【シリーズ:健康経営はじめました】従業員説明会でメンバーが熱くプレゼンテーション。健康経営が本格的に動き出す(Joyful喜一グループ④)

プロジェクトメンバーたちが中心となり準備を進めてきたJoyful喜一グループの健康経営(プロジェクト名『Joyfulトマト』)。健康宣言・健康ビジョンの策定に始まり、課題の洗い出しや課題解決のためのプランづくりを終え、それらをグループ企業の全員にぶつける従業員説明会の日がやってきました。

〔Joyfulトマトメンバー〕

下市 大貴(喜一工具 EC課)

柄井 菜々美(喜一工具 購買課)

間瀨 佳寿美(喜一工具 カスタマー2課)

山口 陸(喜一工具 ITS 課)

桐原 可南子(喜一工具 購買課)

岡本 亜耶(エスコ カスタマーサービス課)

今西 飛翔(エスコ 仕入課)

元村 真由美(小川善 大阪営業所)

小林 正隆(Joyfulインポートツールズ ECチーム)

古仲 奈津美(Joyful喜一ホールディングス 経営管理1課)

〔進行〕

濱野 康行(Joyful喜一ホールディングス 経営管理部)

〔プロジェクト伴走者〕

熊倉 利和(健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役)

.人生100年時代を生きるベースが健康経営

2024年10月2日、Joyful喜一グループ各企業の従業員を前にして喜一工具の石川武社長がこう話します。

「Joyful喜一グループの健康経営プロジェクト『Joyfulトマト』はすでに動き出しており、健康経営優良法人認定の準備にも入っていますが、今回のこの従業員説明会が事実上のキックオフになるかと思っています。

健康経営を始めるにあたり、みなさんに知っておいてもらいたいことがいくつかあります。その一つが今、時代が大きく変わっているということ。例えば、今年の敬老の日、日経新聞に働く人の年齢についての記事が載っていました。

それによると、60歳から64歳で就労されている人の割合は74%。65歳から69歳は52%。つまり70歳まで半分以上が働いていると言うことです。日本の高齢者(65歳以上)人口は3割を超えて世界第一。この数値はこれからも毎年されていき、年金の支給開始年齢の後ろ倒しにもつながっていくことでしょう。

人生100年時代とよく言われます。今まででしたら、20歳くらいまでが学生で60歳まで働き、80歳で人生を終えるといった三つくらいのステージでした。それが人生100年となると、60歳定年という概念もなくなり、今までのやり方では通用しなくなります。つまり、私たちには新しい生き方をする覚悟と準備が求められています。

マインドセットや新しいスキルを学ぶといったことが必要となっている中、自分は本当に何がしたいのかを見つめ直し、新たな勉強を始めたり、スキルを身につけていくことにワクワク楽しみながら取り組んでいってください。

もう一つが会社との付き合い方です。これまでは会社から言われたことをするという面が強かったかもしれません。ですが、これからは会社という器を従業員自身がどう使い、人生をいかに充実させていくかが重要になってきます。

経営者の方針にただ従うのではなく、皆さん一人ひとりがこの会社をどうしていきたいのか、そのためには何をすべきなのかといったことを考えていかなければならないでしょう。今回の健康経営にしても、自分自身が健康になって何をしたいのかという目的意識を持って取り組まなければ意味がないですし、それでは健康経営になりません。

さらに自分だけ健康で幸せであればいいのかといった視点も出てくるでしょう。

自分の健康はもちろんのこと、一緒に働く人、地域や社会全体へと少しずつ視野を広げながら、人生100年時代の土台として今回の健康経営を活用していってください。

.会社ではなく、従業員一人ひとりが健康宣言

続いてプロジェクトメンバーの一人である喜一工具の下市大貴さんが今回の健康経営プロジェクト(Joyfulトマト)の全体像について説明します。

「今回の健康経営を始めるにあたり、私たちプロジェクトメンバーは、まず『健康宣言』と『健康ビジョン』を策定しました。健康宣言とは、企業や組織が従業員の健康づくり、病気予防に取り組むことを社内外に宣言すること。健康ビジョンは、健康経営に取り組んだ成果として、会社や従業員がどうなりたいかを示すものです。一般的には『健康経営宣言』となるところ、『健康宣言』としたのは、企業や組織としてではなく、社員一人ひとりが社内外に向けて宣言したかったからです。

この後、各企業のプロジェクトメンバーから健康宣言や課題の設定、課題解決案の発表がありますが、どれも従業員自身が主体となって進めていくことを心に留めて聞いていただければと思います」

.健康な心と体と頭が生産性を向上させる

今回のJoyful喜一グループの健康経営は、グループ会社に共通するものを1階、各社独自の取り組みを2階という2階建で行うことをメンバーで決めました。

グループ全社に共通する1階部分の説明は、Joyful喜一ホールディングスの古仲奈津美さんが担当。「有給の取得推進」「年齢や役職に応じた健康診断の実施」「Joyfulトマト健康セミナーの動画発信」を考えていることを伝えました。

Joyful喜一ホールディングス独自の2階部分についても、健康サークル活動の実施(体を動かして汗を流すとともにコミュニケーションを深める/バトミントン・卓球・ボーリングなど年4回程度を予定)を提案。

続いてエスコの発表に移ります。

エスコの健康宣言は「私たちはエスコのミッションである『MRO(メンテナンス、リペア、オペレーション)商品に便利と安心を添えてお届けします。』を通じて企業のメンテナンス、リペアを支えることで持続可能な社会に貢献します。」という文章で始まり、そのためには「社員全員の心と体と頭を健康な状態に保つことが大切と考えます。私たちは、“私たち自身のメンテナンス・リペア”にも積極的に取り組みます。」と続きます。

この健康宣言を具現化するための施策案の一つが「労働時間適正化」。岡本亜耶さんがその理由を説明します。

「残業が少ない場合、リフレッシュや趣味、スキルアップの時間を作ることができます。反対に残業が多いとそういった時間も取れず、十分な休息が確保できないため、心身共に不調に陥ってしまうリスクが出てきます。また、残業が少ない職場は人材の定着につながりますが、反対に多い職場だと離職率が増加してしまう傾向があります。さらに残業の少ない場合、効率よく仕事をしようという意識が強くなり、逆に残業が多いと集中力が保てず、結果、生産性が低下してしまいます」

では、残業時間を減らすためにはどうすればいいのでしょうか。今西飛翔さんが続けます。

「ノー残業デーとテレワークの実施を考えています。ノー残業デーを取り入れる理由は、強制的に残業しない日を作ることで業務を効率的に進める意識改革のためです。テレワークについては、新社屋完成後に向けての取り組みでもあります。この二つを進めるためにも、より一層コミュニケーションが必要になってくることでしょう。

そこで、①4人程度で座談会を開催 ②近況(写真メイン)を社員間共有できるツール ③フロアのBGM、有線 ④上司との1on1ミーティングの導入を考えました。社内のコミュニケーションが活発になることで、部署内での連携にもつながり、生産性の向上が期待できます」

.お客様の喜びが働きがい・生きがいとなる

小川善のプレゼンターは元村真由美さんです。

「小川善は従業員の平均年齢50歳以上。現場での仕事も多く、身体が資本の要素が強い。そのため、心身不調による欠員やパフォーマンス低下は、本人はもちろん、一緒に働く仲間への負担が増え、モチベーションの低下を招きます。さらには企業のイメージダウン、労働災害、事故につながるリスクもあります」

それらを解決する施策案として考えたのが、名付けて『善Active』。歩く、ヨガ、縄跳びなどのほか、アンケートによって従業員がやりたいことを吸い上げて実行に移していくというものです。さらに「セルフチェック(血圧計や体脂肪率などの数値計測の習慣化)」、「リフレッシュ推奨日(毎週水曜日は全従業員定時で退社)」、「健康座談会」、「歯科研修」の実施を提案します。

「これらによって全員のパフォーマンスを向上させることでお客様に喜んでいただけますし、それによって各人の『仕事へのやりがい』が深まり、充実した人生につながっていくと考えます」

続いてJoyfulインポートツールズの発表です。

Joyfulインポートツールズが健康経営のテーマとして掲げたのが「間違いのない工具でメンテナンスライフを支える。」のもとに、私たちはバリバリの工具愛で、かっこよくて、とんがった、間違いのない工具を提供します」

小林正隆さんは言います。

「お客様の所有感を満たすかっこいい工具、しっかり仕事をこなせる安心安全で間違いのない工具を提供することで、お客様に喜んでいただく。それが自分たちの仕事に対する活力となるという考え方です」

そのようなお客様とのWin-Winの関係を築くためには「時間」に余裕が持てる環境が必要だと言います。時間的なゆとりがあれば、自分の健康状態やケアに目を向けられるようになる。健康であれば物事を前向きに考えられるようになり、仕事のパフォーマンスアップにつながる。それによって仕事での成功体験を得やすくなり、仕事に対してのやりがいや喜びになるという循環が生まれるというわけです。そこで着目したのが有給休暇の有効活用。

「まずは、有給休暇がどのようなものであるかをわかりやすく従業員にアナウンスします。有給休暇の残り日数、有効期限についても個別に告知。それらのアナウンスだけでなく、時間有給の活用やテレワークとの連携などフレキシブルに有給休暇を取りやすくする仕組みを導入していきます」

.グループ全員で真っ赤なトマトを実らせていく

プロジェクトメンバーの発表が終了し、経営陣から感嘆の声が上がります。

安達竜二さん(エスコ 代表取締役社長)

「それぞれの会社の特色を出しながらプランを考えてくれており、とても素晴らしかったです。エスコのメンバー2人も残業の削減、テレワーク推進を打ち出してくれました。テレワークについては、来年度、新しい社屋ができた場合、フリーアドレスにして、いろんな場所で働けるような環境を作っていくことを会社としても計画しており、タイムリーな提案でした。以前からの課題であった残業削減についても、今回の健康経営をきっかけに本腰を入れてやっていこうと決意がさらに固まりましたし、健康経営を会社全体の課題解決のために活用していきたいと思っています」

関口典生さん(小川善 代表取締役社長)

「小川善は平均年齢が高いこともあり、どうしても身体のほうに目が向きがちですが、気持ちの部分がとても重要だと感じています。仕事や自分の人生をどうやって楽しくしようかと前向きに取り組むことが健康につながるのではないでしょうか。そういった意味でも、健康経営を仕事も人生も楽しむためのツールとして使っていければと思いますので、引き続きメンバーの皆さんよろしくお願いします」

平松道洋さん(Joyfulインポートツールズ 代表取締役)

「当社の場合、店舗を年中無休で運営している影響もあり、有給休暇を充分に消化しきれていないという問題がありました。仕事も属人化している部分もありますし、小林君が提案してくれたように各人がリフレッシュできる時間が取れ、仕事に前向きに取り組める環境にしていきたいと思っています」

そしてプロジェクトの伴走者の熊倉が締めくくります。

「喜一工具の下市さんのお話にもあったように、健康経営は従業員一人ひとりが主役になるものです。そして、ただ単に病気をしない、健診の結果がよくなったというだけでなく、皆さんが元気に楽しく、生き生き働けるようにすることが目的であり、それが会社を成長させる原動力になります。今回プロジェクトメンバーの皆さんは、そのことを深く理解し、本当に素晴らしいプレゼンをしてくれました。文句なしの満点です。そして、メンバーが横串となり、各グループ間の壁に風穴を開ける役割も果たしてくれましたし、メンバー自身このプロジェクトを通じてとても大きく成長されました。それをぜひ他の従業員にも波及させていってください。

今回、『Joyfulトマト』に込めた想いを体現しようとメンバーの皆さんが懸命に取り組む姿を見ながら、プロジェクトの伴走者として度々胸が熱くなりました。健康経営はこれからが本番。グループ企業の皆さん全員で真っ赤なトマトを実らせていってください」

【取材後記】

様々な苦労を乗り越えてきたメンバーたちによる従業員説明会は大成功のうちに終わりました。健康経営は様々な側面から会社をパワーアップさせることができるツールであることを改めてまざまざと教えられましたし、普段の自分の業務だけでは味わえなかった経験を通じてメンバーが大きく成長していく姿にも深い感動を覚えました。ですが、Joyful喜一グループの健康経営『Joyfulトマト』は、ここからが本当のスタート。今回、メンバーにより発表された施策案はいわば叩き台。ここにアンケートなどによって従業員の意見を反映させ、最終的なプランを決め、実行に移していきます。その様子も随時お伝えしていきます。

【シリーズ記事一覧】

・【シリーズ:健康経営はじめました】キックオフミーティングに密着 「65歳まで楽しく元気に働け、業界で社員が一番幸せな会社を目指す」(Joyful喜一グループ①)

・【シリーズ:健康経営はじめました】健康宣言を策定。「真っ赤なトマトの実りのように人を大切に育んでいく」(Joyful喜一グループ②)

・【シリーズ:健康経営はじめました】プロジェクトメンバーが躍動。健康宣言を具現化するため、活発に議論し、プランを策定していく(Joyful喜一グループ③)

・【シリーズ:健康経営はじめました】従業員説明会でメンバーが熱くプレゼンテーション。健康経営が本格的に動き出す(Joyful喜一グループ④)

<企業データ>

▶担当者の課題や手間をファンマーケティングで支援!