【食育セミナーレポート】社内ワークショップで健康づくりとコミュニケーションの活性化に成功。他社とのコラボレーションでさらに可能性を広げる(I‐QUON株式会社) 

I‐QUONさんは大阪府高槻市に本社を置く産業医契約・医療コンサルティング会社です。社員の健康は、本人のみならず、その家族、会社にとって優先すべき大切なことであると謳い、2024年度ブライト500企業に輝いています。今回はそんなI‐QUONさんにお邪魔し、毎月開催している社内ワークショップの様子を取材。他企業とのコラボレーション、コミュニティーづくりの可能性についてのお話も伺いました。

〔I- QUON株式会社〕

稲田礼子(代表取締役 産業医・労働衛生コンサルタント)
景山名菜子(セミナーを担当)(保健師・公認心理師)
平川沙織(公認心理師・臨床心理士)
茂籠裕美子(キャリアコンサルティング2級技能士・公認心理師)
江頭伸哉(公認心理師・健康経営アドバイザー)

〔オブザーバー〕

熊倉 利和 (健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役 )

1.社内ワークショップでコミュニケーションを活性化

本日のワークショップは食育。講師を務めるのは保健師の景山さんです。

景山さん:今月のワークショップは「タンパク質」がテーマです。去年のワークショップで「バランスのよい食事」についてお伝えしたので、一つひとつの栄養素に分けて説明するとより理解が深まるのではないかと思い、タンパク質を選びました。

タンパク質はギリシャ語でプロティオスと言い、“最も重要な”という意味を持ちます。今日は、私たちの身体で最も重要とされるタンパク質について勉強していきましょう!

タンパク質と聞くと筋肉作りのイメージが大きいと思いますが、実は私たちの頭の先から指先までのあらゆる部位を構成している物質なんです。私たちの仕事(産業医契約・医療コンサルティング)に関係深いところでいうとセロトニンやドーパミンの材料であり、爪や髪、ヘモグロビンまでもがタンパク質で作られています。

タンパク質が不足してしまうと基礎代謝が落ち、太りやすく、痩せにくくもなります。また、体重減少や筋肉量低下につながり、将来的にフレイルを引き起こすこともあるんです。以上のことから、タンパク質の重要性がおわかりいただけたでしょうか?

次に、タンパク質の上手な摂り方をご紹介します。例えば、お肉の部位によってタンパク質の含有量は変わります。ちなみに私は牛肉だとホルモン、豚肉ならバラ肉が好きなのですが、それですと脂質の含有量の方が多くなってしまいます。おすすめの部位は牛肉ではヒレ肉、豚肉だと肩肉です。同じ量を食べてもタンパク質を多く摂取できますよ。鶏ささみや鶏むね肉もタンパク質の含有量が多く、脂質が少ないのでおすすめしたい部位です。

では、ここでクイズを出題したいと思います。この中で1番タンパク質が多く含まれているものはどれでしょうか?

1:蕎麦

2:白米

3:食パン

正解は蕎麦です。蕎麦はタンパク質が多く含まれているので疲れ気味の人にもおすすめしたいですね。

熊倉:玄米はどうですか?

景山さん:玄米もいいですね。ただ、白米よりはタンパク質の含有量が上がりますが、それでも蕎麦には負けてしまいます。

では、もう一つ問題です。次のイモ類の中で、タンパク質が1番多く含まれているのはどれでしょうか?

1:じゃがいも

2:さつまいも

3:長いも

正解は長いもです。

同じグラム数では、長いもが一番タンパク質を含んでいます。なので、疲れて食欲がないときなどは「とろろそば」を注文するとエネルギーを効率よくチャージできるのでよいですよ。ワークショップは以上で終了です。ご質問はありますか?

熊倉:とても勉強になりました。この様なワークショップは定期的に行っているのですか?

稲田代表取締役:はい。毎月テーマを変えて実施しています。今回は食育がテーマでしたが、おすすめの映画や書籍を紹介したり、ヨガやストレッチレッスン、身体能力を測る“測定会”などを開催しています。

熊倉:バリエーション豊富で、面白い取り組みですね! 社内コミュニケーションが活発化されそうです。

稲田代表取締役:おっしゃる通りです。この活動は健康経営の一環として行っていて、社員同士の交流を促し、コミュニケーションの活発化を狙いとしています。特に盛り上がるのが映画や書籍を紹介する文化系のワークショップで、“芸術祭”と名付けて社員みんなで楽しんでいますよ。

熊倉:なるほど。今回のワークショップでは社員のみなさんがリラックスし、楽しんで参加されている様子を拝見できました。改めて、景山さん、ありがとうございました。

2. 健康経営で小規模企業の成長をサポート

熊倉:ワークショップは社内だけで実施しているのですか?この取り組みは、貴社の社員同士だけでなく、企業の垣根を越えたコミュニティーが広がる可能性を感じます。オンラインとの相性もよいので、近隣企業を巻き込んで展開するのはどうでしょうか?

茂籠さん:現在は社内のみで実施しています。ただ、今の熊倉さんのお話を伺い、他の企業さんにも参加していただく公開型のイベントを実施するのもよいなと感じました。

平川さん:いいですね! 社内で人気の高いワークショップをアップデートさせ、社外イベントを開催してみたいです。開催後、それを再度、社内で精査し、PDCAを回していけば、さらにより良いものを提供していけると思います。

熊倉:その点についてもアドバイスも含め、IKIGAI WORKSのほうでサポートできますし、コミュニティーの輪が広がり、認知度が上がることでI-QUONさんの取り組みが他の企業のロールモデルになると思います。I-QUONさんは外部セミナーも多く行われていますよね。健康経営に関連するセミナーも実施しているのですか?

稲田代表取締役:はい。ブライト500の取得を目指す経営者に向けたセミナーを行っています。さらに、企業様の健康経営の取り組みを拝見し、できている点や課題点を数値化して評価しています。

弊社の従業員数は10人未満ですが、ブライト500を取得した実績があります。このことを強みとして、同じ小規模企業に向けたセミナーができないかと検討しているところです。従業員10人未満でもブライト500を取得可能だということを伝え、健康経営を推進し、成長につなげる企業を増やしたいと考えています。

3.SNSで盛り上げる新しいコミュニティー

熊倉:今の稲田さんのお話にもつながると思うのですが、現在、IKIGAI WORKSではブライト500企業を中心としたコミュニティーサービスを立ち上げています。このサービスは学生などの若い世代と経営者の橋渡し役を担うコミュニティーを目指していて、それをサポートするデバイスとしてSNSの活用を提案していこうと考えています。

実際にFacebookやInstagramを利用している会社も増えていますし、これまでのコミュニティイベントや懇親会でも企業の担当者同士がSNSについて情報交換する場面も見受けられました。このコミュニティーを通して、お互いのことを発信したり、“いいね”を押し合ったりするなど企業同士のSNSを盛り上げていきたいと思っています。

茂籠さん:なるほど。確かに、全国的に知られている大企業でない限り、SNS上だけで求職者や顧客などと関係性を築き、フォロワーを獲得するのもとても難しいですよね。でも、リアルなつながりがあり、それをきっかけにSNSでもつながれれば、信頼関係が既に構築されているのでトラブルになることも少なそうです。安心してSNS運用ができますね。

熊倉:特にI-QUONさんは、従業員一人ひとりが専門家さんですから、発信の信用度も高く、SNSとの相性がよいのではないでしょうか?

平川さん:ありがとうございます。どの従業員がSNSを運用しても「I-QUON」の顔として成り立つと思っています。これからの時代、多くの世代とつながるためにSNSの活用は有用だと考えておりますので、弊社の強みを活かしてSNS運用に挑戦するのもよいアイディアだと感じました。

【取材後記】

今回の社内ワークショップでは、従業員の健康促進や知識の向上だけでなく、“楽しみ”を通じてコミュニケーションの活性化を図る姿が非常に印象的でした。他の企業との連携やワークショップの新たな可能性も発見することができましたし、常に前向きな姿勢がこれまでのI-QUONさんを創り、ブライト500の取得にもつながったのだと感じさせる取材となりました。I-QUONさんの今後の展開、そしてブライト500認定企業をはじめとしたIKIGAI企業のコミュニティー作りにも期待が膨らみます。

<企業データ>

会社名:I-QUON株式会社

事業内容: 企業・団体等におけるメンタルヘルス、安全衛生管理、労務管理などに関するコンサルティングの実施/ストレスチェックの実施支援およびコンサルティングの実施/メンタルヘルス、安全衛生管理、労務管理などに関する研修の実施/産業医、精神科担当産業医等の受託/精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士等によるカウンセリング、認知行動療法の実施/休業中の勤労者に対する復職支援の実施/企業・団体等への産業保健スタッフの派遣および紹介/医療機関への受付・医療事務スタッフ、臨床心理士等の派遣および医師、看護師の紹介/化粧品等の販売/医療関係のWebサイトの構築/医療機関における診療補助ツールの製作・販売

所在地:〒569-0071大阪府高槻市城北町2丁目9-34 1F・2F

資本金:2,100万円

社員数:6人

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