「健康経営は利益につながる」を広めるために活動していく

「健康経営は利益につながる」を広めるために活動していく

『5ヶ年計画』と題して、3ヶ月に一度のセミナーで各分野のスペシャリストから、「健康」に関するさまざまな知識を得ている北浜グローバル経営株式会社。「健康経営は利益につながる」ことを広めていきたい、という強い志を持って活動されています。そんな北浜グローバル経営株式会社の健康経営について、普段は聞けないようなお金の話まで、代表取締役の前井宏之さん、経営戦略本部 経営コンサルティング部マネージャー 勝浪光康さんにお話しいただきました。インタビュアー:株式会社セルメスタ 代表 熊倉 利和


1.健康ビジネスの窓口として設立。今では『5ヶ年計画』で率先して健康経営を行うように!

- ぜひ、会社設立の「きっかけ」という『関西経済連合会(以下、関経連)』のお話から聞かせていただけませんか?

前井 宏之さん(以下、前井さん):私はこの会社以外に北浜国際特許事務所を経営しております。その特許事務所を「分社化したいな……」と思った時に背中を押してくれたのが、関経連の方でした。関経連としては、以前から『健康ビジネス』を活性化したいと思っていたそうです。

たとえば、民間企業での薬の販売には『薬機法』がありますし、食品でもいわゆる高機能食品であれば『特保』や『機能性表示』といった効果を示すものがあります。近年、さらにその下の”癒やし”や”快適”というカテゴリで研究が進み、「特定色の光には癒し効果やポジティブになる効果がある」というようなことがわかってきました。

しかし、”癒やし”や”快適”という効果には明確な定義付けがなされておらず、企業が「この蛍光灯には癒し効果があります」と宣伝しても説得力がありませんでした。「これを商品の差別化に使えるようにするにはどうしたらいいか」と考えた時に、「この効果を公正に評価してくれる第3者機関が必要だ!」ということになり、『健康科学ビジネス推進機構』という組織が誕生しました。

そして、われわれが事務局を務めることとなり、そのために分社化に至り、北浜グローバル経営が設立されました。

― 確かに、そういった評価がなされれば、商品購入の”動機”につながりやすいですよね。

前井さん:そうです。さらに言うと、評価を行う機関は民間企業ではなく、民間企業以外の「第三者機関」の方がより信頼性が上がります。そこで、関係者が民間企業+アカデミア+公的機関+医療関連機関をひとつにまとめてエビデンス評価を行うようにする、という企画を立案しました。

― 素晴らしい取り組みですね。

前井さん:その時、関経連では予算などの関係で法人設立ができなかったため、はじめはバーチャルな組織として立ち上がりました。しかし、お客様対応のための窓口はどうしても必要であったので、そのタイミングで『北浜グローバル経営』として分社化いたしました。

― そういう経緯があったのですね!では、特許事務所のときから、そういったご相談を受けているクライアントさんが多かったのですね。

前井さん:はい、そうですね。正確にいえば、特許事務所の業務とはまったく別物としてコンサル業務を受けていたという、もともと少し複雑な組織ではありましたが。特許事務所業務とコンサル業務とは、親和性が不十分と感じていたため、丁度いいタイミングだと思い『北浜グローバル経営』を立ち上げました。

もともと、「経営コンサルとして独立しよう」という想いもあったところで、最終的に背中を押してくれたのは「健康科学」というキーワードと関経連だった、ということになります。

― なるほど。上手くタイミングが重なったのですね。設立当初は何名体制で始められたのですか?

前井さん:当初は私と事務員さんの2人だけでしたが、現在は15名になっています。採用を積極的にはじめたのは、ここ3年ぐらいの話ですね。また、2年前から『健康増進プログラム』というものを始めました。こちらは『健康経営』を意識せずに始めたもので、「仕事の充実や業績向上につながればいいな」という想いからスタートしたプログラムです。

― 素晴らしいですね。この『健康増進プログラム』は皆さんで考えられたのでしょうか?もしくは外部機関にお願いしたのでしょうか?

前井さん:もともとは私が「やりたい!」と思いスタートしたものです。社外から専門家をお呼びして健康増進のためのセミナーを開催し、「健康とは?」という概念から学び始めました。その時のキーワードは『睡眠』『食事』『運動』の3つでした。

正直な話、はじめは「健康」に関して積極的に導入するつもりはありませんでしたが、社内での結果によってお客様に提案ができるな、という考えもありました。そして実際に開催してみた結果、予想以上に評判が良く、「お客様はもちろん、自分や従業員、家族にも展開できて喜んでもらえる、これは面白い!」と思いました。

そこで、1度だけやっても「健康増進」に対する意識は薄れてしまうので3ヶ月に1回の定期開催として、また、1年だけやっても定着しないので5年間続けてみよう、ということで『5ヶ年計画』にして行うようにしました。

― すごいですね!

前井さん:現在は、さきほどの3つのキーワード『睡眠』『食事』『運動』を順番に回して、それぞれの専門家をお呼びしてセミナーを開催しています。たとえば、『食事』回のセミナーでは、大手お弁当チェーン会社さんの方をお呼びしています。

― そうしますと、今お話いただいた5ヶ年計画を行っていて、気がついたら『優良企業法人認定』が取れるような体制になっていた、という感じでしょうか?

前井さん:はい、おっしゃる通りです。『優良企業法人認定』の存在を知って、「これだったら今の状態で認定をいただけるな。また、認定を取ればお客様にもアピールができるのではないか」ということが取得するきっかけとなりました。

― 5ヶ年計画を作られたのはどなただったのでしょうか?

前井さん:私と当時の担当者ですね。『健康科学ビジネス推進機構』のおかげで各専門家とのつながりが多いので、なかなか中小企業では呼びづらいスペシャリスト達を講師として招くことができています。そこはウチの強みでしょうか。

また、一部の従業員からは「このテーマで話を聞きたい」などの意見も出るようになって、『健康』に対する意識が強くなっていると感じます。そういった流れで私の意識もさらに強くなり、せっかくお金を出して講師を招いているのだから健康診断などでしっかり「結果」を残していきましょう!と発破をかけています。

― 優良法人認定の基準がありますが、申請時には自然とクリアできていたということですね。

前井さん:そうですね、申請に際して苦労した点はありませんでした。

― とてもスムーズな流れで『健康経営』を行っていらっしゃるなと感じました。他社さんには本当に参考になるお話だと思います。

2.業種ならではのコネクションで、スペシャリスト達を講師に!

― 続いて、御社が行っている『健康増進プログラム』の詳細についてお聞かせいただけますか?まず、気になるのが疲労測定(取材前のヒアリングシートに記入)なのですが、実際どのように行うのでしょうか?

勝浪 光康さん(以下、勝浪さん):スタンダードなやり方だとは思うのですが、各人にアンケートを取りました。講師の方によると「どれだけ自覚があるか」を計れるそうです。その後、アンケート結果に基づいて講義をしていただきました。

前井さん:また、『疲労測定装置』というものを使ったこともあります。

― そういうものもあるのですね!

前井さん:はい、おそらく市販もされているかと思います。疲労をどう測定するのか?という研究も進んでおりまして、専門家の方に詳しくお話していただきながら使用しました。「自分では辛いと感じているけど、数値では疲労度が0になっている」「ストレス感じてないのに疲労度が高い!」など、自分の体感と測定数値のギャップに驚く声もあり、ワイワイ楽しく行いました。

― 疲労度は”可視化”するのが難しいと思うので、面白いですよね。では、つぎにお聞きしたいのが体力測定×腰痛改善セミナーなのですが、この『体力測定』は健康診断とは違うものなのですか?

勝浪さん:そうですね、『ストレッチ体操』というものを行いました。この体操でも数値を出して、この結果から講義をしていただきました。

― このストレッチ体操は、どのくらいの時間で計れるものなのですか?

勝浪さん:実際の講義では1個1個のストレッチで、測定→講義という流れだったのですが、トータルでも15分程度で終了しました。

― なるほど。この体力測定を行った先生も『健康科学ビジネス推進機構』の繋がりでお越しいただいた方ですか?

前井さん:そうですね。アスリートの指導をされていたり、スポーツ器具に関するアドバイザーであったりする方ですね。

― 差支えなければ、講師を招くのにかかる費用をお伺いしたいのですが……

前井さん:こちらは特別に『友達価格』のように格安で行っていただいていて、数万円でお引き受けいただいています。と言いますのも、先生方も「健康な方のデータを取れる」というメリットがあるようです。

― そうですよね。病人のデータは取りやすいですが、健康な方のデータはなかなか取りにくいものですよね。

前井さん:はい。さらに定点観測的にデータを取れるというのも先生方には好評です。そういった理由から、格安でも引き受けていただけていますね。

― そうなのですね。では、『血糖値測定×食生活ワークショップ』とありますが、血糖値はどのように計るのでしょうか?糖尿病患者さんであれば、指先に注射を打って計るという方法があるようですが。

勝浪さん:そうですね、われわれも指先で計りました。お昼ご飯を普段どおりに食べてもらい、「何を最初に食べたか(野菜やご飯、お肉など)」でデータを見比べました。そうすると明らかに違いが出まして、それを従業員に実体験してもらうことができました。

― それはいいですね。やっぱり実体験すると、より「気をつけよう!」となりますよね。

前井さん:そうですね。やはり意識するだけでできる、「食べる順番」で違いが出る、ということがわかったのは大きいですね。あとは「食べる時間帯」も大事だそうで、実際にわたしもその2つを意識して食事すると、量は変えずに3ヶ月で5kg程度痩せることができたのでビックリしました(笑)

この結果から『睡眠』や『運動』に関しても意識するだけで出来ることがあるのでは、という考え方になりました。

― では、『睡眠』と『運動』に関してのセミナーも行う予定ですか?それともすでに行っているのでしょうか?

前井さん:はい、3つのキーワードを3ヶ月に一つずつ回していくので、この2年間で2順はしていますね。講師が企業社員の場合は自社製品の紹介、大学の研究者の場合は研究協力の要請もありますので、やはり講師の方にもメリットがあります(笑)

― この3ヶ月に1回のセミナーは任意参加なのでしょうか?全員参加でしょうか?

前井さん:全員参加ですね。

― では、業務時間内で行ってらっしゃるのですか?

前井さん:はい、そうです。というのも、私はこの活動を非常に”重要視”しています。行動指針にも「健康に留意して~」という文言があり、そのための活動の一環です。また、健康診断の結果によって産業医さんと面談してもらっているのですが、できれば全員に産業医さんと面談してもらいたいですね。

― 事業所内で従業員が50名以下であれば、産業医がいる必要はありませんが、いらっしゃるということですね?

前井さん:常駐しているわけではないのですが、呼べば来てもらえるという状況ですね。

― なるほど。セミナーは全員参加ということですが、1回何分ぐらいなのでしょうか?

前井さん:1時間ですね。会場のスペースや通常業務との兼ね合いもあるので、午前と午後の部に分けて行っています。

― 上手く業務を回しながら行っているのですね。では、「セミナーの効果が現れているな」と感じる部分はありますか?

前井さん:自己申告にはなるのですが、社長面談にて「以前に比べて、疲れがとれやすくなった」という声を聞いたりはしますね。睡眠セミナーの効果と言っていました。

― ほかのセミナーの効果は感じられていますか?

前井さん:私は体重が5kg落ちたというのがあります。

勝浪さん:「意識が変わった」というのは顕著に感じています。われわれの業務において、この健康増進も含めた国の施策は重要です。そのため、「なぜ国がこういった取り組みを行っているのか」を意識しなければなりません。

この健康増進も、経営力を向上させるために必要であるから、施策になっているのだと思います。したがって、業務としてコンサルティングを行う我々が率先して行い結果を出していかないと、説得力が出ませんので(笑)

前井さん:やはり年に4回はやりますので、普段のちょっとしたところに差が出ると思っています。ほとんど意識しないような、「無意識の行動」につながっているのではないかと。また、業務を止めて活動していますので、しっかりと効果が出ているかを確認しています。

― どのように確認されているのですか?

前井さん:アンケートであったり、健康診断の結果であったり、また欠勤理由をできる範囲で出してもらったりしています。どのようにすればしっかりと効果が計れるかは議論の最中ではありますが、このような形で数年後にデータで比較できればと思っています。

― そうですよね、体調不良のために有給休暇を取っていることは多くありますよね。それが、家族との時間を過ごすために利用できるようになればいいですよね。

3.『健康経営』はしっかりと利益につながる!そのことを広めていきたい

― ここまでは社内での変化をお聞きしてきました。では、『健康経営優良法人』を取ってからの“社外”での変化はありましたか?

勝浪さん:徐々に感じているところです。弊社はさまざまなお客様のコンサルティングをしていますが、『健康』に関する提案は伝わりにくいなと感じていました。しかし認定を取得してからは、『健康』に関する提案が伝わりやすくなったと思います。

― なるほど。御社に対する『健康経営』に関するお問い合わせや、採用活動においての効果などは感じておられますか?

勝浪さん:正直なところ今はあまり感じておらず、おそらくこれからだと思います。経営者にとって『健康』と『営利』という部分がやっとつながりはじめたところだと思いますので、世間としてもスタート地点に立ったばかりだと思います。

前井さん:『健康経営』という言葉ですと、経営者は健康を目的としてしまいがちです。「どう利益につなげるのか」と問われた時に、まだ世間ではうまく説明できないと思います。その部分で自信を持って「こうやって利益に繋がります」とお話できるようにしたいと思います。

社外では「採用の際に以前より応募が多い」というお話は聞きますので、効果は確実にあると思います。

4.ブラッシュアップしたセミナーを、コンサルティングの武器にしたい

― 今後、「こうしていきたい!」と思うことはありますか?

前井さん:実際のアクションとしては、『健康増進プログラム』を5ヶ年計画に沿って粛々とやっていきたいと思っております。さらに私個人としては、その成果を何らかの形で”可視化”していきたいなと思っています。短期的なデータではあまり意味がないと思いますので、数年単位のデータとしてまとめる予定です。今はまだ2年目ですので、データを集める時期としています。

― 5ヶ年計画ということで今後もセミナーが行われていくと思いますが、セミナー内容のストックはまだまだあるのでしょうか?

前井さん:まだ2年目なので、ネタはあると思っています(笑)。ただ、4年・5年目となったときにどうなるかはわからないな、というところです。

勝浪さん:講師の方々もセミナー内容のアイデアを出してくれますので、ネタ切れの心配はないと思いますが、前井の言うように”絶対”とは言えないですね(笑)

― では、同じ内容を繰り返すわけではなく、なるべく被らないように講師達も考えてくれるのですね。

前井さん:そうですね。また、逆に私としては3年程度経てば同じ内容を行ってもいいと思っています。というのも人間ですから、やはり3年程度すると忘れていくと思いますので、定着させるためには効果的かなと。また、今後採用する従業員にはすべて新しい内容ですので、そのような形でもいいかなと思っています。

― なるほど。確かにそうですよね。

前井さん:最終的には3年分、計12回の内容をブラッシュアップして回していくことも考えています。もしかしたら5ヶ年で計20回の半分、計10回で完結するプログラムを作るというのもいいかもしれません。そうして対外的にも、このブラッシュアップしたプログラムを提案できればなと思います。

― 『健康経営』をコンサルティングメニューにすると。まさに『健康経営』と『利益』をつなげる取り組みですね!今日は十分すぎるほどのお話をいただきました、ありがとうございました。

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<企業データ>

会社名:北浜グローバル経営株式会社
事業内容:中小企業の経営コンサルティング、人材育成研修の企画・運営、補助金・助成金の獲得支援
所在地:大阪市中央区高麗橋3-3-11 淀屋橋フレックスタワー5階
従業員数:13名

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