【シリーズ:健康経営と大学連携】大学生とIKIGAI企業経営者が一堂に会し、働きがい・生きがいについて考えるスタディツアー

2023年8月28日、IKIGAI企業(※1)と各大学の学生が集まって開かれたスタディツアー。学生は、普段から思っている働き方や会社選びについての考え、悩みをぶつけ、それに対し経営者が真摯に応えながら交流を深めていくという、これまでにない画期的なツアーとなりました。

〔参加大学〕

第9回産学連携かちぞうzemi課外活動

大阪経済大学 江島ゼミ×IKIGAIWOKRS

京都産業大学 在間ゼミ×トラストリレーション

関西大学 横山ゼミ

(学生 計20名)

〔参加経営者〕

木下力哉(三幸土木 代表取締役社長)

鍋嶋洋行(大橋運輸 代表取締役社長)

中嶋洋子(トップライン 代表取締役)

岩井健治(ティ・アイ・エス 代表取締役)

西沢頼母(エーオーエーアオバ 専務取締役)

尾畑聡一(尾畑長硝子 代表取締役社長)

〔ゲスト〕

在間尊子(京都産業大学 副学長)

平野治(健康経営研究会 副理事長) 

〔IKIGAI WORKS〕

熊倉 利和(健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役)

須子 善彦(マイプロジェクト代表取締役/IKIGAI WORKS取締役)

〔トラストリレーション〕

奥西和也(サービス提供責任者/株式会社トラストリレーション)

1.人を幸せにする経営者が会場の三幸土木に集結 

2023年8月28日(月)10時、スタディツアーの参加者は名古屋駅に集合後、マイクロバスで今回の会場となる三幸土木さんに向かいました。

三幸土木さんは、30以上に及ぶ健康施策を実施している企業。2022年5月にはレジリエンスセンターもオープンさせ、従業員が長く元気に誇りを持って働き、幸せな人生を送れる経営をされている三幸土木さんは、まさに今回のステディツアーを開催するのに最適な場所です。

到着後、参加者は三幸土木さん本社敷地内を視察し、具体的な取り組みなどについて伺いました。木下社長は言います。

「忘れていけないのは、社会のため、周りのために働くことが自分の価値となり、喜びになるということ。経営者として、一緒に働く会社の仲間として、そういうスタンスは今後も守り続けていきたいと考えています」

IKIGAI WORKSの熊倉がそれを受け、今回のスタディツアーの趣旨や意義を説明します。

「この三幸土木さんのレジリエンスセンターでは、敷地内にある自社農園・三幸ファームで採れた野菜を使って、元イタリアンシェフの専務が料理を振る舞い、従業員と地域住民との交流の場にするなどの素晴らしい取り組みがなされています。このような経営をされている木下社長の生き方、在り方に従業員の方々も共鳴し、三幸土木で働けることが誇りにもなっています。

売上・利益至上主義の経営者であれば、こうはいかないでしょう。従業員の幸せを第一に考える経営者であればこそ、安心して自分のやりがい、働きがいを会社で探し、それを生きがいに変えていくことができる。そして、そのような働き方ができる従業員は、仕事を生活の糧のためだけでなく、自分のやりがいや夢を会社で実現することができるのではないでしょうか。

私は5年後の未来をこんなふうに思い描いています。三幸土木さんのようなIKIGAI企業の存在にもっともっと光が当たり、日本全国、いや世界中から“ここで働きたい”という人が殺到する。そして、人を大切にするIKIGAI企業が全国各地に数多く誕生している未来です。

今回のこのスタディツアーには、木下社長はもちろん、様々な業種で“人が幸せになる経営”を実践する会社の経営者にお集まりいただきました。学生のみなさんは、今回のツアーを通して、そんな経営者のみなさんの在り方、考え方に触れ、これからの働き方、生き方についてのヒントをたくさんもらってほしい。

そして、学生とIKIGAI企業が力を合わせ、生きがい・働きがいに満ちた社会を実現させるための貴重な一日にしたいと考えています」

2.学生と経営者がとことん本音で語り合う

昼食後、各テーブルに分かれて、学生たちと経営者がじっくりと話し合う時間となりました。

本スタディーツアーは、産学連携教育プログラムかちぞうゼミ(※2)の課外活動でもあります。IKIGAIWORKSとタッグを組んだ大阪経済大学の江島ゼミ生などの学生たちは、経営者に思い思い質問をぶつけます。

それに対し、経営者たちはマイプロジェクト(※3)のマイプロシートを使い、これまでの自分の人生を振り返りながら、どんな想いで会社を経営しているのかといったことを学生たちに話します。

例えば、トップラインの中嶋社長は「私は会社を37歳で起業しました。それまでの人生でもしくじりは山ほどあり、今もたくさんの失敗をしています。でも、失敗を恐れ、周りに合わせて我慢ばかりしていると、新しいことに挑戦するハングリーさも生まれません。自信がなくても、もしかしたら間違っているかもしれなくても、やりたいことがあれば思い切ってやったほうがいい」

大橋運輸の鍋嶋社長「従業員が成果を出すためには知識を高める必要があります。そのために従業員に対し、情報を継続的に発信する必要がある。知識が高まれば意識が変わり、組織が変わっていく。それは健康経営もダイバーシティも一緒なんです」

尾畑長硝子の尾畑社長「当社は板ガラスや住宅用サッシ、住宅設備機器などを扱う専門商社。直接のお客様は建築会社さんですが、でもその先にいるお客様のことをきちんと見ないといけない。つまり、一般の人たちに快適な生活環境を提供することが私たちの一番の仕事です」

その後、『三幸土木+大橋運輸パネルディスカッション』『学びの振り返りワーク』を経て、バーベキューへ。食事をしながら、ざっくばらんに学生と経営者が大いに語り合いました。

特に盛り上がったのが京都産業大学の在間ゼミとトラストリレーションの企画運営により実施されたキャンプファイアー『焚き火映え選手権』。企業と学生がチームになって木片を積み上げ、“映え”を競うというもの。尾畑長硝子さんのチームが見事優勝を飾りました。

19時に今回のスタディツアーは解散となり、マイクロバスで三幸土木さんから名古屋駅へ移動となりました。ですが、まだまだ働きがい・生きがいについて話したりないという参加者たちは、自主的に延長戦に突入したようです。

3.学生にとっての“推し企業”が生まれた瞬間

スタディツアーは無事終了。学生たちはこのツアーで何を学び、どんなことを思ったのでしょう? 学生たちは口々にこう話します。

学生A「私はソーシャルマーケティングの専門家の平野さん、尾畑長硝子の尾畑社長、エーオーエーアオバの西沢専務などとお話をさせていただきました。テーマの一つになったのが、会社の価値を時価総額といったお金ではなく、社会評価という視点で捉えること。私はそういう見方をしたことがなかったのでとても新鮮でした。それと他大学の人たちと触れ合えたのも大きな刺激となりました。利己、利他といった単語が瞬時に出てくる学生もいて感心しましたし、自分も負けていられないと思いました」

学生B「私はトップラインの中嶋社長とお話をしました。中嶋社長がマイプロシートでご自身の人生を振り返りながら説明してくれたので、こういうご経験をされているからこそ、それが会社経営に反映されているのだと深く理解できました。それは同時に、私自身これからどんなキャリアを描いていけばいいのか考える上でとても大きなヒントとなりました」

学生C「今回のスタディーツアーでは、経営者の皆さんと一緒にバーベキューをすることもできました。インタビューの時などは、どうしても緊張してしまい、うまく話をまとめられないところがありましたが、バーベキューでは、ざっくばらんにお話ができて楽しかったですし、とても有意義な時間となりました。そうやって話をしながら、経営者の皆さんの人柄にも触れ、この企業を応援したいという気持ちが出てきましたし、どうすればIKIGAI企業を世の中に広めていけるかということも考えるようになりました」

学生D「私は保険事業を幅広く展開するティ・アイ・エスさんの岩井社長のお話に感銘を受けました。19歳の時にお父様が亡くなった際、保険に助けられたことが起業のきっかけになったこと。健康経営を活発に行い、従業員を幸せにすることに力を入れていることなど、私も岩井社長のような世の中の人を幸せにできる社会人になりたいと強く思いました」

学生E「私はエーオーエーアオバの西沢専務のお考えや人柄にとても惹かれました。親が喜んでくれるから、他の人に褒められるから、というのではなく、自分が心の奥底からやりたいと思うことを追求してほしいというメッセージが胸に響きましたし、これまでの就活や仕事に対する価値観が大きく変わりました」

学生F「経営者の皆さんとお話をし、地域や顧客の幸せが会社の幸せであるという姿勢や、人との出会いが自分を磨くという考え方がとても素敵だと思いました」

学生G「こんな楽しい会社があるんだよ、働く人が幸せになるためにこんなことをしている経営者がいるんだよ、とみんなが普通に言い合えるようになったら、もっといい社会になると確信しました」

【取材後記】

三幸土木さんの本社をお借りして開催した今回のスタディツアーは大盛況のうちに無事終了しました。「自分が本当にやりたいことはなんだろう?」「どんな働き方をすれば幸せに生きることができるんだろう?」と迷い、模索する学生にとって、IKIGAI企業の経営者の言葉はとても深く響いたようでした。

また、経営者にとっても、学生とのやりとりやマイプロジェクトを通じ、自分がなぜこの事業をしているのか、人を大切にする経営をしているのか、といったことを改めて確認する機会となったようです。早くも第二回スタディツアーの開催を待ち望む声が企業、学生の両方から上がっていました。

(※1)IKIGAI企業とは、従業員の幸せを経営の最優先事項とし、心身の健康を守ることはもちろん、仕事にやりがい・生きがいを感じられる風土・体制がある企業。

(※2)産学連携かちぞうzemiは、一般社団法人そばくりラボ主催の「かちぞう企画」の一つで、産学連携で価値創造にチャレンジする実践的なPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。より良い社会の構築を目指して価値創造するための実践的な調査研究活動に、学生がチーム単位で半年間かけて取り組む。

(※3)自分自身の心と対話し、自分が本当にしたいこと、感じていることを知った上で「私のプロジェクト」を創り出していく手法。

<企業データ>

 

会社名:三幸土木株式会社

事業内容:土木建築一式工事/建築資材の販売/砕石、砂利の採取及び販売/産業廃棄物処理業/全各号に付帯関連する一切の業務

所在地:(日進本店)〒470-0103 愛知県日進市北新町北鶯91-5

資本金:3千万円

社員数:103名

 

会社名:大橋運輸株式会社

事業内容:自動車部品輸送、引越、生前整理・遺品整理、レンタルコンテナなど

所在地:〒489-0912 愛知県瀬戸市西松山町2-260

資本金:3,000万円

従業員数:99人(2023年6月時点)

 

会社名:株式会社トップライン

事業内容:一般貨物自動車運送業/貨物軽自動車運送業/貨物利用運送事業/特別管理産業廃棄物収集運搬業/PCB廃棄物収集運搬

所在地:〒485-0082 愛知県小牧市村中葭池1244-1

資本金:1,000万円

社員数:35名

 

会社名:ティ・アイ・エス株式会社

事業内容:ファイナンシャルプランニング業務/ライフプランニング業務/リスクマネジメント業務/事業継承対策プランニング業務/役員退職金プランニング業務/保険無料相談サービス/保険を活用した資産運用相談/保険を活用した「中小企業の事業継続力強化」の提案業務など

所在地:〒920-0022  石川県金沢市北安江2-24-8 信開北安江ビル1F

資本金:2,500万円

社員数:41名(2023年8月現在)

 

会社名:株式会社エーオーエーアオバ

事業内容: 健康食品、自然食品の販売

所在地:東京都文京区目白台3−4−11 ジーエフビル

資本金:1億円

社員数:14名

 

会社名:尾畑長硝子株式会社

事業内容:板ガラス、アルミ建材等の設計・施工・メンテナンス・販売/ストアフロント、店舗内装等のプランニング・設計・施工・メンテナンス/システムキッチン・ユニットバス・洗面化粧台等の住宅設備機器販売/建築用板ガラス積算システム、住宅用積算システムのコンピュータソフト開発・販売

本社所在地:名古屋市中区栄五丁目25番28号

従業員数:81名(2023年10月末現在)

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