【イベントレポート】IKIGAI企業×Z世代 公開リバースメンタリング「リーダーってどうやって見つければいい?(ファイブグループ)」

『IKIGAIサミット in エシカルエキスポ2024 TOKYO』の中で開かれた公開リバースメンタリング。IKIGAI企業がZ世代に悩みや質問をぶつけることで、さらに魅力的な企業に進化してもらおうという画期的な企画です。今回は、ファイブグループ代表取締役社長の坂本憲史さんがアーティスト、インフルエンサー、大学生3人のZ世代にリバースメンタリングを受けました。

坂本 憲史(株式会社ファイブグループ 代表取締役社長)

{Z世代代表}

・小崎 強(虹と満月と株式会社 Co-Creation Director)

・RION(ODDLORE,KING RECORDS)

・小川純璃(武蔵野大学4年)

熊倉 利和(IKIGAI WOKRS株式会社 代表取締役)

司会:今井 遵

1.楽しい社内イベント満載のファイブグループ

まずファイブグループ最大の社内イベント『ファイブフェス』の動画が流されます。『ファイブフェス』は年に1回、全店舗休業し、アルバイトも含めたスタッフ、従業員の家族も集まり、つながり、楽しむ日。大型のキャンプ場を貸し切り、ステージが設営され、飲食企業の本気屋台などが並ぶ風景はまるでロックフェスティバルの様相です。

今井:これを見たら学生さんもファイブグループに入社したくなるのでは?

小川:はい。もう最高ですね!

坂本:ありがとうございます。ファイブフェスは参加人数もどんどん増え、今ではアルバイトも含め、1200人くらいの従業員が参加します。その分、お金もかかってしまいますが、宵越しの金は持たないというのを信条にしています(笑)

今井:そんなファイブグループさんのお悩みはなんですか?

坂本:リーダーをどうやって見つければいいのかということです。というのも当社は海外も含め、直営店だけで120、業態も33種類あります。その分、たくさんのリーダーが必要なのですが、現状では足りていません。

お店で言えば、店長がリーダーに当たります。当社では入社3〜5年程度で店長になってもらうケースが多いのですが、そういったリーダーを目指す志向がある人財自体が少ないのではないか、それが悩みのタネです。

RION:今の若い世代は一般的にリーダーになりたがらない傾向があるかもしれませんね。そもそも最初からリーダーになりたい人が入社してこないのか、それともリーダーになろうとする人が入ってきても途中で挫折してしまうのか。

坂本:そうですね。リーダーになるには覚悟が必要です。必ず壁にぶつかります。そのことが最初から理解できているのか、理解できずに途中で心が折れてしまうのか。そのあたりは私もわからない部分があります。

今井:リーダーと言っても様々なタイプがいると思いますが、坂本さんの求めるリーダー像とは?

坂本:正解のない中で手を挙げられる人です。答が出ているものなら誰でもできる。どうなるかわからない中で挑戦できるのがリーダーです。

小崎:「リーダーになりたい人を募集」と前面に打ち出して採用活動をするのはどうでしょうか?

坂本:確かにその通りなのですが、実はリーダーになれる人はどの会社でも欲しいので、取り合いになってなかなか採用が難しい。

2.まず自分がリーダー向きかどうかを知る

今井:ところでZ世代は、会社選びをする際、業界・業種で決めますか?

RION:僕は5年前に就活をした世代ですが、業界・業種で選んでいたと思います。でも、今なら自分の気持ちを重視したい。自分が一番になれるかどうかで業界や会社を選びたいですね。

小崎:僕も自分がリーダーになれる仕事を探していました。

小川:私は今、現役大学生ですが、業界・業種以外、何で選べばいいかわからないというのが正直あります。

今井:Z世代の中でも仕事に求めるものは一人一人違うようですね。リーダーになりたい人が少ないわけではなさそうです。

坂本:そのあたりをもっともっと知りたい。世代ごと、あるいは同じ世代であっても会社に求めるものは違ってくると思いますが、何を求めているかを理解できない企業は成長が止まってしまうことでしょう。

熊倉:おっしゃる通りです。学生や若い世代が仕事や会社に求めるものは一人一人違います。ですが、本当にやりたいことに自分でも気づいていないケースがとても多い。その問題を解決するために、私たちはマイプロジェクト(※)という手法を使い、大学生が自分の働きがい、生きがいに気づいた上で経営者にインタビューし、深堀してもらうという取り組みを行っています。

今井:なるほど。「リーダーシップが取れる仕事」が自分の働きがい、生きがいになる人にとっては、業界・業種は優先順位として2番目、3番目になると言うことですね。

3.人を育てることが私の働きがい・生きがい

熊倉:リーダーが足りないとは言うもののファイブグループさんの人財育成の仕組みは本当にすごい。『キャリアロードマップ』と呼ばれるものがあり、社内33ブランドとバックオフィス17部門という多様な選択肢からキャリアを描くことができます。

また『社内公募制度』もあり、新規出店や新設部門設立など誰でも手を挙げられる制度を構築されていますね。従業員一人一人がどうなりたいかということを吸い上げてくれるので、まさに働きがい、生きがいを見つけることができる会社です。

今井:このダイアログ研修とはなんですか?

坂本:対話(ダイアログ)を通じて自分のやりたいことを言語化し、周囲をエンロールしていく能力を身につける研修です。『ダイアログ研修』にしろ、『キャリアロードマップ』にしろ、自分のビジョンや目標に向かっていく過程を楽しんでほしい。例えば、「人事に行きたい」「このブランドで働きたい」というのであれば、そこでどんなことをしたいのか、自分をどう成長させたいのかといったことを明確にイメージしてもらっています。

小川:ダイアログ研修はいいですね。私は今、積水化学工業さんでインターンをしているのですが、自分のやりたいことをうまく言葉にできないことが多いので、対話をしながら明確にしていけるのはとてもいいと思います。

坂本:そうなんです。対話をすると、その人のやりたいこと、思っていることがどんどん出てきます。ですから、相手の話を聞くことでその人の可能性を伸ばしていくことに繋がります。

今井:学生さんなど若い世代が自分のやりたいことを見つける方法はありますか?

坂本:やりたいことは変わっていってもいいのでまず行動すること。どろんこになりながらやり続けた後に見つけたものこそが、その人にとって本当にやりたいことです。

今井:仮に働き始めた年齢に戻ったとしたら、また飲食業をしますか?

坂本:私は難しいことにチャレンジするのが好きですから、違うことをするかもしれません。とにかく社会に貢献できる仕事がしたい。飲食もそうですが、それ以外にもたくさんあると思います。

今井:最後に坂本さんにとっての働きがい・生きがいをお聞かせいただけますか?

坂本:次世代の人が成長する姿を見ること。人を育てることこそが私の働きがい・生きがいです。

【取材後記】

ファイブグループさんのお悩みであるリーダーの人財不足は、どの企業にも共通するものかもしれません。ただ、自分自身がリーダーに向いているのかどうか学生などもわからないケースが多く、まず自分が何に生きがいを感じるのか、仕事や会社にどんなことを求めているかを知ることが重要となります。その点、IKIGAI WORKSの提供するマイプロジェクトなどを使って自分を知った上で就活に臨めば、失敗することも少なくなるでしょう。また、それらを知った上でファイブグループさんのような充実した人財育成の環境があれば、より思う存分に力を発揮できます。リーダー不足というテーマで始まった今回の公開リバースメンタリングですが、一人一人の働きがい、生きがいについても考える充実した内容となりました。

(※)自分自身の心と対話し、自分が本当にしたいこと、感じていることを知った上で「私のプロジェクト」を創り出していく手法。

<企業データ>

会社名:株式会社ファイブグループ

事業内容:飲食事業(居酒屋・ダイニング等)の経営・企画・運営店舗プロデュース事業

所在地:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-5-10 いちご吉祥寺ビル 7階

資本金:1,000万円

社員数:3,040人(正社員473名・アルバイト2,567名)※グループ連結

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