革で時間外勤務は8時間以下!三共精機株式会社の健康経営

社内の仕組みを上手に管理して、時間外勤務時間が月平均8時間以内という三共精機株式会社。社長の石川 武さんが経営理念に込めた『想い』が、まさに形になった健康経営の取り組みとなっています。そんな三共精機株式会社の具体的な施策や、取り組みを詳しくお聞きしてきました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和


健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第3回)

健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第3回)

2018年9月、健康経営の名づけ親:特定非営利活動活動法人健康経営研究会と大塚製薬の共催による「健康経営実践セミナー2018」が43会場で盛大に開催され、健康経営における現在の取組み状況、企業のこれからの課題、さらに実際に企業内で行なわれている取組み事例紹介を軸として4つの講演が開催されました。健康経営の広場では、このセミナーの4つの講演内容をご紹介してまいります。3つ目の講演は、経済産業省ヘルスケア産業課・紺野春菜氏が登壇し、日本の健康経営の浸透度合いについて、具体的な数値をもってご紹介いただきました。


データヘルス見本市 主催者セミナー:健康経営の新しいカタチ「ウェルビーイング経営」とは

データヘルス見本市 主催者セミナー:健康経営の新しいカタチ「ウェルビーイング経営」とは

スグに満員になってしまったデータヘルス見本市の主催者セミナー。健康経営や健康スコアリング、特定保険指導などについてのセミナーが開催されました。 「ウェルビーイング経営」は、健康経営のさらに進化したスタイルであるという新しい提案や研究を行っている、武蔵大学経済学部経済学科・森永雄太氏が登壇しました。 ウェルビーイング経営は今後のトレンドとなる可能性もあることから、聴き逃すことのできない内容のセミナーとなりました。


健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第2回)

健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第2回)

2018年9月、健康経営の名づけ親:特定非営利活動活動法人健康経営研究会と大塚製薬の共催による「健康経営実践セミナー2018」が43会場で盛大に開催され、健康経営における現在の取組み状況、企業のこれからの課題、さらに実際に企業内で行なわれている取組み事例紹介を軸として4つの講演が開催されました。健康経営の広場では、このセミナーの4つの講演内容をご紹介してまいります。 企業の労働者が置かれている現状、問題点はいったいどのようになっているのでしょうか?第2回目は良い睡眠のためのスキルやそのポイントについて、北里大学大学院医療系研究課産業精神保健学・教授の田中克俊氏の講演内容のご紹介です。


最新の投稿


データヘルス見本市2018 主催者セミナー:健康スコアリングの活用とコラボヘルス推進方法のすべて

データヘルス見本市2018 主催者セミナー:健康スコアリングの活用とコラボヘルス推進方法のすべて

2018年10月に大阪で開催された「データヘルス・予防サービス見本市2018」では、健康経営や健康スコアリング、特定保健指導などについてのセミナーが開催されました。健康スコアリングによる「見える化」についてのセミナーは、「健康寿命」という著書を20年前に出版したことで有名な東北大学大学院医学系研究科教授・辻一郎氏が登壇しました。いま非常に注目が集まっている健康スコアリングについての本格的なセミナーということで会場は熱気に包まれました。


健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第4回)

健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第4回)

2018年9月、健康経営の名づけ親:特定非営利活動活動法人健康経営研究会と大塚製薬の共催による「健康経営実践セミナー2018」が43会場で盛大に開催され、健康経営における現在の取組み状況、企業のこれからの課題、さらに実際に企業内で行なわれている取組み事例紹介を軸として4つの講演が開催されました。健康経営の広場では、このセミナーの4つの講演内容をご紹介してまいります。4つ目の講演は、全日本空輸株式会社人材戦略室労政部厚生チームリーダー・佐藤成俊氏、キャノン株式会社安全衛生部副部長の矢内美雪氏の2名が登壇し、それぞれの企業の健康経営の取り組みについての説明が行われました。


データヘルス見本市講演:お薬手帳によるジェネリック切替健保様事例

データヘルス見本市講演:お薬手帳によるジェネリック切替健保様事例

11月20日に文京区プリズムホールで行われたデータヘルス・予防サービス見本市2018。その中で一際盛り上がりを見せた出展者セミナーの様子をご紹介します。登壇者は、健保設立以来15年ほど常務理事として在任されていて保健事業に大変造詣の深い、ひかり健康保険組合常務理事の太田幸生氏、株式会社ヘルスケアマーケティングでジェネリックの担当、及び健康ポータルサイト「健やか」の開発責任者である小林剛氏、司会進行は株式会社セルメスタ代表 熊倉利和です。


働き方改革で時間外勤務は8時間以下!三共精機株式会社の健康経営

働き方改革で時間外勤務は8時間以下!三共精機株式会社の健康経営

社内の仕組みを上手に管理して、時間外勤務時間が月平均8時間以内という三共精機株式会社。社長の石川 武さんが経営理念に込めた『想い』が、まさに形になった健康経営の取り組みとなっています。そんな三共精機株式会社の具体的な施策や、取り組みを詳しくお聞きしてきました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和


問合せ殺到!ひかり健保の電子お薬手帳と健康ポイントによる後発医薬品使用の促進

問合せ殺到!ひかり健保の電子お薬手帳と健康ポイントによる後発医薬品使用の促進

11月20日のデータヘルス見本市2018東京会場で開催された「ひかり健康保険組合の後発医薬品の使用促進 事例紹介」のセミナー。後発医薬品への使用促進は健康保険組合にとって定番の保健事業ですが、ひかり健康保険組合の取組みはこれまでに無いまったく新しい取組みがスタートしています。 そこに至る背景とまったく新しい電子お薬手帳や健康ポイントによる後発医薬品の使用促進の概要について講演しました。講演終了後はひかり健康保険組合と同様の問題を抱えている健康保険組合からのお問合せが殺到しております。 この記事はデータヘルス見本市でのひかり健康保険組合の講演内容をダイジェストにした紹介動画になります。