【シリーズ:健康経営と大学連携】自分軸を探求するためのダイアログ〔吉道亜樹 編〕
かちぞうゼミ(※)の一環として実施されている健康経営の広場と関西学院大学の松本ゼミ生とのPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。今回は、ゼミ生が「子供の頃から熱中していたことは?」「どんな社会人になりたいか?」「ホワイト企業をインタビューして何を思ったか?」という質問に答えながら、自分が本当にやりたいこと、仕事に求めるものは何かを考えていきます。
〔講師〕
熊倉 利和(健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役)
〔受講者〕
吉道亜樹(関西学院大学 商学部 3年生)
目次
支え合う仲間とともにテニスに熱中
熊倉:亜樹が学生時代に熱中したことって何?
吉道亜樹:体を動かすことが好きで、特にテニスは8年間続けています。プレーすること自体、楽しいのですが、一緒に苦労を共にしたチームメイトの存在も、私にとってとても大切なもの。
例えば、大学に入学した後、コロナ禍となって辛いこともありましたが、そんな時、私を支えてくれたのが中学や高校で部活を共にした友人たちでした。私が何か新しいことに挑戦する際も、その友人の存在が背中を押してくれます。
熊倉:苦労を共にした支え合う仲間がいるからこそ、頑張れるということだね。そういう意味では、亜樹は人と人の絆をとても大切にし、良い関係性を構築していける人だね。
成長を続け、チームで結果を出す
熊倉:どんな社会人になりたいと思っているの?
吉道亜樹:先輩後輩関係なく、チームで成果を残せるように働きかけることができる社会人になりたいですね。というのも、人間関係を親密で良好にすることが、チームで結果を残す上で最も大事であると考えているからです。ですから年齢や社歴に関係なく、どうやったら良好なコミュニケーションがとれるのかを考え、自分から動いていきたい。
熊倉:自分が入社する会社に期待することは?
吉道亜樹:やはり、成長するためにしっかりとした教育や指導を受けられることを期待します。今、アルバイトをしているのですが、敬語の使い方や、お客様に対してどのようなプランを持って商品を提案すればいいのかといったことを、経験豊富な社員とロールプレイングなども含め、学ぶことができています。
インターンや会社説明会で一緒になった人と話すと、「敬語の使い方を習っていない」「ビジネス用語も知らない」という声を多く耳にしました。その点、私はアルバイト先の丁寧な指導のお陰で、言葉遣いや人に対する気遣いなども、ある程度できるようになっていると思いますので、社会人になっても教育や指導を受けて成長していきたいと考えています。
健康経営は社員の家族も幸せにする
熊倉:今回、健康経営に力を入れるホワイト企業をインタビューしてみてどうだった?
吉道亜樹:健康経営を行なっているホワイト企業の皆さんに共通するのは、「社員の幸せが一番大切だ」「社員の幸せを大切に考えるなら、健康経営に取り組むのは当たり前のことだ」という意識を持たれているところ。社員の幸せを考えることが健康経営の根底にあり、それがブライト500などの認定にも繋がっているのだなと感じました。
社員の健康は、その社員の家族にとってもとても大切なこと。私の父は単身赴任していることが多かったので、離れて暮らす私たち家族にとっては、父が健康で働いていることが何よりもの安心材料となっていました。会社や社員自身はもちろん、周りの人の幸せのためにも、社員の健康を守ることはとても素晴らしい取り組みだと思います。
熊倉:そういうホワイト企業の取り組みを見て、亜樹自身の就職観も変わってきているかな。
吉道亜樹:はい。自分の価値観や考えていることと、会社のそれが一致することがとても大切であると感じるようになっています。それと同時に、就活で様々な企業を見ていくうちに、本当に私が大切にしていることは何なんだろうと自分軸を見失いそうになることもあります。自分軸としての要素と、他人軸としての要素をしっかり見極めることで将来、私の進むべき道が見えてくるのだと思います。
熊倉:そうだね。自分軸、他人軸というのは就職すれば終わりではなく、就職後も状況によって変わってくるよね。面接の段階では、とてもいい会社だ、自分にぴったりだと思っても、入社後、配属される部署によって大分印象が変わってしまうのは、特に大企業ではよくある話。
就職し、仮に自分の望んでいない仕事や状況に置かれても、自分軸がしっかりしていれば、どうやればワクワクした気持ちで働けるか、生きがいを感じられるようになるかを考えることができる。そういう意味でも、自分の価値観、自分軸を明確にしておくのはとても大切なことだと思うよ。
【振り返り】
ホワイト企業へのインタビューや座談会を通じて、健康経営や社員の働きがい、生きがいを大切にする企業の施策や想いについて学んでいる松本ゼミ生たち。今回の熊倉とのダイアログは、自分自身が本当にやりたいこと、大切にしている価値観を探求していくものです。何をすることが生きがいになるのかというのは、子供の頃から熱中してきたこととリンクしており、そこを掘り下げることで、自分が本当にやりたい仕事、働きたい会社も自ずと見えてきます。規模や知名度、安定性で選ぶというこれまでの価値観だけでなく、本当にワクワクした気持ちになれるかどうかという自分軸で選ぶ就職観の醸成もダイアログの目的です。
(※)産学連携かちぞうzemiは、一般社団法人そばくりラボ主催の「かちぞう企画」の一つで、産学連携で価値創造にチャレンジする実践的なPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。より良い社会の構築を目指して価値創造するための実践的な調査研究活動に、学生がチーム単位で半年間かけて取り組む。