各エキスパートの知見と経験が交わり、健康経営のこれからが見えてきた!

[参加者]
■中家 良夫(内田洋行健康保険組合 シニア・アドバイザー)
■上野 朋子(一般社団法人統合医療・予防医療ネットワーク 代表理事)
■荒尾 裕子(株式会社クレメンティア 代表取締役)
■森川 孝司(ベイラインエクスプレス株式会社 代表取締役)
■大門 俊輔(普及プロデューサー)
■千本 英介(株式会社Ninja EX 代表取締役忍者)

(事務局)
■熊倉 利和(株式会社セルメスタ 代表取締役社長)
■橋田 知世(株式会社こいこい 代表取締役)
■須子 善彦(マイプロジェクト株式会社 Founder 兼 代表/NPO法人ブラストビート 理事)

1. それぞれの取り組み紹介

まずは事務局の熊倉氏からの紹介を受け、それぞれが今の取り組みを説明することからダイアログがスタート。

熊倉:中家良夫さん(内田洋行健康保険組合 事務長)は、まさに日本の健康経営におけるフロントランナーと呼べる存在。というのも、中家さんは健保組合から内田洋行グループ9社13事業所の経営者に働きかけ、ホワイト500の取得を始め、健康経営を広めていってくださっています。

中家:ありがとうございます。今日は熊倉さんの「健康経営を日本中に広めたい」「一人ひとりがイキイキと働ける社会にしたい」という熱い想い、いわゆる熊倉’s dreamに深く共鳴した者の一人として参加しました。

当健保の職員は、現在、7名中5名(事務職3名/保健師2名)が自ら健康経営アドバーザーの資格を取得して健康経営支援チームを組織しています。支援チームは2016年度から内田洋行グループの22事業所の経営者に対して健康経営の宣言から様々な施策の実施までのサポートを積極的に実践しています。

好事例として、当健保がサポートし健康企業宣言を行い、銀の認定証を取得し、ホワイト500を取得した社員600名の事業所の社長の話をさせて頂きます。

社長は自ら社員向けの健康づくりセミナー(運動促進、食事コントロール、腰痛&腰痛予防など)に率先垂範にて参加し、従業員と一緒になって健康増進活動に励んでおられ、社員は社長の健康づくりに対する熱き思いに反応し積極的に行動変容を起こしています。どうぞ、よろしくお願いします。

熊倉:上野朋子さん(一般社団法人統合医療・予防医療ネットワーク 代表理事)は、医療、福祉、食事、農業という各分野のエキスパートを連携させたネットワークを構築。『健康経営の広場』は、今、ようやくコミュニティづくりを始めたところですから、上野さんはプラットフォーマーとして私たちの遥か先を行かれています。

上野:いえいえ、熊倉さんこそ、食事や運動、体質改善についての知識が豊富で、幅広くご活躍されていますね。私たちも、自己採血による微量血液検査、体の仕組みや栄養学に則った食事法の啓蒙、良質で安価な食材の提供といった活動をしています。ですから、今回、参加者のみなさんとつながりを持つことで、その輪をさらに広げていきたいですし、違う分野の方のお話を聞き、新たな知見を得られたらという想いで参りました。

熊倉:荒尾裕子さん(株式会社クレメンティア 代表取締役)も、今のように世の中の注目が集まる前から健康経営を研究されている方です。

荒尾:今日来る前に、キックオフ作戦ダイアログ第一回目についての記事を『健康経営の広場』で読ませていただき、錚々たるメンバーがこの集まりに参加していることを知って少々緊張しております。私はというと、最初、市役所で保健師として働き、その後、外資系のコンサルタント会社でヘルスケアと公共政策を担当していました。現在はNPO法人と事業会社を運営していて、健康経営をビジネスとして展開したい方のサポートなどをおこなっています。それとともに、健康経営の再評価などについて大学院で研究もしています。

熊倉:森川孝司(ベイラインエクスプレス株式会社 代表取締役)は、高速バスの運行会社を経営。本社内にフィットネスルームやボルダリングができるスペースを設置し、血圧測定などはもちろん、FITBIT(運動、食事、体重、睡眠をトラックすることで健康を改善するフィットネス製品)などの最新機器を導入。従業員の健康と安全を徹底的に考え、実行している経営者。その取り組みは、たくさんの人に知ってほしい本当に素晴らしいものです。

森川:ありがとうございます。長距離バスの運転士の仕事は、昼夜逆転していたり、神経を使うもの。安全と健康に人一倍配慮しなければいけない。ですが、以前は従業員のための設備といってもシンプルな二段ベッドがあるくらい。旧態依然としたままでした。日頃から社員に、失敗を恐れるな、どんどんチャレンジしろと言っているのに、私自身は何もチャレンジしていないことに気づきました。これじゃダメだ、とオフィスを移転させるのに伴い、思い切って社内の設備、環境をガラリと変えたんです。

熊倉:大門俊輔さん(普及プロデューサー)は、株式会社長湯ホットタブさんを紹介いただき、長湯温泉と繋がるきっかけを作ってくださるなど、『健康経営の広場』に大変貢献いただく、まさになくてはならない方です。

大門:今日集まったメンバーの中で、私が一番、柔らかい仕事をしてきたかもしれません(笑)。みなさんもご存知のヒット曲のプロデュース、女優のマネジメント、時に自分自身テレビに出演するなどいわば、芸能の世界で流行の先端を追ってきました。そんな私がたどり着いたテーマが健康。「スーツにスニーカープロジェクト」を立ち上げました。ビジネスマンは革靴を履いていますが、それじゃあ歩きにくい。1日の歩数も限られてしまう。それならば、スーツにスニーカーを履いて、たくさん歩いて健康になってもらおうと活動しています。その一環として、スーツにスニーカーが似合う著名人を表彰するアワードも設立しようと思っています。国や省庁の認定制度もありますが、なかなか一般の人たちには浸透していない部分がある。それなら、もっと身近なところから健康づくりに貢献していきたいと考えているんです。

そんな私の仲間の一人が千本英介くん(株式会社Ninja EX 代表取締役忍者)。千本くんは、トップアスリートやセレブリティなどの水中・陸上での運動サポートも担当してきた人。特に彼の指導の良いところは、誰でも簡単にできること、たとえば顔を上に向けるだけといった日常生活の中で無理なくできる健康づくりの方法を広めていってくれています。

千本:ありがとうございます。現在は、企業や病院などにトレーナーを派遣してスポーツ・ストレッチ、ボディケアをおこなったり、施設運営のコンサルティングなどを請け負っています。日頃のオフィスワークで固まった筋肉を伸ばしたり、ヘルシーなランチを提供したりすることで働く人の健康づくりに貢献したい。F1レースでいえば車をメンテナンスするピットのような存在を目指してします。

2.プレゼンティズムを防ぐため日常の中でできること

自己紹介も終わり、ダイアログは次第により具体的な話題に移行していった。

中家:千本さんは、どのような業種、規模の会社さんの健康づくりに取り組んでおられますか?

千本:ITをはじめ様々な業種、規模の企業さんですね。20人くらいの会社さんだと、社長の一存で、健康づくりの取り組みの導入を決めることができます。20人くらいだと人数も少なく、みんなが一丸となって成長していっている楽しい時期ですね。それが50名くらいになると上場を目指そうといった話も出てきたり、会社も創業期のメンバーとそれ以降に入ってきた人で二分化されたりもします。また、売り上げに直結する部署とそうでないバックオフィス的な仕事をする人とでの温度差、意識の違いなども出てきて次第に一体感もなくなり、社員のみなさんがストレスを感じるようになったりもします。

中家:確かに50人というのは、一つの目安かもしれませんね。50人以上の企業には、労働安全衛生法によって社員のストレスチェックが義務づけられています。80人くらいになるとさらに健康づくり、健康経営を導入するハードルは高まりますか?

千本:そうですね。社員の方にマッサージを受けてもらおうとなった時も、会社の費用の負担が大きくなります。ですが、ご家庭で使えるホットタブ(重炭酸湯)を配るといったコストをあまりかけないでできる方法はいくらでもある。

大門:ホットタブはいいですね。というのも、私自身、55歳のときに、体が重く、寝床から出られない、全くやる気がおきないという状態になったことがあります。バリバリ働いてきて、そんな経験は初めてのことでした。自分でも知らないうちに疲労が蓄積されていたのかもしれません。それで、ホットタブのお風呂にゆっくり入って寝たのですが、その翌朝はパッと起きられ、自分でも驚くほど体が軽く、調子が良くなっていたんです。それと口内環境は健康に大きな影響を与えますから、ジェット水流の歯ブラシを使うようにしました。質の良い歯ブラシを社員に配るという手もありますね。

千本:そうなんです。たとえば、会社のトイレを清潔にしてホテル並みに近づけると、昼食後、歯磨きをしようという気持ちにもなりますし、細かいところでもいろいろできます。だから、「歯磨きをしっかりやりましょう」「仕事の合間にストレッチやスクワットなどの運動をしましょう」と経営者から社員のみなさんに言って欲しい。そうすると、社員も最初は嫌々でもやると思うんです。でも、ストレッチをやると体のコリが取れますし、筋肉がつくと血流がよくなり、ウツ予防に繋がるなどメンタル面でもとても良い効果をもたらします。そのことに社員自身が気づくと、自然と続くようになりますから。

中家:なるほど、「ホットタブのお風呂」「トイレの清掃をして、昼食後歯磨き」「仕事の合間にストレッチ、スクワットで身体のコリを取り血流を良くしてウツ病の予防」…それはいいですね。健康経営で生産性向上の肝となるのがプレゼンティズム(出勤はしたものの、体調不良やメンタルの不調などにより、従業員のパフォーマンスが十分に発揮できない状態)。元気なら100の力を出せるところ、50にとどまってしまうなど生産性がぐんと落ちてしまい、それによる経営の損失は計り知れません。ちなみに、日本の時間当たりの労働生産性は先進国の中で極めて低く、OECD36加盟国の中で20位です。プレゼンティーズムの解消は健康経営の極めて重要な課題と言えます。千本さん、大門さんの健康づくりの実践は、プレゼンティズムを解消し、仕事の生産性の向上を実現する素晴らしい取組だと思います。

3.プラットフォーム同士の繋がりと通訳者の必要性

ここからはテーマ別に二つのグループに分かれてディスカッション。グループ1のテーマは、「共創共栄のソリューション共有の場(メンバー同士の持ち味を掛け算することで、新しいイノベーションを生み出したい)」

上野:今、私がやろうとしているのが、医療、福祉、食事、農業を連携させ、健康に繋がる情報を発信したり、ノウハウを届けるまさにプラットフォームとしての役割。もちろん、私以外でも実に様々なプラットフォームが作られていますので、そういうプラットフォーム同士の連携ということも考えられますね。

荒尾:そうですね。それぞれが持っている情報も違いますし、どこのプラットフォームがどういう取り組みをしているのか、ということもよくわからない。プラットフォーム同士が連携すれば、情報やネットワークがよりオープンに世の中に広がっていく。複数のプラットフォームが連携することで、情報の正確性も担保されます。

熊倉:確かに、プラットフォームごとに扱う情報もサービスも違いますし、それぞれに強み、弱みもある。だから、健康経営を実践する人たちは自分たちに最適な商品やサービスを探すのも簡単ではないですね。森川さんは必要な情報をどうやって探しているのですか?

森川:東京ビッグサイトの展示会にも足を運んだりします。ですから、時間も労力もかかりますね。

熊倉:なるほど。あの広い会場で自分たちに合うものを探すのは大変ですね。各プラットフォームが連携し、オープン化されていれば、これから健康経営をやろうという企業さんにとっても、欲しい情報を探すためのコスト、手間が少なくなる。

上野:森川さんにお聞きしたいのですが、健康経営の取り組みをするとき、インターネットではどんなワードで検索しますか? 「運動」といった一般的なワードなのか、業種によってワードは違ってくるものなんですか?

森川:私たちの業界でいえば、運転士という仕事柄、座りっぱなしで働くので、「腰痛」とか「コルセット」といったワードで検索します。それと目を使う仕事ですので、目に良いものが何かあるかなと探したりしますね。

上野:なるほど。視力ということであれば「ビタミンA」などもキーワードになってくるかもしませんね。

森川:ちょっと余談ですが、運転は集中力を必要とする仕事なので、「脳トレ」のグッズなどを調べて購入しました。ところが、「仕事を終えてからそんな疲れることはやりたくないよ」と社員から反発され、これは失敗に終わりました(笑)。

千本:でも、森川さんのように、経営者自身が現場の社員のことを知り抜き、何かをしようとする人は少ないですよね。経営者は現場のことを理解していないことが多いですし、経営者の悩みと現場で働く人の悩みは違います。ですから、経営者と現場を繋げる通訳者が必要なんです。特に心と体の両方を知っている人。メンタルとフィジカルは別々なものではなく、一致しているもの。だから、内科、メンタルヘルス、フィジカルトレーナーといったタテ、ヨコ、ナナメのメニュー、プログラムを理解し、説明できる人が、経営者と現場の間に入ることが欠かせないと思っています。

上野:経営者の想いと従業員の気持ち、与える側、与えられえる側にはギャップがありますものね。その溝を埋める存在が必要かもしれません。

4.一人ひとりに光が当たるフェス・アワードを

グループ2のテーマは、「規格外の取り組みをしている仲間を応援するフェス・アワード(一般的な指標では測りづらいような「規格外」ともいえる素晴らしい取り組みを掬い上げ、歩みをサポートするきっかけに!)」

橋田:フェス・アワードというテーマということで、具体的にイメージするのは難しいところがあると思いますが、何かお感じになっていますか?

大門:そうですね。政府・官公庁がやっている認定制度という大きな枠組みのものもあるけど、もっと細かい部分、一人ひとりをしっかり見ていくものがあれば、それこそアワードやフェスに値するんじゃないかと思うんです。

中家:「健康経営」という言葉は、「健康」と「経営」という本来は違う概念のものがくっついている。推進している省庁で言えば、厚生省が「健康」、経産省が「経営」ですよね。

これまでは、省庁の縦割り組織の弊害が強かった訳ですが、漸く、壁を超えて厚労省と経産省が「健康」と「経営」を協働で推進していることは素晴らしい事です。

又、協会けんぽと健康保険組合がサポートする「健康優良企業認定制度」と経産省の「健康経営優良法人の中小規模法人部門の認定制度」が制度として重複していた訳ですが、それが連携したことも大きな前進です。

大門:こんなことを言うと顰蹙を買うかもしれませんが、国が認定などをやっているうちは本物じゃない。企業としては、そこに名を連ねればいい、認定されればいいということで終わってしまう。本当に一人ひとりの健康に繋がるフェス・アワードなら私もやりたい。

橋田:確かに頑張って認定を取得されている企業さんは素晴らしいし、認定制度があることで目標ができ、頑張れるということもあります。でも、本当は健康経営を根付かせるためのものなのに、認定を取ったらそれで終わり。認定そのものが目的化し、形骸化している。そういう現状に対するアンチテーゼとして、今は社内であまり認められていないかもしれないけど、本当に一人ひとりがイキイキ元気に働ける場を作る取り組みをしている人に光を当てる、新たなフェス・アワードを作れないかと考えているんです。そして、その取り組みが社外、さらに社会全体や世界に広がっていくような元気玉プロジェクト的なものになればいいなと思っているんです。

中家:確かに、企業がホワイト500などの健康経営優良法人の認定を取ろうとした時、まず社長が大号令を発信し、人事・総務などの現場の担当者に指示を出します。

下に向かって、やれ、やれ、となるので、どうしても現場はやらされ感が出てしまう。本来は「社員が元気で活き活き幸せ」に成ることが重要であり、現場の人が主体的に熱意を持って取り組むものなのに……。

それで、認定取得したら認定証を飾って終わりという残念な現象も起きてしまうのでしょう。健康経営がブーム化している中で、エントリー数はどんどん増えていることは素晴らしいことですが、一方で、「企業は社員の健康づくりに投資をし、社員が元気で活き活きと仕事を行い幸せになると、同時に組織の生産性が向上する」という健康経営の本来の目的から離れてしまうことに危機感を覚えています。

大門:そうですよね。「うちの会社は健康経営をやっているよ」とトップの方が自慢したいだけなのかなと思ってしまうこともありますね。たとえば、知り合いの会社さんでストレスチェックを実施していて、それは大変良いことなんですが、チェックして終わりなんですね。その社員を健康にするまでが義務なんだという意識はない。

中家:そうなんですか、それは大変残念ですね。珍しい話ですが、当健保は事業主から受託して2016年度からストレスチェックの委託実施をしています。

その結果、高ストレス者の8割以上が「肩こり」と「目の疲れ」を訴え、「頭痛」「腰痛」を抱える人が6割以上もいるという分析結果を得ることができました。

昨年より、有志の健保組合さんにご参加頂き、「肩こり&腰痛予防コンソーシアム」を組織し、㈱バックテックさんが提供する肩こり&腰痛予防のスマホアプリ“ポケットセラピスト”を活用して痛みの改善活動を実践しています。

今年度も継続して、フィジカル(痛み)とメンタルヘルスの改善による生産性向上の実現とエビデンスの蓄積にチャレンジします。

大門:それは素晴らしいですね。法律で決められているからやるというのではなく、「社員の健康は何よりも大切だからやるんだ」ということで取り組んでほしい。

中家:まさに、先行して健康経営を推進している会社は、法律うんぬん、世の中が健康経営と言い出す前から、取り組んでおられます。

たとえば、経営者自身が大変な病気になった経験から「社員にこんな辛い思いをさせたくない」とか、「会社をもっと良くするためには、社員&家族の健康が一番です」という強い想いを持って取り組んでいるんです。

5.高まる熱気を抑え、総括へ

熱気溢れるダイアログ、ディスカッションは尽きないが、時間の関係上、本日の総括に。

[グループ1のまとめ]
熊倉:私たちのチームは、プラットフォーマー3人、実践者1人、ソリューション提供者1人という構成になりました。プラットフォーム同士が連携することで、より多くのより正しい情報が手に入るようになり、複数のソリューションを提供できるようになる。そうなれば、森川さんなどの健康経営の実践者も、自社に合ったサービス、商品を探す手間が少なくなるといった意見が出ました。

[グループ2まとめ]
橋田:中家さん、大門さん、私というメンバー。テーマは、フェス・アワードということですが、それ以前に、「一人ひとりがイキイキ働けるためにどうすればいいか」というそもそも論について熱く語り合いました。認定やアワードはたくさん作られるようになっていますが、でも取得することが目的になってしまっているきらいもある。なぜそういう構造ができていまっているのかといったことも話題に上りました。

中家:結局、経営者だけでなく、社員一人ひとりが健康経営の取り組みに心から納得し、腹に落ちるような認定やフェス・アワードであることが大切なんですよね。

大門:そうなんです。今は義務感で終わっている。だから、ユニークでヒューマンな取り組みをしている人たちを表彰できるフェスがあったらいいですね。

最後に参加者から一言、今日の感想をもらってから第2回目のダイアログは終了となった。

上野:大変密度の濃いダイアログに参加させていただきました。今日は本当に来て良かったです。

荒尾:やはり「繋がる」ということがキーワードなのかなと感じました。健康経営という一つのテーマでみなさんと繋がれて嬉しかったです。

森川:たくさんの刺激を受けました。みなさんに負けないように、これからも私自身、刺激を与えられる取り組みをしていきたい。

千本:みなさんから、たくさんの“気づき”をいただき、フィジカル、メンタル両面から、タテ、ヨコ、ナナメに経営者と現場の社員を結ぶ通訳者になりたいという自分の目指す方向性を再確認することができました。

中家:今日のダイアログは二つのテーマで熱心な議論がなされてとても充実した内容になりましたね。次回はさらに前進し、熊倉‘s dreamを進化させましょう!

大門:健康経営のベースになるもの、アウトラインが見えてきました。義務じゃなく、義務の先にあるものを考え、みなさんと形にしていきたいですね。

熊倉:各分野のエキスパートであるみなさんの化学反応が起きる瞬間を、すぐ目の前で見ることができ、あっという間の3時間でした。これが次回以降にどう繋がっていくのかいよいよ楽しみになってきました。毎回参加できない方もいらっしゃるでしょうから、フェイスブックなどでも情報や進行状況をキャッチアップできるようにしていきたいと思っています。本日は本当にありがとうございました。

【取材後記】
この角度から、この視点から、こんな意見が出てくるのか!という驚きの連続の3時間。
「オープン化されたプラットフォーム」、「経営者と現場を繋ぐ通訳者の必要性」、「冠取得のためでなく、本当に社員の健康づくりに繋がるアワード・フェスを」といったより実践的で、より深い部分まで踏み込んだダイアログがなされ、各分野のエキスパートたちによる知見と経験がスパークした夜となった。
熊倉氏からの「社員がイキイキ元気に働ける場を作るということが全ての立脚点」、中家氏からの「メンタル、フィジカルの状態がよく、仕事に対する生きがい、会社に対する愛情を感じているという状況を作っていく必要がある。そういうウェルビーングの世界が健康経営のあるべき姿である」という言葉に感動するとともに、次回開催への期待を抑えきれなくなった。

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