ダブルケアとワーク・ライフ・バランス 働き方改革で生産性向上!

ダブルケアとワーク・ライフ・バランス 働き方改革で生産性向上!

ダブルケアとは、育児と介護という2つのケアを同じ人が同時期に行うことを指します。ケアを引き受ける人の負担が非常に大きくなるため、働き方改革による生産性向上など、企業側からの対策も求められています。ここでは、ダブルケアの問題点と、解決策として注目されているワーク・ライフ・バランスについて紹介します。


旧来は時期の重ならなかったライフイベントがダブルに

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

一昔前は、育児を夫婦とその両親が協力して行い、子どもが育ってからは、介護を夫婦と子どもが協力して行う……といった形で、ケアの負担を分散できる家族が一般的でした。
また、たとえ核家族であっても、それぞれケアの負担がある時期に、別の負担が重なることは少なかったのです。

しかし近年では、社会の仕組みの変化や人生観の変化により、夫婦の結婚や出産の年齢が上がってきています。このことにより、夫婦が育児に追われているまさに同時期に、両親は高齢で介護が必要となり、ダブルの負担が夫婦に集中してしまうというケースが増え、問題化しているのです。

生産性向上などでケアに充てる時間を確保することが急務に

そもそも、育児と介護はどちらかひとつであっても大変な労力を要します。共働きの家庭はもちろんのこと、たとえ専業主婦(主夫)のいる家庭であっても、ダブルケアを維持し続けていくことはかなりハードであると言えます。

日本では、旧来の慣習から育児も介護も女性(妻、嫁)が多くの部分を担当するケースが目立ちます。そのため、ダブルケア状態が生じることによって過度の負担がかかりやすいのも、多くの場合は家庭内の女性であると見られています。

現在、国の政策では、積極的な女性の社会進出が推奨されています。にもかかわらず、こうした負担から、女性が社会に出ることを諦めざるを得ないケースがあることも見過ごせません。

国や企業には、生産性向上を以て労働時間の自由度を広げ、こうした状態にある人々が働きやすくなる環境づくりが求められています。

ワーク・ライフ・バランスの向上で、働き方改革!

ダブルケア問題対策の新しい視点として取り入れられ始めているのが、「ワーク・ライフ・バランス」という考え方です。

ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と自分の生活のバランスをその人にとって快適な状態にし、生産性を上げるというもの。欧米諸国で考えられた、生活環境の変化などに対応するための工夫で、働き方改革のひとつです。

女性の社会進出を含む社会を取り巻く環境の変化において、ワーク・ライフ・バランスの考え方は重要なポイントです。

より良い労働力を確保するために、企業も働き手それぞれの働き方に合わせた柔軟な対応を取ることで、お互いに良い結果を得ようとしています。

ケアする人に時間の余裕を作ることが、さらなる生産性向上に

現代の日本では、このワーク・ライフ・バランスの考え方をダブルケアの現場にも取り入れることが、新たな課題となっています。

ケアを引き受けてくれる人がいなければ、ケアを受ける人のQOL(生活の質)が下がるばかりか、命や健康にかかわる事態となることも珍しくありません。

しかし、ダブルケア状態となった上、特定の人に負担が集中し周囲のサポートを受けることも難しい状況のままでは、ケアを引き受ける人に休息などの時間や心の余裕を作ることが難しく、やがて精神面にも影響が表れて疲れ切ってしまいます。
そこをワーク・ライフ・バランスの視点で、改善していくべきだというわけです。

特定の人に負担が集中しない体制づくりを

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

ダブルケアも家事も仕事も、家族が、それも夫婦やどちらか片方だけがすべての負担を引き受けるというのはかなり厳しい状況といえます。

施設などのサポートを受けるにも、経済的な問題が立ちはだかったり、施設自体の受け入れ状況に余裕がなかったりして、「助けてもらえない」と考える人が多いのが現状であり、国や企業が積極的に働き方改革を推し進めなければ、解決することは非常に難しい問題です。

ダブルケア問題の根本的な解決には、1人1人がワーク・ライフ・バランスの視点を持って、環境を見直す必要があるでしょう。その上で国や自治体、そして企業が上手にサポートする体制作りが求められています。

資料のご請求・お問合せはこちら

関連するキーワード


働き方改革 生産性向上

関連する投稿


ワークスタイル変革で従業員のロイヤルティ・生産性向上を目指す

ワークスタイル変革で従業員のロイヤルティ・生産性向上を目指す

企業経営においてワークスタイル変革でワーク・ライフ・バランスを向上させることと、従業員のロイヤルティ・生産性向上を図ることは相反関係にあると思われがちです。しかし、これらは決して相反することがらではなく、車の両輪のように相乗効果が望めるものなのです。


働き方改革、ホワイト企業の源流は?ワーク・ライフ・バランス史

働き方改革、ホワイト企業の源流は?ワーク・ライフ・バランス史

働き方改革、ホワイト企業化など、労働環境の未来へ向けた新しい取り組みが注目されていますが、これらを成功させるためにも、これまでの労働環境を取り巻く状況や、改善へ向けた歩みを学んでおくことは重要です。ワーク・ライフ・バランス史は、自社の働き方を見直す重要なきっかけとなるでしょう。


ワーク・ライフ・バランス・働き改革で生産性向上 企業側のメリット

ワーク・ライフ・バランス・働き改革で生産性向上 企業側のメリット

企業の働き方改革の上で、ワーク・ライフ・バランスの向上は欠かせない取り組みです。しかしその一方で、生活を優先しては生産性向上が望めないのではないかという誤解が、推進を妨げてもいます。実際のところワーク・ライフ・バランスの向上は、従業員にとっても企業にとってもさまざまなメリットがあるのです。


働き方改革のサポートに!健康経営アドバイザー制度とは

働き方改革のサポートに!健康経営アドバイザー制度とは

健康経営アドバイザー制度とは、専門家による取得を想定した資格と、その有資格者を企業に派遣するシステムからなる制度です。企業の働き方改革をサポートする役目として期待を寄せられています。専門家のアドバイスやサポートを受けて自社の働き方改革にいかしていきましょう。


オフィスポの背景と効果 働き方改革、ホワイト企業化の取り組み

オフィスポの背景と効果 働き方改革、ホワイト企業化の取り組み

主に業務のスキマ時間を利用して軽い運動をするオフィスポは、昨今の働き方改革やホワイト企業化へ向けて行われている、さまざまな取り組みのひとつ。運動不足解消のみならず、心のリフレッシュや、社内のコミュニケーション活性化など、さまざまなねらいで実施されています。


最新の投稿


データヘルス見本市2018 主催者セミナー:健康スコアリングの活用とコラボヘルス推進方法のすべて

データヘルス見本市2018 主催者セミナー:健康スコアリングの活用とコラボヘルス推進方法のすべて

2018年10月に大阪で開催された「データヘルス・予防サービス見本市2018」では、健康経営や健康スコアリング、特定保健指導などについてのセミナーが開催されました。健康スコアリングによる「見える化」についてのセミナーは、「健康寿命」という著書を20年前に出版したことで有名な東北大学大学院医学系研究科教授・辻一郎氏が登壇しました。いま非常に注目が集まっている健康スコアリングについての本格的なセミナーということで会場は熱気に包まれました。


健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第4回)

健康経営の名づけ親による健康経営実践セミナーの講演レポート(第4回)

2018年9月、健康経営の名づけ親:特定非営利活動活動法人健康経営研究会と大塚製薬の共催による「健康経営実践セミナー2018」が43会場で盛大に開催され、健康経営における現在の取組み状況、企業のこれからの課題、さらに実際に企業内で行なわれている取組み事例紹介を軸として4つの講演が開催されました。健康経営の広場では、このセミナーの4つの講演内容をご紹介してまいります。4つ目の講演は、全日本空輸株式会社人材戦略室労政部厚生チームリーダー・佐藤成俊氏、キャノン株式会社安全衛生部副部長の矢内美雪氏の2名が登壇し、それぞれの企業の健康経営の取り組みについての説明が行われました。


データヘルス見本市講演:お薬手帳によるジェネリック切替健保様事例

データヘルス見本市講演:お薬手帳によるジェネリック切替健保様事例

11月20日に文京区プリズムホールで行われたデータヘルス・予防サービス見本市2018。その中で一際盛り上がりを見せた出展者セミナーの様子をご紹介します。登壇者は、健保設立以来15年ほど常務理事として在任されていて保健事業に大変造詣の深い、ひかり健康保険組合常務理事の太田幸生氏、株式会社ヘルスケアマーケティングでジェネリックの担当、及び健康ポータルサイト「健やか」の開発責任者である小林剛氏、司会進行は株式会社セルメスタ代表 熊倉利和です。


働き方改革で時間外勤務は8時間以下!三共精機株式会社の健康経営

働き方改革で時間外勤務は8時間以下!三共精機株式会社の健康経営

社内の仕組みを上手に管理して、時間外勤務時間が月平均8時間以内という三共精機株式会社。社長の石川 武さんが経営理念に込めた『想い』が、まさに形になった健康経営の取り組みとなっています。そんな三共精機株式会社の具体的な施策や、取り組みを詳しくお聞きしてきました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和


問合せ殺到!ひかり健保の電子お薬手帳と健康ポイントによる後発医薬品使用の促進

問合せ殺到!ひかり健保の電子お薬手帳と健康ポイントによる後発医薬品使用の促進

11月20日のデータヘルス見本市2018東京会場で開催された「ひかり健康保険組合の後発医薬品の使用促進 事例紹介」のセミナー。後発医薬品への使用促進は健康保険組合にとって定番の保健事業ですが、ひかり健康保険組合の取組みはこれまでに無いまったく新しい取組みがスタートしています。 そこに至る背景とまったく新しい電子お薬手帳や健康ポイントによる後発医薬品の使用促進の概要について講演しました。講演終了後はひかり健康保険組合と同様の問題を抱えている健康保険組合からのお問合せが殺到しております。 この記事はデータヘルス見本市でのひかり健康保険組合の講演内容をダイジェストにした紹介動画になります。