ストレス対策の第1歩、メンタルヘルスの「セルフケア」とは

厚生労働省による4つのケア:セルフケアの位置づけ

本記事で説明するセルフケアとは、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で示されている「4 つのケア」の1つを指します。

4つのケアとは「セルフケア(労働者自身による)」「ラインによるケア(管理監督者による)「事業場内産業保健スタッフによるケア(産業医、衛生管理者等による)」「事業場外産業保健スタッフによるケア(事業場外の機関、専門家による)」で成り立っています。

事業者は衛生委員会等をおいて「心の健康づくり計画」を策定し、4つのケアが継続的かつ計画的に行われるようにする必要があります。

<引用>e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるセルフケア」|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

※本来的なセルフケアの意味は、文字通り「自分自身でケアをすること」であり、たとえば「虫歯にならないよう歯磨きをする」「風邪気味だから暖かい格好をする」などもセルフケアに該当します。

セルフケアの3項目

「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、セルフケアについて「ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解」「ストレスへの気づき」「ストレスへの対処」の3項目を挙げています。

事業者は管理監督者も含めた労働者に対して、これらが行えるように支援することが重要です。
働く人の一人ひとりが、「自分の健康を自分で守る」ために必要な知識や技法を身につけることが、セルフケアの基本です。

ストレスの対処 セルフケアの例

セルフケアにおけるストレスの対処の基本となるのは「3つのR」「ストレスコーピング」「ソーシャルサポート(社会的支援)」です。後述する「15分でわかるセルフケア」でも、これらセルフケア方法が紹介されているので、参考にしてください。

3つのR(Rest・Recreation・Relax)

心身の疲労回復には3つのRが有効です。意識的にこのための時間を作るようにし、セルフケアを行います。

<レスト(Rest)>
休息、休養、睡眠。レストすることによって、ストレスから距離をおくことができます。必要以上に抱え込まず、ときには忘れることも大切です。

<レクリエーション(Recreation)>
適度な運動、趣味娯楽や気晴らし、好きなことができる時間を大切にしましよう。日々の忙しさに追われてつい後回しにしてしまいがちですが、大切なセルフケアです。

<リラックス(Relax)>
心身の緊張を緩める方法を身につけましょう。ヨガやゆっくりした呼吸でリラックスする人もいれば、大声で歌ったり、騒いだりすることでリラックスできる人もいます。自分に合った方法を探してください。

ストレスとうまく付き合う「ストレスコーピング」

過剰なストレスがかからないよう、ストレスの基(ストレッサー)にうまく対処しようとすること・うまく付き合うことをストレスコーピングと言います。

ストレスコーピングには、自分の考え方の傾向に気付いて、ネガティブな考え方を、柔軟で合理的な考え方に変化させる「情動焦点コーピング」と、ストレッサーそのものに働きかけて問題解決を図る「問題焦点コーピング」の2つに大別できます。

ソーシャルサポート(社会的支援)

自分だけで長い間抱え込んでいると、心身の不調を招く事態になりかねません。他者に相談することで、解決の糸口を見出すことが期待てきます。

自分ではどうにもならない、対処しきれないときには、信頼できる人や専門家に相談しましょう。同僚や上司、職場の相談窓口や産業医、医療の専門家、法律の専門家、公的機関における相談窓口など、支援を求める窓口はさまざまに用意されています。

e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるセルフケア」

厚生労働省が運営する、メンタルヘルスのポータルサイト「こころの耳」では、職場でのセルフケア教育にも活用できる“e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるセルフケア」”を提供しています。

セルフケアの基礎知識である「ストレスへの気づき」と「対処」および「自発的な健康相談」を学べるようにできており、「5分でできる職場のストレスチェック」と合わせても約25分程度で完了します。ぜひ参考にしてください。

<「15分でわかるセルフケア」メニュー>

● 最短総学習時間 約15分
1. いつもと違う自分に気づこう~こんなことはありませんか?~・・・1分
2. ストレスってなに?・・・2分
3. ストレスとつき合う方法・・・5分
4. なぜ、職場のメンタルヘルスケアが必要なのか・・・3分
5. メンタルヘルス不調は防ぐことができます・・・2分
6. 国を挙げてメンタルヘルスケアを推進しています・・・2分

出典 http://kokoro.mhlw.go.jp/e-learning/selfcare/

<引用>e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるセルフケア」|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

<監修医師>

菊池祐二郎 医師
山王メディカルセンター 血管病センターにて診療に従事。
東京医科大学病院在籍中は主に心臓手術・血管外科を担当し、さらにその関連施設では人工透析管理に従事。心臓や血管に疾患のある患者様に元気な日常生活を送っていただけるよう、患者様お一人おひとりにもっとも適した治療法を考え、行っている。

専門:血管外科
経歴:東京医科大学卒、医学博士/前東京医科大学心臓外科医長
学会活動:日本外科学会認定外科専門医・認定医/日本循環器学会認定循環器専門医/日本脈管学会認定脈管専門医/日本抗加齢医学会認定抗加齢医学専門医

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