不眠症・不眠とは メンタルヘルス(心の病気)の用語集

不眠症・不眠とは メンタルヘルス(心の病気)の用語集

不眠症とは、じゅうぶんな睡眠がとれないなどの睡眠問題が1カ月以上続き、日中に心身の不調が出現する心の病気(メンタルヘルス不調)です。不眠の原因はさまざまですが、原因を突き止めて対処することによって、ほとんどの方が確実に改善します。まずは不眠症に対する正しい知識を身につけましょう。


不眠症とは 「睡眠の不足」で「心身に不調」が出現する病気

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不眠症とは、必要な睡眠が得られないことが続き(一般的に1カ月以上)、そのために日中さまざまな不調が出現する病気です。倦怠感、意欲低下、抑うつ、頭重、食欲不振など多様な不調が表れます。このように「長期にわたる夜間の睡眠の不足」と「日中の心身の不調、生活の質の低下」の2つが認められたとき、不眠症の診断がなされます。

不眠の原因もストレスや身体・心の病気、薬の副作用などさまざまですから、原因を突き止めてそれに合った対処をすることが重要です。治療が働かない不眠症はほんの一部で、適切な治療を受ければほとんどの方が効果を得られます。自己流の不眠対処で効果がないときには専門医に相談しましょう。

不眠症を発症しやすい年代

日本人では5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」と回答しており、不眠症はどの年代でも起こりえる病気です。

年齡が高くなるほど頻度が高くなり、とくに60歳以上の約3人に1人が睡眠問題で悩んでいます。
不眠症は特別な心の病気ではなく、ごく身近な病気といえるでしょう。

不眠症の症状4タイプ 日中の苦痛が判断基準に

必要な睡眠時間は個人差が大きいため、何時間以下なら不眠症といった明確な基準はありません。不眠症は、睡眠時間の少なさそのものではなく、日中の作業効率の低下や気分の変調など、精神的・肉体的苦痛が生じることが問題なのです。

不眠症は下記の4つのタイプに分けられ、これらが併存することも少なくありません。

<不眠症の4タイプ>
入眠障害…寝床に入ってからなかなか寝付けない
中途覚醒…眠りが浅く、途中で何度も(3回以上)目覚める
早朝覚醒…早すぎる時間に目が覚める
熟眠障害…眠りが浅く、ある程度眠っても眠れた感じがしない

上記が1カ月以上続き(長期不眠)、日中に倦怠感、作業効率や意欲の低下、食欲の低下などの不調が出現します。一般的に問題となるのは長期不眠ですが、期間が短くとも症状が重篤な場合は治療が必要です。

不眠症の原因は多様 専門施設で原因に沿った適切な対処を

不眠症の原因は多様で、それぞれ対処法も異なります。たとえばうつ病の場合、症状が重くなると気分のおちこみや意欲の減退などが出てきますが、ごく初期では不眠だけが表れることがあります。このような場合の不眠には、睡眠薬の効果が乏しいことも多いようです。

うつ病による不眠や、睡眠時無呼吸症候群・レストレスレッグス症候群・周期性四肢運動障害が原因の不眠は、それぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りません。専門施設での診断と対処が必要です。

各々の特性に応じて対処をすれば確実に改善します。主な不眠の原因とその対処法について、厚生労働省による表がありますので参考にしてください。

<表:不眠の原因>

<引用>不眠症 | e-ヘルスネット 情報提供

不眠症の対処 適切な治療でほとんどが快方へ向かいます

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不眠の原因を診断して、それぞれにあった対処をすることが不眠対処の第一歩です。それに加えて、自分に向いている安眠法を見つける(就寝・起床時間を一定にする、軽い運動をする、太陽の光を浴びるなど)のも効果があります。

重要なのは、眠れないことをくよくよ思い煩わないことです。「今日も眠れないのでは」という不安が、メンタルヘルスに悪影響を与え、気持ちを高ぶらせたり、環境音に過敏になったりする原因となります。

どうしても不眠が改善しないときには、専門医に相談をしてみましょう。精神科や心療内科に抵抗があるのなら、まずはかかりつけ医でも結構です。適切な治療を受ければ、ほとんどの方が確実に改善します。

不眠症の薬物療法 最近の睡眠薬は副作用が少なく安心

現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。
睡眠薬について「クセになるのでは」「副作用があるのでは」と敬遠する人も多いようですが、最近の睡眠薬はそういう心配がありません。

昔の睡眠薬は効果が強力な反面、作用が長すぎたり翌日までふらつきが残ったりなどの副作用がありましたが、現在の睡眠薬は不安や緊張を和らげて自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使用できます。

ただし、症状が良くなったのになんとなく使い続けている……というのはよくありません。落ち着いてきたら主治医と減量・中止について相談してください。

また、最近ではドラッグストアで買える睡眠薬があります。これはアレルギー薬の眠くなる副作用を利用したもので、短期の使用に限られます。不眠症に対して、これらの市販の睡眠薬を長期に用いてはなりません。

<監修医師>

菊池祐二郎 医師
山王メディカルセンター 血管病センターにて診療に従事。
東京医科大学病院在籍中は主に心臓手術・血管外科を担当し、さらにその関連施設では人工透析管理に従事。心臓や血管に疾患のある患者様に元気な日常生活を送っていただけるよう、患者様お一人おひとりにもっとも適した治療法を考え、行っている。

専門:血管外科
経歴:東京医科大学卒、医学博士/前東京医科大学心臓外科医長
学会活動:日本外科学会認定外科専門医・認定医/日本循環器学会認定循環器専門医/日本脈管学会認定脈管専門医/日本抗加齢医学会認定抗加齢医学専門医

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