【シリーズ:健康経営と大学連携】最終報告会に向け準備を進める(熊倉教室③)

かちぞうzemi(※)の一環として実施されている健康経営の広場と関西学院大学の松本ゼミ生とのPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。健康経営に取り組む企業へのインタビューなどを通じ、「働きやすさ、働きがいの実現という就職観の醸成」「学生と健康経営実践企業の交流の仕掛けづくり」「就職後の仕事観のミスマッチ防止」などを探っていくものです。今回は近づいてきた最終報告会について話し合いました。

〔松本ゼミ生〕

追矢裕子

草野瑞季

小宮谷純怜

谷本彩葉

中野太陽

中山佳亮

念治明美

宮武駿

八幡 大

吉道亜樹

〔講師〕

熊倉 利和(健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役)

1.プレゼンのテーマや構成を決めよう

これまで熊倉による導入講義、企業調査(健康経営を実践するホワイト企業へのインタビューなど)、交流イベント(企業との座談会など)、自己分析(自分軸を探求するためのダイアログ)と着々とプログラムを進めてきた松本ゼミ生たち。その成果を発表する舞台が2023年2月21日に関西大学で開かれる『第 8 回産学連携かちぞうzemi 最終報告会』です。

熊倉:さて、最終報告会も近づいてきたね。当日は、この松本ゼミ×IKIGAI WORKS(メディアサイト『健康経営の広場』運営会社)も含め、11チームが参加する。各ゼミの学生チームと担当教授はもちろん、パートナー組織、来賓企業、大学教授なども来てくれるから大勢の人の前で成果を発表することになるし、しっかりと準備を進めていきたいね。それでは、最終報告会でのプレゼンの構成や内容について決めていこうか。

谷本彩葉:はい。今回の教育プログラムの価値や効果をどうやったら一番伝えられるかを考え、構成を練りたいところですね。

追矢裕子:先日、松本先生とも最終報告をどのような内容にするかというお話をさせていただきました。その際、他の学生も含め、こうすれば健康経営を広めていくことができるといったことも提案できたらいいねとアドバイスをもらいました。

熊倉:なるほど。それはいいね。みんなにはこれまで健康経営に取り組み、働きやすさ、働きがいを大切にするホワイト企業にインタビューをしてもらったり、座談会や懇親会で企業との交流を深めてもらった。今は、自己分析(自分軸を探求するためのダイアログ)も行い、「子供の頃から熱中していたことは?」「どんな社会人になりたいか?」「ホワイト企業をインタビューして何を思ったか?」という質問に答えながら、自分が本当にやりたいこと、仕事に求めるものは何かを考えてもらっている。

これらの教育プログラムを受ける前と受けた後で、自分の働き方や就職の価値観がどう変わっていったかはもちろん、どうやれば健康経営を社会に浸透させることができるかといった提言まで持っていけたら最高だね。

谷本彩葉:はい。最終報告会では、実際に私たちが経験したプログラムについて紹介しながら、健康経営を他の学生や社会に広めていくための広報戦略などにも踏み込めればいいですね。

熊倉:そうだね。今回の教育プログラムによってこんなことを学べた。健康経営に価値があると知った。自分たちが受けた教育プログラムは学生自身のためにもなるし、世の中のためにもなる。だからこそ、広めていきたいと思ったということを、他の学生へのヒアリングなどで裏付けした上で提言できれば説得力のあるプレゼンになるね。

2.次世代にバトンを繋いていく

熊倉:今回、みんなが体験したものを一言でまとめると『ホワイト企業との交流による就職価値観醸成プログラム』といったものになる。みんなにとっても初めてのことだし、今まで世の中になかった試みでもある。試行錯誤しながらの取り組みでもあったよね。だからこそ、「こういう風にプログラムを進めていった」「その中でこんな課題が見つかった」「こうすればもっと上手くできたはず」といった経験値やノウハウを次の人たちに伝えられるものにするのはどうだろうか?

谷本彩葉:それいいですね! この教育プログラムに興味を持った私たちの後輩や他大学の見本になるようなものにしたいです。健康経営についてはもちろんですが、企業インタビューをする場合、「こうすれば上手くいくよ」といった具体的なことも知ってもらいたいです。

熊倉:そうだね。企業インタビューにしても「こういう聞き方をしたらもっと引き出せたかも」「こんな準備をしておけばよかった」「インタビューの後、こんなこともできた」とみんなの感じたことを率直に伝えることが次の学生さんへのバトンになる。

例えば、「ホワイト企業へのインタビューの質問を考えてみて」と私がゼミ生のみんなにリクエストした時、最初みんなは健康経営の制度や施策などを深掘りしようとしていたね。それより、なぜその企業が健康経営に取り組んでいるのか、社員の働きがいを大切にしているのかといった想いの部分を聞いてほしいと私がリクエストしたこともあった。

谷本彩葉:そうでした。学生らしく、自分が感じたこと、思ったことを伝えたほうが相手の企業の方にも届くし、記事を読んだり、動画を見る人の心も動かせるものになるとのことでしたね。

私自身、今回のプログラムに参加していなければ経験できないことがたくさんありました。最終報告会では、自分が感じたことや得たもの、このプログラムの価値を伝えたい。その上でこういう課題があった、バトンを受け取ってくれる人はこんなふうにプログラムを進めるとさらに良いものになるよとメッセージやエールを送りたいですね。

追矢裕子:そうね。今回の教育プログラムの全体のテーマは、働きやすさ、働きがいという就職観の醸成ということがあるので、そこが学生に刺さるような発表にしていきたい。

企業インタビューや座談会で私たちは「健康経営に取り組むようになったきっかけは?」「健康経営は採用の武器になるか?」といった質問をぶつけました。企業の皆さんはその質問に真摯に答えてくれました。それらの経験から私たちが感じた就職の価値観の変化を伝えることで、ホワイト企業との交流による就職価値観醸成というテーマとも合致すると思います。

3.キャリア形成を考えるプログラム

熊倉:今回の教育プログラムに参加してみて裕子自身、就職に対する価値観に変化はあった?

追矢裕子:はい。就活というより、自分自身のキャリアそのものに対する考え方が変わりました。就活は今、私たちのすぐ目の前にあるものであり、仕事内容や福利厚生といったことが会社を選ぶポイントになると思います。一方、キャリア形成は、私は起業したいという夢も持っているのですが、そのことも含めて長いスパンで自分の働きがい、生きがいと照らし合わせながら行っていくもの。今回のプログラムは、長い人生の中での自分のキャリアを考える上でとても役に立ちました。

熊倉:それはよかった。今回のプログラムでは、それぞれの過程で様々な学びがあったはず。例えば、企業調査(企業インタビュー)と交流イベント(座談会、懇親会)とで得られるものは違うと思う。ホワイト企業のことを知るためにはインタビューがいいし、自分自身の就職やキャリアについて考えるには本音の部分で話せる交流イベントがいい。座談会や懇親会では、進路や働き方についてこんなことで悩んでいるといった個人的なことも、経営者に直接聞くことができるしね。

谷本彩葉:インタビューによってその企業を知った上で座談会や懇親会に臨めるという順番もよかったですね。このプログラムの魅力を伝えるためには、こういうことをしてきたので、こういうことが学べたというストーリー性も重要だと思いました。

熊倉:ああ、鋭い指摘だね。確かに企業インタビューでホワイト企業のことを知り、交流会で自分が個人的に考えていることをぶつける。さらに自己分析(ダイアログ)で自分が本当にやりたいことに気づいていく。これらの流れにより、自分が本当に仕事や働くことに求めていることが浮き彫りになり、就職感の醸成に繋がるというストーリーができるね。そして、プレゼンの最後で次世代へのメッセージや展望を伝えるという構成が見えてきた。じゃあ、この構成でプレゼンの準備を進めていこう!

【取材後記】

テーマや役割分担などを決めながら、最終報告会の準備を懸命に進める松本ゼミ生たち。自分たちが体験したこと、感じたことを他の人にも知ってもらい、次世代にバトンを繋ぎたいという想いがヒシヒシと伝わってきました。次回は半年に及ぶ松本ゼミ生の活動の成果を発表する最終報告会の様子をご紹介します。

(※)産学連携かちぞうzemiは、一般社団法人そばくりラボ主催の「かちぞう企画」の一つで、産学連携で価値創造にチャレンジする実践的なPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。より良い社会の構築を目指して価値創造するための実践的な調査研究活動に、学生がチーム単位で半年間かけて取り組む。

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