【シリーズ:健康経営と大学連携】ホワイト企業へのインタビューを経験し、多くの学びを得る江島ゼミ生たち(かちぞうゼミ2023 第3回)

大阪経済大学経営学部の江島由裕ゼミとタッグを組んで実施しているかちぞうゼミ(※)のPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。テーマは『学生とIKIGAI企業で創る新しい就活のカタチ』-学生とIKIGAI企業の交流&就活プラットフォームづくり- 。今回は江島ゼミ生たちがホワイト企業の経営者にインタビューを敢行。様々なことを学ぶとともに、その経営姿勢に深い感銘を受けたようです。

〔江島ゼミ生〕

大林由依 

俵美愛 

野村果音 

水元紗理 

吉岡尚哉

〔IKIGAI WORKS〕

熊倉 利和(健康経営の広場 編集長/IKIGAI WORKS代表取締役)

須子 善彦(マイプロジェクト代表取締役/IKIGAI WORKS取締役)

1.ホワイト企業にインタビューを実施

これまでマイプロシートを作成し、自分自身の働きがい・生きがいを探求するとともに、マイモノサシ(自分が企業を選ぶ際、働きがい・生きがいを感じられる企業の指標)作りに挑んできた江島ゼミ生たち。その学びを活かしながら、ホワイト企業の経営者にインタビューする日が近づいてきました。

熊倉:スタディーツアーの中で、みんなにはホワイト企業の経営者にインタビューをしてもらうわけだけど、まずスタディーツアー全体の概要を話しておこうか。

スタディーツアーは、8月28日、三幸土木さんの本社をお借りして開催する。みんなだけでなく、京都産業大学の副学長の在間尊子先生のゼミ生や、関西大学の横山恵子先生のアントレプレナーシップ講座の学生さんも参加してくれる。

ホワイト企業側からは、エーオーエーアオバ、トップライン、大橋運輸、尾畑長硝子、ティ・アイ・エスの素晴らしい経営者が来てくれ、インタビューだけでなく、バーベキューなどの交流イベントを開く予定でいる。せっかくの機会なので、みんなが日頃から感じていること、働き方で疑問に思っていること、進路についての悩みなどについてもざっくばらんに話せると思うよ。

2.経営者も学生も幸せなキャリアの描き方は共通

8月28日のスタディーツアーは無事に終了。ホワイト企業へのインタビューを終え、ゼミ生たちはどんなことを思い、何を感じたのでしょうか?

須子:ホワイト企業の経営者さんに実際にインタビューしたわけだけど、どうだった? 

吉岡尚哉:私は大橋運輸の鍋嶋社長にお話を伺いましたが、本当に面白くて時間が足りないほどでした。それで「今度、改めて鍋嶋社長のところに伺ってお話を聞こう」と他の大学のみんなとも話しているところです。

インタビューの後は、テーマごとに3つのグループに分かれてのディスカッションとなり、私は「マイモノサシ」のグループを選びました。最初に「会社の評価って本当に時価総額で表せると思うか?」という問いが投げかけられ、議論が始まりました。私自身それまで考えたこともなかった社会評価という形で会社を捉える視点もあるんだということを知り、驚きましたし、大変刺激を受けました。

大林由依:私はトップラインの中嶋社長にインタビューをさせていただきました。ご自身のマイプロシートについて詳しく説明してくださった後にインタビューできたので、「中嶋社長はこういうご経験をされているから、今、こういう想いを持って会社経営をしているんだ」ということがよく理解できました。

須子:まさにそこは気づいてほしかったことの一つ。みんなも自分自身のマイプロシートを作成したよね。人生を振り返りながら、自分が本当にしたいことは何かについて考えていった。これから幸せなキャリアを選ぶ際、そのヒントとなるのは、それまでの自分の人生の中にある。それは、トップラインの中嶋社長にも由依にも同じように当てはまることなんだよね。

俵美愛:私は尾畑長硝子さんにインタビューしました。私のマイモノサシは新入社員に対する教育制度の充実。その点についてお伺いしたところ、尾畑長硝子さんの答は「まず新入社員だからといって、教えてもらえることが当たり前だと思ってほしくない」とのことでした。

これまで私は新人教育をしっかりする会社がいい会社だと思っていました。実際、尾畑長硝子さんもOJTにも力を入れるなど、しっかりと教育研修をされています。でも、今の人たちは教えてもらえるのが当たり前と思っているところがある。受け身ではなく、主体的に動き、自ら学び取る姿勢がとても大事だということでした。私も教えてもらえるのが当たり前とどこか思っていたので、とても心に刺さりました。

野村果音:私はティ・アイ・エスさんにインタビューをさせてもらいました。印象に残ったのは、岩井社長がなぜ保険の仕事を始めたかについて。岩井社長が19歳の時、お父様が亡くなり、保険に助けられたということが起業のきっかけになったとおっしゃっていました。私はそれまで保険は難しいもの、堅苦しいものだというイメージを持っていましたが、そのお話を聞いて、保険は人を助けられるものなんだ、とても人間的なものだと保険に対するイメージが大分変わりました。

私のマイモノサシの一つである「マイノリティの人たちが働きやすくなるための取り組み」についての質問もしました。それに対してティ・アイ・エスさんは「まず経営者がその問題について真摯に考え、受け止めることが大事」とお答えになり、何か新しい取り組みを始める時、トップの姿勢がとても重要になるのだと感じました。

須子:なるほど。確かに新しい制度を作る際、トップの考えや経営姿勢の及ぼす影響は大きいよね。とても大きな気づきですね。素晴らしいです。

3.経営者の魅力に触れ、企業のファンとなる

熊倉:今回のスタディーツアーでは、ホワイト企業にインタビューするだけでなく、一緒にバーベキューをやったりしながら楽しく、本音で話せたんじゃないかな。

大林由依:はい。インタビューの時は、緊張してしまい、うまく話をまとめられないところがありました。ですが、バーベキューでは企業の人から「今の大学生って、これについてどう考えているの?」といったことを聞いてくださったりして、ざっくばらんにお話ができ楽しかったですし、とても有意義な時間でした。

熊倉:それはいいね。そうやって話をしながら、経営者の人間的な魅力も含め、この企業を応援したいという気持ちも出てきたんじゃないかな。どうやればこういったホワイト企業の存在を、世の中に広く知ってもらえるようになるかといった戦略についてもみんなに考えてほしい。

須子:そうですね。今回参加した企業のみなさんからも大変ご好評をいただき、嬉しいことに、学生のみなさんとまたお会いしたいと言っていただいています。

熊倉:さて、今回のプロジェクトで、みんなはマイプロシート(自分の働きがい・生きがいを探求するツール)の作成、マイモノサシ(自分が企業を選ぶ際、働きがい・生きがいを感じられる企業の指標)作り、そしてそれを土台として、今回のホワイト企業のインタビューを行ったことになる。

それぞれの過程を踏むことで、自分が仕事や会社に求める価値観、働きがい・生きがいを持って働ける会社選びについて考え、視野が広がっていると思うよ。その成果を発表する機会が11月26日の最終発表会だ。その準備を進めていこう。

【取材後記】

ホワイト企業経営者へのインタビューも無事に終えた江島ゼミ生たち。このインタビューを元に、その経営者のマイプロシートも作成することでより深く、経営者の想いや経営の根源にある情熱や哲学について深く理解していきました。

このインタビューを行ったスタディーツアーでは、バーベキューなどの交流イベントも開かれ、経営者と学生の人としての関係性も深まり、両者にとって大変有意義な機会となったようです。このスタディーツアーの詳しい様子はまた改めて記事にします。そして、次回は江島ゼミ生が今回のプロジェクトの成果を発表する最終報告会についてご紹介する予定です。

(※)産学連携かちぞうzemiは、一般社団法人そばくりラボ主催の「かちぞう企画」の一つで、産学連携で価値創造にチャレンジする実践的なPBL活動(PBL:Problem Based Learning)。より良い社会の構築を目指して価値創造するための実践的な調査研究活動に、学生がチーム単位で半年間かけて取り組む。

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