全社を巻き込む健康経営 ワダカルシウム製薬に教わる上手な仕組みの作り方

全社を巻き込む健康経営 ワダカルシウム製薬に教わる上手な仕組みの作り方

ワダカルシウム製薬は100年以上の歴史を誇る老舗医薬品メーカーです。その実績を買われ、フジモトHD(ピップ株式会社など)のグループに加わった経緯があります。そんなワダカルシウム製薬は上手に全社を巻き込みながら、他のグループ会社に先駆けて健康経営優良法人認定を取得しました。そんなワダカルシウム製薬のみなさん(二瓶さん、吉田さん、寺尾さん、安居さん、坂口さん)に健康経営の考え方や進め方、今後の目標などを交えてお話をお聞きしました。

1. 脈々と受け継がれてきたポリシーと健康経営の融合

--まずはワダカルシウム製薬の企業概要を教えていただけますか?

二瓶さん:ワダカルシウム製薬は日本初、カルシウム錠剤を製造した医薬品製造会社です。親会社のピップグループが目指す「THE WELLNESS COMPANY」というゴールのため、グループに加わりました。

お客様からは直接感謝の言葉を頂いたり、1万人以上の方が定期的に通販を利用しており、「使命感」や「責任の重さ」を感じています。そんなお客様のために安定して商品を供給できるよう、健康経営には力を入れています。

--「健康経営」に力を入れ始めたきっかけはありますか?

吉田さん:親会社のフジモトHD(ピップ)が先に「健康経営」を始めました。「まずは親会社から」というつもりだったそうですが、せっかくなので我々も同時にやって、「親会社よりも先に健康経営優良法人を取ってアピールしよう」とチャレンジしたのがきっかけです。

--社外へのアピールも考えられていましたか?

吉田さん:はい。ワダカルシウム製薬が会社としてテーマにしている「歩くと健康になる」という点とミックスして健康経営を行えば、企業イメージとしてもプラスになるだろうと。

--「歩くと健康になる」というポリシーは以前からあったのでしょうか?

吉田さん:正確に言うと「人々の歩くと元気をささえます」と言って、ワダカルシウム単体からのものです。商品やサービス、そして我々社員にも一貫したポリシーです。

--ずっと大切にしてきた信条が健康経営の軸にもなっているのですね。親会社からの協力はありましたか?

吉田さん:親会社は「実績を作ってから広めていきたい」という考えがあったため、特にサポートはありませんでした。予算も限りがありましたので、アイデアを出し合って”手作り”の健康経営をスタートしました。考えていけば、お金をかけずにいろいろなことができるなと感じています。

2. 全社で参加する健康経営 ”キーポイント”は参加を促す仕組み作り

--特に注力している施策などあれば教えて下さい。

吉田さん:やはり「イベント」ですね。今期も2度ほど”歩く”をテーマにしたイベントを行って、ほとんどの社員が参加しています。全社員中、4・5名が不参加という程度で、おそらく85~90%程度の参加率です。

--イベントの期間はどれくらいですか?

寺尾さん:1ヶ月くらいです。全社員用のチャットグループと掲示板を使って告知しています。中間報告も頻繁にして、みなさんのやる気を刺激しています。

二瓶さん:この人はいつこんなに歩いているんだろう、という視点から観るのも面白いです(笑)

--面白いですね!中間報告では詳細な順位がわかるのですか?

寺尾さん:はい。チャットにはPDFファイルが添付できまして、歩数はもちろん前回からの比較も可能です。実名で発表するので、ザワザワっとします(笑)

--実名での報告はなかなか他社ではない事例ですね!

吉田さん:あとは1,000歩×1円の寄付を行って、「社会貢献」の側面も持つようにしています。歩数計測アプリの広告代から、寄付を賄える仕組みです。そういった会社を気に入ってくれるユーザーさんは必ずいると思っていて。そういった意味でも、上手く経営と繋げられる施策かなと思っています。

--確かにそうですね。では他にはございますか?

吉田さん:禁煙促進を行っています。最初は喫煙者が10名程度、初年度に補助を行って2名禁煙、今年も一人成功しています。病院の禁煙プログラム費用の自己負担分を全額補助しています。

寺尾さん:こちらも全員参加のチャットで連絡しており、当事者達から「禁煙に取り組みますので、応援よろしくおねがいします。」などの宣言が入り、周りの方がサポートできる環境です。

3. 経営にも繋がる活動を 商品を使い新たなプロジェクトを開始

--では、社内外でなにか変化はありましたか?

吉田さん:優良法人認定後に問い合わせが増えている印象です。「弊社はこんなことをしているので、一緒にやってみませんか?」というお話ですね。今後はそういった会社、特に取引先と組めれば面白いなと思います。ウォーキングイベント対決とかですね。

二瓶さん:今はコロナで活動がしにくいと思うんです。例えば、在宅勤務が増えてくると、体調管理を個人に任せざるを得なくなってきますよね。

--そうですね。WHOの定義する「健康」要素の中に「社会的健康」という、”絆”や”つながり”を指すものがあります。そこをどのように担保するのか、というのが社会的課題だと思います。さきほどの会社対抗イベントや、全員参加のイベントは解決策になりそうですね。

--では、社内での変化はありましたか?

安居さん:はじめは「健康経営って何?」という雰囲気でしたが、”骨粗鬆症キット”など「女性の健康プログラム」等を実際に行っていくうえで、みなさん理解し始めているように感じています。

--「女性の健康プログラム」は誰が発案されたんですか?

吉田さん:これはみんなのアイデアです。

寺尾さん:以前から弊社では健康リテラシーとして”骨”に関する研修を行っており、「骨粗鬆症」は気になるポイントだったと思います。

4.定期ミーティングでアイデアを出し、分担制でスムーズに進んだ

--健康経営を行う上で苦労した点や、モチベーション維持の問題などはありましたか?

吉田さん:苦労した点はなかったですね。チームミーティングを定期的に行って、アイデア出しもどんどん進みました。

寺尾さん:そうですね。吉田がアイデアを出し、私は申請書類づくり対応をする、という分担ができており、苦労はなかったと思います。

吉田さん:心配していたのが「当時の社長が乗り気でなかったらどうしよう」という点でしたが、問題ありませんでした。親会社が9月頃に健康経営を始め、11~12月に社長に提案をして。翌年1月からPJが発足して、2・3月で案を出し、4月からスタート。とてもスムーズに進んだと思います。

--みなさんどうやってトップを説得し、従業員を巻き込むかで悩まれるんですが、うまくクリアされていますね。素晴らしいです。

5.お金をかけずに質を高める ユーザーとの”交流”も増やしていきたい

--では、最後にこれからどのような活動をされていきたいと考えていらっしゃいますか?

吉田さん:直近の目標はブライト500の認定です。あとはお金をかけずに、アイデア出しをしながらどんどん質を高めていければなと思います。あとは先程も申しました通り、企業間でのコラボができたらいいなと思っています。

--ユーザーとの交流は考えていらっしゃいますか?

吉田さん:そうですね。「歩こう会」がありますが、他にもイベントの種類と頻度を増やしたいですね。弊社の商品だけでなく、違う視点からもみなさんの健康を支えていけたらなと思っています。

--1万人以上の定期ユーザーさんと交流が深められれば、従業員のモチベーションもグッと上がりますよね。「この方たちが商品を必要としている」と身近に感じるだけでも、かなり違うと思います。

<インタビュー後記>

ワダカルシウム製薬さんのみなさんにお話を聞くと、「健康経営」ってこんなにも楽しいものなのかと思わされるほどでした。以前から脈々と受け継がれてきた「人々の歩くと元気をささえます」というポリシーを大切にしながら、特にPJチームの方たちが生き生きと活動をされている様子がひしひしと伝わってきました。ワダカルシウム製薬さんのように、「健康経営」とはより良い職場環境を作っていき、従業員全員が生き生きと働けるようにすることです。これから会社内だけでなく、他社やユーザーを巻き込んで、さらに進化していくであろうワダカルシウム製薬さんの健康経営がどうなっていくのか楽しみで仕方がありません。

 

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