【イベントレポート】働く車やスーパーカー、こども縁日で地元を盛り上げ、社員の働きがい・生きがいも醸成(ハンナ主催『TAWARAMOTO交通安全フェスタ』)

【イベントレポート】働く車やスーパーカー、こども縁日で地元を盛り上げ、社員の働きがい・生きがいも醸成(ハンナ主催『TAWARAMOTO交通安全フェスタ』)

奈良県に本社を置くトラック運送会社のハンナさんが、2024年10月19日(土)にTAWARAMOTO交通安全フェスタを開催。当日は大勢の人が訪れ、イベントは大成功。西岡取締役を始め、今回のイベントを企画・運営された方々にお話を伺いました。(インタビュアー:健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役  熊倉 利和)

〔株式会社ハンナ〕

西岡徳行(取締役)

米澤友海(経営管理部 係長)

廣嶋 (車輛課 係長)

森岡 (経営管理部 人事コンシェルジュ)

1.社員が自主的に動き、イベントを成功に導く 

奈良県の田原本にある唐古・鍵遺跡史跡公園で開かれたTAWARAMOTO交通安全フェスタには、パトカー、ポンプ車、トラックなどの働く車とスーパーカーが展示され、スーパーボールすくい、輪投げなどのこども縁日、唐揚げやクレープ、台湾アイスのキッチンカーも登場。大盛り上がりのうちにイベントは終了しました。

熊倉:当日、私も会場に伺いましたが、素晴らしいイベントでしたね。今回の交通安全フェスタをやろうと思ったきっかけや目的は何だったのですか?

西岡:はい。コロナが落ち着いた頃から物流危機が盛んに言われ始め、当社としても何とかしたい、何かムーブメントを起こしたいという想いをもともと持っていました。田原本町(たわらもとちょう)と地域連携協定を結んだこともあり、地域の皆さんに喜んでもらえることをしたい。そのことで当社のことを知ってもらえれば、求人にもいい影響が出るのではと考えていました。

そんな背景の中、今回、TAWARAMOTO交通安全フェスタを行う直接のきっかけとなったのが、スーパーカー協会の事務局の方との出会い。ハンナでは毎年10月に従業員の家族を呼んで交通安全の大会を開いているのですが、スーパーカーや働く車を展示できればもっと盛り上がりますし、どうせなら地域の方々も巻き込んで盛大にやろうとなりました。

熊倉:そうだったんですね。でも準備は大変だったのではないですか?

西岡:この4人(西岡、米澤、廣嶋、盛岡)でイベントに何が必要かを想定し、進めて行きました。とは言っても、私は最初にみんなに課題を出しただけ。あとはメンバーが自主的に動き、結果を出してくれました。そういった意味でも今回のイベントは大成功だったと思っています。

熊倉:それは素晴らしい。森岡さん、廣嶋さん、米澤さんそれぞれどんな役割を担当なされたのですか?

森岡:私はブース関連やトートバッグの発注などを担当しました。こども縁日については、係長の米澤と業者さんとの打ち合わせに入れてもらい、例えば、スーパーボールだったらこれくらいのコストが掛かるといったことを計算し、事前準備を進めていきました。

熊倉:廣嶋さんのご担当は?

廣嶋:ハイエースのラッピングやポスターなどのデザイン関係を協力会社さんと一緒に作っていきました。

熊倉:こども縁日の隣に展示されていたあの車ですね。米澤さんはどんな役割だったんですか?

米澤:私は田原本町などへの申請や各イベント会社さんとの連絡、イベント当日は会場の運営を行いました。

熊倉:イベントにはお金もかかりますから、資金面の調整も大変だったのではないですか?

米澤:はい。最終的には田原本町からもご支援いただけましたが、最初は反応も微妙な感じでしたし、初めてのイベントだったので協賛してくれる企業さんもいませんでした。自社で費用を全部負担しないといけないのかとちょっと心配になりました。

でも、本来であれば運送費用がかかるレンタル品なども、廣嶋がトラックで取りに行ってくれたり、手作りできるところは自分たちでやったりとみんなが協力してくれたお陰で無事やり遂げることができました。

2.経験が大きな財産。次はさらに大きなイベントを

熊倉:今回のイベントを通じて良かった点、次にやるとしたらこんなふうにしたいなどの感想を聞かせていただけますか?

森岡:開催までの準備期間が短かったのですが、その分、集中して熱を持って取り組めたのが非常に良かったと思っています。逆に反省点としては、トートバッグにしても発注してから届くのに、2週間から3週間ぐらいかかりますし、時間の制限があったので詰めきれない部分がありました。次回はデザインなどにももっと工夫を凝らし、イベントが終わっても普段使いしてもらえるようなグッズを作れたらと思っています。

熊倉:地元の方との触れ合いや反応はどうでしたか?

森岡:小さいお子さんたちも喜んでくれていましたし、イベント終盤には「もう終わっちゃうんですか?」と残念そうに聞いてくれる人もいて、やった甲斐があったと手応えを感じました。

熊倉:廣嶋さんはいかがですか?

廣嶋:そうですね。運送会社自身でこういうイベントをするのは、あまりないことだと思います。準備も大変でしたし、うまくいかなかったらどうしようという不安もありました。でも、イベント当日、西岡さんが感極まった表情をしているのを見たら、やって良かったと思いましたね(笑)。

西岡さん:いや、みんなが頑張る姿を見ていたらつい……。

熊倉:今も泣きそうになっているじゃないですか(笑)。廣嶋さんご自身も達成感があったのでは?

廣嶋:はい。たくさんの人が来てくれましたし、スーパーカー協会とのつながりもできました。これは自分たちの財産になったと思いますし、次はもっといいものができるのではないかと感じています。

熊倉:おっ、すでに次もやろうという気になられているんですね。

廣嶋:西岡さん次第です(笑)。でも、今度は、交通安全にテーマを限定するのではなく、もっと自由な発想でお祭りのようなことができたらいいなと思います。

米澤:本当にそうですね。田原本町の方とイベント後にお会いさせてもらった時、「来年もやってほしい」というお話もいただけました。次は協賛も集めて、たくさんの人に来てもらえる楽しいイベントを開けたらと思っています。

3.中小企業が地域を盛り上げ、花火を全国に広げる

熊倉:西岡さん、改めて今回のイベントを総括していただけますか?

西岡さん:お陰様で次回イベントをやるなら参画させてほしいというオファーが私のところにも届いています。その多くは、いわゆる中小企業と呼ばれる方々。コロナ禍以降、地域のお祭りなどのイベントが縮小傾向にある中、民間の企業が地域を元気にするために活動する意義は大きいと考えています。

今後も地域を盛り上げるお祭りやイベントをやっていきたい。そして、その花火がどんどんどんどん他の地域に伝播していって、ハンナがあんなことをやり始めたよ、ウチも負けていられない、というふうに刺激を与えられたらと思っています。

熊倉:すでに周りの企業さんを巻き込み始めているとはすごいですね。それと、さっき米澤さん、廣嶋さん、森岡さんが次はもっと盛大にやりたいと言っていましたが、それに対し「よし、やろうじゃないか!」と西岡さんが応えている姿もとても素敵でした。社内外にとても良い影響があった素晴らしいイベントだったと思います。

【取材後記】

「地域貢献やボランティア活動はお金にならない。会社としてやる意味があるのか?」とおっしゃる経営者も中にはいます。ですが、地域貢献活動がもたらしてくれるのは売上ではありません。例えば、顧客かどうかの区別なく、地域の方々とかかわることで、たくさんのありがとうや笑顔をもらえ、それが従業員の誇りとなり、自社に対するロイヤルティ(忠誠心)も高まります。また、イベントは仮に失敗しても本業にはほとんど影響がありません。事業リスクがない中、準備段階から自分達で考えて工夫を凝らし、普段の仕事とは違った様々な経験をすることで従業員が成長。働きがいやエンゲージメントの向上、社内の一体感の醸成などお金に換算できない様々なメリットを会社にもたらしてくれます。今回の事例は改めてそれを教えてくれましたし、ハンナさん経営陣の確固たる経営姿勢にも脱帽させられました。

<企業データ>

会社名:株式会社ハンナ

事業内容:一般貨物自動車運送事業・貨物利用運送・通過型倉庫・車輌整備

所在地:〒630-8442 奈良県奈良市北永井町372番地

資本金:1,000万円

社員数:社員数 147名(2023年4月現在)

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