統合失調症とは メンタルヘルス(精神疾患)の用語集

統合失調症とは メンタルヘルス(精神疾患)の用語集

統合失調症とは、心や考えがまとまりを欠いた状態になるメンタルヘルス疾患(精神疾患)です。自分の悪口が聞こえるといった「幻覚」や、いやがらせをされていると思い込むといった「妄想」など、特徴的な症状があります。薬や治療法の開発が進み、今では多くの人が長期的回復を期待できるようになっています。


統合失調症とは 幻覚や妄想が特徴的なメンタルヘルス疾患

統合失調症とは、こころや考えなどの脳の働きがまとまらなくなり、幻覚や妄想など特徴的な症状がある精神疾患です。

ほかの精神疾患と同様に長い経過になりやすいですが、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復が期待できます。早期に治療するほど重篤化しにくいとされるため、早期発見・早期治療が大切です。

統合失調症の発症年齡、男女差、発症率について

発症の年齡は思春期から青年期(10代後半から30代)が多く、10代後半から20代がピークです。男女比に偏りはないとされてきましたが、最近の報告では男:女=1.4:1で男性が多いとされています。男性よりも女性の発症年齢は遅めのようです。

日本の統合失調症患者数は約80万人といわれ、受診していない方を含めるとどのぐらいになるのか、日本では十分な調査がありません。世界的各国からの報告をまとめると、生涯で統合失調症を発症する人は全体の0.7%。100人に1人弱の計算となり、統合失調症は身近なメンタルヘルス疾患だといえます。

統合失調症の主な症状「陽性症状」「陰性症状」

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統合失調症の症状は、全体を把握するのが難しいほど多彩です。ここでは主な症状について紹介します。症状には「陽性症状」と「陰性症状」があり、よくいわれる「幻覚」「妄想」は、「陽性症状」にあたります。
自分の状態を振り返って判断することが難しいため、病気であることを自覚しにくいのも特徴です(病識の障害)。

統合失調症の陽性症状「幻覚」や「妄想」

統合失調症の主な陽性症状は「幻覚」や「妄想」で、不安で恐ろしい気分を引き起こします。本人にとっては現実のような体験であるので、周りが訂正しようとしてもなかなかそうだと信じられません。

<幻覚>
幻覚は実際にはないものを知覚する症状です。なかでも自分の悪口や噂話が聞こえてくる幻聴は、しばしば見られます。

<妄想>
妄想とは、ほかの人にとっては明らかに誤りだと思えることを信じこんでしまう症状です。いやがらせをされていると感じる「被害妄想」、テレビやインターネットなどに自分の情報が流されていると思い込む「関係妄想」、見張られていると思い込む「注察妄想」などさまざまな妄想があります。

統合失調症の陰性症状

陰性症状とは、意欲や感情表現が減るなど、健康なときにはあったものが失われる症状といいます。厚生労働省によると、陰性症状には以下のようなものがあります。

・意欲がなくなり無気力になり、身の回りのことにかまわなくなる。
・感情が表に出にくくなり、いつも無表情で、喜怒哀楽がなくなる。
・友達や家族など人と関わることを避けて、閉じこもる。

<引用>統合失調症|こころの病気について知る|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省

統合失調症の原因ときっかけ、素因と環境について

統合失調症の原因は、明らかにはなっていません。仕事や人間関係のストレスや、就職・結婚・独立など人生の転機がきっかけとなることが多いようです。しかし、これらは発症のきっかけであり、原因ではないと考えられています。

さまざまな研究結果から、統合失調症の原因は素因(その病気にかかりやすい素質)と環境の両方が関係しているとされています。子どもは遺伝と環境の影響を受けて成長しますが、統合失調症の母親から生まれた子どもで、同じく統合失調症を発症するのは約10%に過ぎません。統合失調症の要因をいくつか持っている人が、上記の状況に置かれたことをきっかけに発症するのではないかと思われます。

統合失調症の治療 薬物療法と心理社会的治療の組み合わせ

統合失調症の治療は、薬物療法が基本です。投薬によって症状がさっぱり出なくなる人もいますが、自己判断で薬をやめてしまうのは再発のリスクが高まるため厳禁です。必ず医師と相談するようにしましょう。

薬物療法と同時に、心理社会的な治療も組み合わせます。どちらも行うことで、相乗的な効果があることが分かっています。
心理社会的な治療とは、運動療法、作業療法、社会生活技能訓練(SST)などで、社会生活や対人スキルを習得したり、意欲を高めるためのリハビリテーションなども行われます。

統合失調症は回復可能な精神疾患です。長い経過で見ても過半数が回復、重度の障害が残るのは20%程度とされています。早いうちから、しっかりと治療に取り組むことが大変重要です。

<監修医師>

菊池祐二郎 医師
山王メディカルセンター 血管病センターにて診療に従事。
東京医科大学病院在籍中は主に心臓手術・血管外科を担当し、さらにその関連施設では人工透析管理に従事。心臓や血管に疾患のある患者様に元気な日常生活を送っていただけるよう、患者様お一人おひとりにもっとも適した治療法を考え、行っている。

専門:血管外科
経歴:東京医科大学卒、医学博士/前東京医科大学心臓外科医長
学会活動:日本外科学会認定外科専門医・認定医/日本循環器学会認定循環器専門医/日本脈管学会認定脈管専門医/日本抗加齢医学会認定抗加齢医学専門医

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