今日から始めよう!「健康経営」実践アドバイス vol.2 ~中小企業こそ健康経営を

1.中小企業の第1線を守り、採用にも好影響

前回、40代の働き盛りの従業員が長期離脱することのリスクをお話しました。中小企業の幹部社員といえば、やはり40代が多いです。営業もやって事務の管理もやって……と、一人二役、さらには三役もこなしているマルチプレイヤーの従業員がいきなりいなくなると、会社としては大打撃です。
大企業であれば幹部の代わりもたてられますが、中小企業はなかなか難しいもの。マルチプレイヤーの代わりをしっかり勤め上げられる人材を即探して採用できるかというと、正直現実的ではありません。だからこそ、健康経営を始めて自社を守るべきなのです。

もうひとつの理由として、採用面でのメリットが挙げられます。昨今、過労などが社会問題になっており、世間の目もとても厳しくなっています。一度でも“ブラック企業”というレッテルを貼られたら最後、そんな企業で働きたいと思う人はいません。新卒であればなおさらです。
最近は、ブラック企業の反対語としてホワイト企業という言葉の認知度が上がってきました。ブラック企業が明るみに出るのは、ほとんどが内部告発です。従業員が「うちはブラック企業だ」と感じず健康的に働ける職場環境を整えることはもちろん、優秀な人材を確保するという面でもブラック企業と言われるよりホワイト企業と言われたほうがいいのは明らかです。

日本の現役世代の人口は減っていっていますから、若手の優秀な人材が採用しづらくなっています。競合他社と差別化したいというときに、健康経営をやっているというのは強いアピールになり、特に労働市場が逼迫しているときにはよりキャッチーに働きます。
経済産業省が行ったアンケートを見ても、就職先を選ぶ際に重要視する項目として、経営理念や業績のほか、どういう環境で働けるかという部分も重要な要素になっているようです。

いまの時代、新卒の学生は就職活動において保護者に相談をします。もちろん親は子どもが心配ですし、少しでもブラックの疑いがある企業に就職させないようにするもの。逆にホワイト企業の要素があれば、好感度や評価が上がる傾向にあります。

2.健康経営と働き方改革の合わせ技で魅力的な企業に

経済産業省が創設した「健康経営優良法人認定制度」では、認定申請企業の健康経営度を15項目で評価します。

その評価項目のなかでも、「長時間労働者への対応に関する取り組み」、「(ワーク・ライフ・バランスの推進)適切な働き方実現に向けた取り組み」として、働き方改革の推進施策が入っています。つまり、従業員のワーク・ライフ・バランスを考えている企業や働き方改革に取り組んでいる企業は、健康経営と親和性が高いだろうという経済産業省の考えが見て取れます。

確かに、企業が長時間労働を減らすような活動をすれば、従業員は仕事の時間を運動や家族とのコミュニケーションの時間に充当することで、体力の増進や精神のリラックスに努めることができるかもしれません。また、企業が働き方改革によって、フレックスタイム制やテレワーク、育児や介護についての配慮がなされれば、従業員にとってさまざまな選択肢が増えることになり、ひいては時間的、精神的な余裕につながることでしょう。

一般的に、中小企業は大企業に比べると、知名度でも給料でも勝てないことから採用が難しいものです。しかし、上記の健康経営と働き方改革の合わせ技ができる懐の深い中小企業になることで、人材を引きつける企業になれるのではと考えています。

「いつまでもこの会社で働き続けたい」と従業員に思わせるためには、女性に限らずフレックスタイム制やテレワーク、育児介護休暇など柔軟に対応することが大切です。子どもが産まれたから退職するのではなく、育児休暇を取ってまた復帰したいと思える環境づくりがポイントです。

また、介護の問題も無視できません。40代~50代の幹部社員のなかには、バリバリ働きながら親の介護をしなければならないという従業員も少なくありません。これからの時代、働いている人たちにとって親の介護は他人事ではありません。働きたいけれどいままでと同じ条件で働くことができない、幹部でい続けることができないという場合、退職という選択肢をとることもあります。そんな従業員も、介護休暇の制度などがあれば悩まず働き続けられます。

知名度や給料で勝てない中小企業にとって、いま働いている従業員を大切にして長く働いてもらうということはリスクヘッジにもつながります。いまはICTの世の中ですから、テレワークも可能。専用の回線を引けば基幹システムとも繋げられます。家からテレビ会議に参加できたり、育児をしながら事務仕事が家でできたり。働き方改革、ワーク・ライフ・バランスを進めるためのインフラが整ってきた現在、中小企業がいまいる従業員の生産性を最大化することもやりやすい時代になっています。

テレワークをはじめ、職場復帰しやすい制度を整えるに際し、国や都道府県から助成金制度が出ています。そういった環境を整えるためにかかった費用の50%まで支援してもらえる(助成金のため返済不要)などさまざまな制度があるので、これを活用しない手はありません。

3.セルメスタで行っている働き方改革とは

セルメスタでは助成金制度を利用して、働き方改革でテレワークの環境を整えているところです。現在、育児をしながらテレワークで事務の仕事をしている従業員もいます。「出社する予定だったけれど子どもが熱を出したので今日は家でテレワークです」といったフレキシブルな対応もできるのが便利です。そんな働き方を見て、「私も子どもができたけど今後も働きます」と言ってくれる従業員も。働き方改革を進めるなかで、ICTは本当に便利です。

また、営業の従業員全員にノートパソコンを配布しています。これにより、営業のスキマ時間を有効に使えるようになりました。たとえばカフェに入ってWi-Fi経由で基幹システムに入り、提案書や見積書をつくったり、日報を入れたりといったことが可能になりました。会議のためにわざわざ戻ってきたり、日報を入れるために戻ってきたりという手間が省け、直行直帰でより効率的に仕事ができるのです。

ただ、やはりこの場合プロセス管理は大切です。どこまで従業員を信用するかというのは会社の器の問題ですから、なかにはプロセス管理は必要ないという肝っ玉の座った上司もいらっしゃるかもしれません(笑)。
しかし、やはり相互理解は大切だと思っています。従業員同士で「社長はプロセス管理いらないって言っているけど、あいつ絶対サボっているよ」ということになってはいけません。KPIを設定して、月間どれくらい訪問しているか、提案書を何件つくっているかなどを見てプロセス管理を行うべきです。

9時~17時まで会社にいることが大切という観念は、いまや捨てなくてはいけないのではないでしょうか。プロセスごとのアウトプットをしっかり見て、評価の仕組みを変えていく必要があると私は考えます。

次回は、健康経営を実施する準備についてお話します。お楽しみに!

<企業データ>

会社名:株式会社 セルメスタ
事業内容:1.一般用医薬品、救急医薬品セット、介護用品、防災用品、健康食品の販売
2.郵送検診事業の受託
3.郵送検診キットの販売
4.インターネットを利用した各種情報提供サービス及び販売
5.医療費抑制事業
6.不動産管理事務の受託
所在地:〒130-8671 東京都墨田区石原4丁目25番12号
資本金:9,900万円