【フェスレポート】ソリューション3『健康経営で取り組む、大人の食育とその定着方法』

【フェスレポート】ソリューション3『健康経営で取り組む、大人の食育とその定着方法』

第一回『働き方・生き方フェス』(2020年9月15日開催)のソリューション3として開かれたのが、『健康経営で取り組む、大人の食育とその定着方法』。健康食育の専門家である柏原ゆきよ氏(一般社団法人 日本健康食育協会 代表理事)と、健康増進支援事業を展開する武藤麻代氏(合同会社オールスプラウツ 代表取締役)が、毎日元気に働くための食事法や、組織での食育の実践方法についてレクチャーしてくれました。

1.食べ過ぎではなく代謝の問題

「健康のために食事が大切であることは、誰もがわかっていること。ただ、現場で指導する管理栄養士さんなども、試行錯誤しながら様々な工夫をなされていますが、なかなか思うような成果に繋がらず悩んでいるのではないでしょうか」と話す柏原ゆきよ氏(一般社団法人 日本健康食育協会 代表理事)。

実際、特定健康診査(いわゆるメタボ健診)が始まって10年以上経っていますが、メタボの人の割合は減っていないという現状があります。その根本的な原因として、“メタボ=食べ過ぎ”という考え方が、そもそもずれているのではないかと柏原氏は指摘します。

日本人の摂取カロリーを見ても、1960年代、70年代をピークに減っていると言います。ここからもメタボや糖尿病などの原因が必ずしも摂取カロリー(食べ過ぎ)だけではないということが見えてきます。また、柏原氏は、何かを我慢をする、制限をすることで感じるストレスも問題であると指摘します。

「メンタルヘルスの観点からも、食事に制限をかけてストレスを与えるのは問題です。また、我慢を強いる食生活で一時的に結果は出たように見えても、長く続けることは難しい。反動が来て、かなりの確率でリバウンドしてしまうというもったいない現状があります」

食べ過ぎではなく、代謝に注目すべきであると柏原氏は言います。

「メタボリックシンドロームを直訳すると代謝異常症候群です。体内の代謝がうまく回らないことによって、内臓脂肪の増加、血糖値や血圧の上昇といったことも起こってきます」

2.お米を中心に正しく食べる

では、具体的にどのような食事をすればいいのでしょうか。それは、私たち日本人に一番身近な食材であるお米を中心とした食べ方だと言います。

「なんとなくお米は太るもの、血糖値が上がるものとして、メタボ改善の時に真っ先に控えがちですが、お米と味噌汁の組み合わせという日本型の食生活は、メタボ改善にとても効果的であるということが、多くの事例を通じてもわかっています」

食べる量、食べるスピード、食べる順番、食べるタイミング、食べる意識を見直すことで、コレステロールや中性脂肪の減少、血糖値や血圧の安定など、短期的にも結果が出る人が多いということです。

「そして、お米を推奨する最大の理由は、免疫力を上げる食材であること。お米をしっかり食べると腸内細菌のバランスも改善し、免疫力にも大きな変化が現れます」

また、見逃せないのがお米とメンタルとの関係。お米をしっかり食べていると、ストレスに強くなったり、イライラや不安感を感じにくくなると言います。

「メンタルの安定は、結果的に自律神経を安定させることにも繋がります。ですから、栄養的な効果だけではなく、お米を中心にした食事は、総合的に見ても心身の不調の改善に効果的であると言えます」

3.『大人の食育』導入事例

柏原氏のメソッドを導入し、社員の健康改善に成功した企業の一つに株式会社セルメスタがあります。導入をサポートしたのは武藤麻代氏(合同会社オールスプラウツ 代表取締役)。

武藤氏は、10日間の短期集中型の体質改善プログラムと、約3ヶ月で実践していくテキスト教材を使ったプログラムをセルメスタの社員の皆さんに実施。

10日間の短期集中型のプログラムでは、食習慣をリセットして、体の中のゴミをしっかりと出し切る食べ方を進めた結果、社員の体質改善に成功。「朝の目覚めが良くなった」「体が引き締まり、動きが軽くなった」「便秘で悩んでいたが、朝からスッキリ出せるようになった」といった感想が参加者から多く寄せられました。

体の変化に合わせて、心の変化も大きく、仕事に対するモチベーション、パフォーマンスも高まりました。

「ポイントの一つが、コミュニケーション。例えば、ダイエットを自分だけで始めても、最初の頃は頑張るのですが、やる気が続かなくて止めてしまうことが多い。その点、チャットやSNSなどを活用し、参加者同志が、今の自分の状況、レシピやうまくいくコツ、感想を共有しながら進めることで脱落者も出にくくなります」と武藤氏。

参加者の皆さんは、生活スタイルや食の嗜好が違います。その中で、不安を抱いたり、わからないことがあればチャットを通じて質問を投げかけ、武藤氏が答える。すると他の参加者もそれに反応するといったふうに、活発なコミュニケーションが生まれ、セルメスタでもドロップアウトをする人を一人も出さずにプログラムは終了したとのこと。

「食習慣や体調の改善だけでなく、普段の業務の中で繋がりのなかった人同士も横断的に繋がったことも成果の一つ。参加者同士がコミュニケーションを取りながら、チーム一丸となって目的に向かう。チームビルディングという観点からも成功事例となりました」と武藤氏は話します。

 

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